歩法

わずかに感じた秋の気配もどこへやら、毎日暑い日が続きます。それでも暑い陽射しと共に吹く風はやはり秋を感じさせます。
毎朝出勤の建物の影は同じ時間でも長さと角度が日に日に変わり。夕方に暗くなるのもほんのわずかずつ早くなり。月は毎日形を変えて、暦が進むのを感じます。

三連休の初日、いつも通り出勤して、お昼過ぎまで仕事。そして夜は、横浜支部はいつも通り稽古です。
体育館にはカジタさん、オオイシさん。いつも通りですね。
上の窓を開けて、扇風機は出さず。

さて、稽古開始です。

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<無双神伝英信流抜刀兵法>

歩法
 毎週斬撃を稽古していますが、そもそも歩法がなかなか良くならず。刀を置いて、久しぶりに歩法を稽古しました。
 一度置いた足をジリジリと動かすことのないように。右足はまっすぐ前を向いて、左足は斜め外に開く。つま先と膝の向きは一致すること。肩、腰、膝は同じ平面に。自然に半身となる。
 そけい部を弛めて、上は軽く虚にして、下は重く実にする。重心は常に両足の中間に。スッと真っ直ぐに立てば、重心は自然に真下に落ちて、とても楽に立てるはずです。
 一度動いてから修正するのではなく、修正する必要のない動きをすること。一発でビシッと決める。無駄な動きをしないこと。
 お二人とも進むより下がる方に苦労されていました。股関節や足首が固いのでしょうか。下がれないということは、進めていないということかと思います。

 しばらく繰り返しました。以前は通じなかった説明も通じるようになり。変わらないようで、変わっているものですね。
 お二人ともとても良くなりました。あとはこれが続くかどうか。やればできるのに、やらなければそれまでです。

斬撃
 歩法を稽古しただけですが、斬撃もとても良くなりました。手の内もビシッと決まり、体も安定して刀も自然に動きます。

 立ち方、歩法は建物の土台のようなもの。土台が歪んでいて、その上の建物を曲げてバランスをとるようではいけない。まっすぐの土台、まっすぐの骨組み、まっすぐの建物。合理的で自然なものかと思います。
 あちらを曲げてこちらを曲げて、というようなことのないように。

 振りかぶった背後で剣が緩み、振り下ろした前で力が入るというようなことのないように。手の内を緩めたり締めたりしない。テンションは常に同じです。
 斬撃に限らず、大事なことかと思います。

 まっすぐで自然な動きというのは、見ていて気持ちが良いものですね。作意がない。無為自然。
 奇を衒った動きというのは、見ていて不快な気分になります。こういった感性を養うことも大事なことかと思います。

今週は形は稽古せず。
形になれば、せっかく稽古した動きが乱れるのは容易に想像がつきます。来週までに身に付いていると良いですね。

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<大石神影流剣術>

構え
 久しぶりに向かい合って稽古。
 居合の歩法、斬撃と変わることはありません。居合で稽古した緻密な動きを剣術にも活かしましょう。同じことです。

素振り
 その場で振りかぶり、その場で振り下ろし。
 その場で振りかぶり、出ながら振り下ろし。
 下がりながら振りかぶり、出ながら振り下ろし。
 どのように振り上げ、振り下ろそうが同じことです。自然に動いて、大石神影流剣術の動きになるように稽古をしましょう。
 お二人ともとてもお上手でした。

今週は手数の稽古はせず。
手数になれば、せっかくの動きが乱れるのは容易に想像がつきます。来週までに身に付いていますように。

棒合
 代わりというわけではありませんが、棒合だけ稽古。棒合も手数には代わりありません。
 打太刀を立てず、一人で棒だけゆっくりと稽古。先ほどまでに稽古した緻密な動きを忘れずに。全身を協調一致させて動くこと。手先ではなくて、肚で動くこと。
 お二人ともとても良い動きをされていました。相手が付いても同じように動けるように。心の問題です。

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<澁川一流柔術>

四留
 居合と剣術で稽古した緻密な動きを柔術にも活かしましょう。同じことです。変わることはありません。

 この形はこの動きだから手と足はこうですね、と事前に説明してから稽古してもらいました。多少はマシというか、あまり変わり映えしないというか。。。
 考えながらでは良い動きになるはずがありませんよね。無為自然とは真反対、作為。
 頭で考えず、手足が動くのに任せましょう。肚を中心に、手足が四方に広がるイメージです。
 骨と筋肉は忘れて、全身がゴムになったようなイメージ。無駄な力は要りませんが、芯は必要です。全身が同時に動くように。
 足を引いて膝を割り、体を開いて腰を落とすこと。それですべて終わり。ゴチャゴチャと余計なことをしないように。

 硬い/固い/堅いのはいけない。
 軟らかいのではなく、柔らかいのが良い。
 柔術です。

 礼式から前車まで稽古。とても良い稽古をされていました。このまま続けましょう。

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定刻を少し過ぎて終了。
いつも同じことを稽古して、それでも少しずつ変わって行くと良いですね。

来週も通常通りの稽古予定です。