迷走する台風10号は九州地方にありながら、関東地方に大雨を降らせて。
突然激しい雷雨になったかと思うと、そのうちピタッとやんで。でもまたしばらくすると降り出して。
上手く波と場と気を読めれば良いのでしょうが、なかなかそうも行かず。
科学技術が進んで局地的な短時間の予報が正確にできるようになったとしても、時間で行動しなければならない現代社会人にとってはあまり意味がありません。運が良ければ濡れずに済んで、運が悪いと傘をさしていてもびしょ濡れになって。そんな感じです。
同じ時間で行動するにしても、分単位で行動する現代とは違って、往時は1時間単位だったり2時間単位だったり。日の出と日の入りを基準にしていて、季節によって違ったり。
当時の価値観は、現代とはだいぶ違ったものだったことでしょう。
現代人が現代の価値観で古武道を理解しようとすれば、おかしなことになるのは当然のことかもしれません。
雨の中、傘をさして体育館へ。
雨が吹き込むので、上の窓は開けず。
代わりにまた扇風機を出して。
湿度がすごいので、暑さを感じなくても熱中症になりやすいですね。気をつけましょう。
カジタさん、オオイシさん。今回はお二人と稽古です。
マンツーマン、英語だとニュアンスがだいぶ違うみたいですね。
日本語的な意味なら、one to one だとか。
なので一対二なら、two to one です。
さて、稽古開始。
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<無双神伝英信流抜刀兵法>
斬撃
湿度がすごいので、床が滑りません。
足運びにも気をつけましょう。
常に時と場を読まねばなりません。
いつも同じでは、足元を掬われます。
大森流
最初に一本抜いてみせて、自分の稽古。
続いてお二人に抜いてもらって稽古。
稽古が一人でも二人でも同じことです。
人が言われていると思うのではなく、自分も同じと思うこと。
半分しか稽古できないのではなく、二倍の稽古ができると考えること。
稽古の密度を濃くするも薄くするも、自分の気持ち次第です。
陰陽進退や逆刀のような動作が多く長い形でも同じこと。
間延びして、集中力が途切れるようではいけない。あるいは逆に、最初から決められた形をただ順番通りになぞるだけになってもいけない。
瞬間、瞬間は常に同じ。倍になったからと、半分の薄さになるのでなく。どれだけ長くなっても、同じ濃さで。
無限はいくら薄く伸ばしても無限のまま。密度が大事です。
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<大石神影流剣術>
棒合
長い棒を上手に違いましょう。
全身と一致させること。
腰を落として、体を開いて。
手で持って振り回すのではなく、手足の延長になること。
普段の生活から指先や足先まで気が回らない人には、そもそも無理なことですね。
日頃からの心がけが大事です。
天狗抄
いつも通りゆっくり丁寧に十本通して稽古。
決められたタイミングで決められた動作をするのではなく。場と時を読んで、適切に動きましょう。結果として、形になる。手数通りになる。そんな稽古が良いと思います。
そのためには、打太刀にも高い技量が求められますね。仕太刀の稽古に付き合ってあげているのではなく。打太刀は打太刀の稽古をしましょう。ただ手順通りに動くのが打太刀ではありません。
右切断、左切断あたりでいつも混乱しますね。後半まで集中力が続かないということでしょうか。
折破甲は最後で気が抜けるのでしょうか。
よく稽古をしましょう。
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<澁川一流柔術>
四留
最初にカジタさん受けで一通り通し。
続いてお二人に通してもらおうと思いきや、なかなかに手こずって。
結局、お二人で交互に一本ずつ稽古してもらいました。
頭で考えて、手先でやろうとすると難しいですね。
履形から順番に稽古してきました。いい加減にもう頭で考えたりせず、体に任せましょう。
相手が押してくるのを機に、技をかけましょう。
相手が押してくれるのを幸いに、技をかけましょう。
腰を落として、体を開くこと。ただ、それだけかと思います。
全身は協調一致して動くはずです。小手先で動こうとすると、その和が乱れる。どこか一か所を動かそうとしないこと。居合でもさんざん稽古していることです。
澁川一流柔術の形の順番は、とても不思議ですね。あまりこれと言った法則性が見当たらない。なんとなくはあるけれど。
現代的な価値観からは、不合理に思えるかもしれない。でもそれも、ある意味では稽古の方便かもしれません。
合理的、論理的、効率的に、決められたことを決められた通りに稽古する。
それではなんだか、頭も体も心も小さく固く凝り固まってしまいそうですね。
一見不合理が、実はとても合理的。実際にはよくあることです。ただ小さく凝り固まった頭と心と体では、理解ができないだけのこと。
時と場を読んで動きましょう。
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定刻を少し過ぎて稽古終了。
窓の外に稲光を背負いながらの稽古でした。
来週も通常通りの稽古予定です。