立身流 新田神社奉納演武(雑記)

貫汪館館長と立身流様のお付き合いはとても古いとお聞きしています。
横浜支部長も個人的にはもちろん昔から日本武道館などの演武を拝見していました。
ただ横浜支部長としてご縁ができたのは2015年のことです。貫汪館が立身流の初抜演武大会に招待されて、その演武に参加したのでした。
稽古日記:立身流 初抜演武大会

その後、立身流の矢口支部様が毎年主催されている新田神社奉納演武にお声が掛かり。
立身流宗家の加藤先生は横浜支部のことを覚えてくださっていたのですが、当時はとても横浜支部として演武に参加できるような状況にはなく、館長が参加して演武をされました。
そして毎年10月10日で通常は平日のため、時間に都合がつきやすい支部長がお供をするようになりました。
今回も平日ではありますが、お願いして横浜支部長も参加の許しを得ました。初めての参加です。

屋外での演武のため雨天の場合は中止。
前日は雨模様でしたが、当日は無事に晴れて。考えてみれば1964年に東京オリンピックの開会式が行われた晴れの特異日です。とは言え東京の晴天率は60%ほどだそうですからギリギリでしたね。とくに最近の天候はまったく予断を許しません。
それにもし雨天中止になったとしても、館長のお言葉によれば、それも神意、とのことです。

場所は、東京都大田区。
あざみ野から田園都市線に乗って、溝の口で大井町線に乗り換え、自由が丘で東横線に乗り換え、多摩川で多摩川線に乗り換えて、武蔵新田駅が最寄駅です。すべて東急線ですが細かく乗り換える必要があります。

神事が13時からということで、12時に現地集合でお約束。
当日は仕事は休みをいただいて、11時前に武蔵新田駅に到着。マップを頼りにてくてくと歩き。
とくに迷うようなこともなく11時に新田神社に到着。例大祭の最中の様子でした。
あまり早く来られてもご迷惑でしょうから、駅まで戻ることに。道を少し変えて駅まで戻りましたが、ドトールなど一切ないのが印象的でした。東急沿線の古い町並みですね。生まれ育った町を思い出す下町です。

居合刀、大石神影流木刀、鞘木刀、小太刀、懐剣、十手、分童の入った大きめのロッドケースを駅の改札口外側の壁に立て掛けて、少し離れたところに立って待ち。
街行く方々を眺めていると、黒い革の刀袋を肩に担いだ方が降りてきて。新田神社に行くのかなと思って遠目に見ていると、声を掛けられました。
 新田神社に行く方ですか?道を教えてください。初めてなもので、、、と。
私も初めてなんですけれどもねと思いつつ、よく私も新田神社に行くとわかったなと思いつつ、道を指差して、
 待ち合わせをしているので同行はできませんが、そこの交差点を左斜めに進めばすぐですよ。迷うことはないと思います。
とご案内しました。実際には待ち合わせをしているわけではないのですが、どなたかのお役に立てたのであれば良かったことです。
ほどなく館長と世田谷支部長がお越しになり。約束の時間より少しお早いお越しです。お声をかけて、新田神社まで一緒に歩きました。

12時前に新田神社に到着。
加藤先生や門人の皆様にご挨拶。昼食におにぎりとお茶をいただきました。ありがとうございます。
ほどなく紋付袴白足袋雪駄に着替え。

13時から神事。
開会式のあと、演武開始です。
最初は、次期宗家の始礼之儀から。小学生の頃から毎年だそうです。
続いて桁打、旋打、廻打。袋撓を使用した基礎稽古とのことです。
剣術表、半棒、居合表。
招待流派演武
鎗、和、組居合、長刀、棒、四寸鉄刀などなど。

立身流は剣術と居合術を表芸とした総合武術であり、また同じ居合や剣術でも、向と圓、表と陰、序破急で構成されている体系だということがとてもよくわかる演武内容でした。これは時間の限られている武道館などの演武会ではできないことですね。
また解説のアナウンスもとてもお上手で、演武を拝見するのに大変参考になりました。
平日ではありますが、一見の価値のある演武会だと思いました。

全20演目のうち18番目が貫汪館の演武。
無双神伝英信流抜刀兵法からは太刀打。
 館長が相手、横浜支部長が遣方です。
 出合、附入、請流、請入、心明剣
大石神影流剣術からは試合口。
 館長が仕太刀、世田谷支部長が打太刀。
澁川一流柔術からは十手と分童。
 世田谷支部長が十手、
 横浜支部長が分童、
 お互いに打太刀
とくに大きな失敗はなく館長からも、なんとか形にはなった、とお言葉をいただくことができました。100点の演武などあるはずもなく、60点もいただければ御の字というところです。なんとか及第と理解しました。
後日、館長のfacebookでは、
 世田谷支部長・横浜支部長の演武も安心して見ていられるレベルになりました。
とのお言葉でした。恐縮なことです。
雨上がりの土の上のゴザの上で、皆さんが演武をされたあととは言え、一度足元が滑りバランスを崩してしまったのは失敗でした。
館長の気合いで、木に止まっていた鳥がバサバサバサと飛び立ったのには少し笑ってしまいました。

居合陰は、普段拝見する居合とはまた少し異なる印象を受けました。
最後は宗家による演武。圧巻でした。

閉会式のあと着替え、直会にご招待いただきました。
お神酒をいただいて、日本酒とビール、お寿司とお菓子など。
主催は矢口支部さま。支部とは言え人数も多く、歴史もありとてもしっかりした組織だなという印象をあらためて受けました。
今回は運営の中心は若手の方で、世代交代をしているところだそうです。とても素晴らしいことですね。
お相手くださった副支部長様のお話もとても勉強になりました。


お開き後は、館長と世田谷支部長と駅前のピザ屋へ。マルゲリータのフリッターとアイスコーヒーをいただきながらしばし歓談。

武蔵新田駅から多摩川線に乗って、多摩川で反対方面の館長をお見送り、二子玉川で反対方面の世田谷支部長をお見送り。

20時前に帰宅しました。


とても充実した有意義な一日でした。

息をつく間もなく熱田神宮奉納演武、明治神宮奉納演武、柳川の演武会です。

気を引き締めて臨もうと思います。