サビチェンジャーなるものが市販されています。
赤錆を黒錆に転換するのだそうな。
うさんくさーと思ったのですが、タンニンが含まれているようなので、原理としては伝統的な手法と同じようですね。
錆は、金属の表面が酸化して生成される腐食物です。
錆と言えば一般に、赤錆を連想するかと思います。
刀装具にも金属は使われていますから、扱いや手入れが悪いと赤錆を生じさせてしまったりして。
刀身の赤錆は論外ですが、居合の稽古では鍔に錆が生じることが多いかもしれません。
抜刀、納刀の際にはどうしても鍔に触れてしまいがちですので。
赤錆は放置していると、金属をどんどん腐食させてしまいます。
一方、同じ錆でも黒錆は、同じ酸化物でありながら、金属の保護膜として作用します。腐食が進むようなことはありません。
なので、刀の鍔にはわざと黒錆を生じさせたりします。
まずわざと赤錆を生じさせて、それから黒錆に転換するのだそうな。
伝統的な手法はとても手間と時間のかかるもので、だからこそ立派な黒錆の鍔はとても美しいのでしょうね。
ぴかぴかの銀メッキも、それはそれで美しいものですが。
すでに黒錆で保護されている時代物の鍔とは違い、現代物の鍔は表面のメッキがはがれて赤錆を生じさせたりします。
ものはためしと、サビチェンジャーを使ってみました。
もちろん大事な時代物にではなくて、現代物にです。
すると効果はテキメンでした。
根が深い赤錆に使用してしまうと、表面だけが黒錆化して、内部で浸食が進んでしまうおそれがあるかもしれません。
でも、あくまでまだ浅い赤錆で、それほど重要でない物に対してなら、これはこれでありかなあ。。。なんて思ったりしました。
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