刀剣コレクションに続き、日本刀を除く武具のコレクションの展示を解説する。こちらも、展示数は少ないが、名品の数々が展示されていた。国宝も幾つか展示されていたが、小さな文字で「国宝」と書かれているだけなので、気付かず素通りしそうになる。以下、写真と共に添えられた解説文を書き記して紹介する。
左図:いずれも国宝 古墳時代
中央の上から4本は鉄剣、右の2本は鉄矛、下の長い剣は銀装素環頭大刀
右図:横矧板革綴短甲 国宝 古墳時代
短甲とは、胴周りを守るための武具。本品は金色に輝く蝶番板によって右前胴を開閉でき、身に着けることができた。ヤマト王権が製作して下賜した品だと考えられる。
左図:薙刀 長船祐定
天文7年(1538年)備前国長船派の名工、与三左衛門尉祐定によるもの。室町時代のものは鋒(きっさき)が張り、刀身が大きく反った形態になる。
右図:十文字槍 金房政次 室町時代
槍は室町時代に薙刀に替わって合戦で多く使用されるようになった。本作は槍の制作を得意とした大和国(奈良県)金房派の名工、政次の作。鎬には「必位心意」の文字を掘っている。
左図:獅子螺鈿鞍 重要文化財 平安~鎌倉時代
古様を示す形式をもつ希少な鞍の1つ。平安~鎌倉時代にかけて盛行した沃懸地螺鈿の典型を示す作品
右図:黒韋肩妻取威胴丸 重要文化財 室町時代
胴の右側面に引合せがある胴丸に、筋兜と大袖を備えた三物皆具の高級品
東京国立博物館の構内には、由緒ある建造物や屋外彫刻などがある。下図は黒門(重要文化財)、旧因州池田屋敷の表門。創建の時期は明らかでないが、江戸末期と考えられている。大名屋敷表門では、東京大学の赤門と並び称される。
2023/08/01 カジタ