いつもより少し早めに体育館へ。
鍵を開けて、明かりをつけて、モップがけ。
久しぶりです。でも、たまには。
お弟子さんが一時間も早く来て、準備をして。
自分で稽古をして、師匠が来るのを待つ。
あるあるですね。
でも逆に、先生が一番に来て、先生が最後に帰る。
そういうのも聞いたことがあります。
これもまた、あるある。どちらもどちらですね。
私の場合は、支部長なんて仰せつかって。
先生なんて呼ばれるようになって。
自分がエラクなったと、勘違いしないように。
あえて、たまにそうしているのです。
もともと稽古は独りでするもの。
皆さんがお越しくださるのは、当り前ではなく。
ありがたいことなのだ、と忘れないように。
ちょうどモップがけが終わった頃、カジタさん到着。
では、ゴミ捨てをお願いします。
ほぼ同時に、ショウタロウくん到着。
冬の合宿は12月からとのこと。
ではもうしばらくお付き合いいただきましょう。
ショウタロウくん、刀袋に居合刀と大石神影流木刀。
あわせて、棒袋に半棒をお持ちくださって。
稽古するかもと思ったから、と。
あらまあ、ありがとうございます。
では、せっかくなので今日も半棒を稽古しましょう。
さて、稽古開始です。
いつもより少し早くスタートです。
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<澁川一流柔術>
○半棒表十二本
なんとなく半棒から稽古。
打太刀で元に立って、掛かり稽古方式で。
三本ずつ。気になったところは繰り返し。
十二本を稽古するのは問題なし。
たまに順番があやしくなりますが、それはまあ。
半棒は、両手を同じように動かすこと。
変に小手先でこねくり回さない。
どの形でも同じです。
剣術でも居合でも同じ。もちろん柔術でも。
左右の手を違うように遣うときもありますね。
でも、それはそのとき。
基本は、同じように遣いましょう。
カジタさん、傘をお持ちでした。
ちょっと実際に傘で、笠払を実演。
(もちろん木刀を打ち当てるようなことはせず。)
傘を開いて、相手の目をくらませます。
いつもはそれを棒で稽古。
なので、どうしても動作をおろそかにしがち。
でも、相手の顔を狙って、傘を開く動作。
それが次の足をすくう動作にもつながります。
適当に開いても、こちらの動きは丸見えです。
実際に傘を開いてみれば、よくわかること。
意味がわかれば、あとは棒で稽古を。
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<大石神影流剣術>
○構え素振り
半棒で稽古した動き。
両手を同じように遣う。
手首や肘を曲げ伸ばしして、こねくり回さない。
中段に構えたまま、動く。
素振りも同じです。
○試合口五本
カジタさん&ショウタロウくん、打太刀&仕太刀
もういまさらな手数です。できて当たり前。
構えと素振りで稽古した基礎基本を、
手数の中で実践できるように。
構えと素振りの稽古でできたとしても。
手数の中でできなければ、なんの意味もなし。
手順を追うのではなく、きちんと実践を。
打太刀は、打つ場所を正確に。
仕太刀は、張る動きをきちんと。
小手はタイミング良く、まっすぐ正確に。
受け流しは、重心が浮かないように。
○陽之表十本
カジタさん&ショウタロウくん、打太刀&仕太刀
千鳥
カジタさん仕太刀だと、ショウタロウくんの打太刀に間に合わず。
いつも斬られてしまいます。なんででしょうかね?
横浜支部長がやると、普通に間に合うのですが。
動作はどちらかというと、のんびりなくらいです。
はて?
二人を相手にした打太刀のショウタロウくん、
カジタさんは剣が遅い。あとから来る。
とのこと。
打太刀で相手をするから、二人の違いがよくわかるのだそうな。
さすがです! これぞ打太刀。
ということで、またあれこれと。
でも、なかなか間に合わず。。。
こればっかりは、稽古でしょうか。
横浜支部長も、最初はなかなかできず。
まったく間に合う気がしませんでした。
でも独りで毎日繰り返し稽古をして。
いつの間にか、間に合うようになっていたのです。
繰り返しの稽古で無駄な力が抜けたのでしょうか。
ご自身に工夫をしていただきましょう。
○陽之裏
打太刀で元に立って、掛かり稽古方式で。
勢龍&左沈
千鳥と同じような動きですよね。
打太刀は膝を着かない分、斬り返しが早い。
それに間に合うように張ること。
こちらも膝を着かない分、早いはずですので。
十文字
半棒で稽古した動き。左右の手を同じように遣う。
附けのまま上げて受け、
附けのまま下げて中段になりながら張り、
中段のまま突く。
なので、ほとんどなにもしないのと同じ感じ。
素振りとも似ていますね。
中段から上げて下ろす。ただ、それだけ。
突くのは、体の移動だけ。腕は遣わない。
裏の中でも、お気に入りの手数のひとつです。
張身
さて、新しい?手数です。
無構えになって、左肩に構える。
三歩進み、斬組をなす。ただし、左交差。
気合いを見る。元に戻る。
とてもシンプルな手数ですね。
でも、難しい。
表一本目の陽剣から、まっすぐ斬ることを稽古。
でも、これがなかなか難しい。
そして裏になって、左肩からまっすぐに斬る稽古。
しかも、左で交差する。
難しいですね。。。
ただまっすぐに振れば良いだけのことなのですが。
それができない。
自己の邪念とのたたかいです。
なかなか克てません。
これも、無念で稽古を重ねるしかないのでしょう。
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<無双神伝英信流抜刀兵法>
○斬撃
半棒で稽古した動き。
中段に構えたまま、ただ上下させるだけ。
切っ先が先行したり、遅れたりしない。
力んだり、緩んだりしない。
いつも同じテンションで。いつも同じように。
始動が遅いから、取り戻そうとして速く動く。
ぴくっと動く。そうではなく。
足がゆるゆると動くのだから、
剣もそれに合わせてゆるゆると動く。
全体的に、眠い感じです。
まどろむように。
振ろう、斬ろうとしないこと。
ただ、上げ下げするだけ。
これも、無念無欲に繰り返すしかないのでしょう。
もちろん、手の内も大事です。
持ち方が間違えていて、正しく動けるはずもなし。
親指が基準になります。
手首、肘、脇、肩、首、背中、腰、膝、足首。
順々に降りて行くとも言えるし。
逆に、
足首、膝、腰、背中、首、肩、脇、肘、手首。
と上がっていくとも言える。
すべては連動しています。
どこかだけできて、どこかだけできない。
ということはなし。
すべては有機的に関連している。
連係/連携/連繋している。
すべてでひとつです。
○大森流
三人でそろい抜き。
○ショウタロウくん
大森流
抜き付けはだいぶよくなってきました。
でも、運剣で左手が遅れるのはまだまだ。
ご自身でも自覚があるようで。
一人でやり直したりされています。
お弟子さんが苦労しているのを、そっと眺める。
いやー、愉快愉快。(凜雪鴉)
今まで、ご指摘するとすぐに直って。
でもここにきて、苦労されて。
うん、大事なことですね。
自分で工夫すること。
それが稽古です。
英信流表三本
相変わらずお上手です。大森流よりも上手。
左手が遅れることも少ない。なぜ?
浮雲
さて、新しい形です。
一度だけやってみせて。はい、どうぞ。
できるはずもなし。
ここにきて、いきなり難易度アップですね。
とくに抜き付けの体勢。わかるはずもなし。
袴の股立ちを取って、足の形をお見せして。
ははあ、理屈はわかった。でも、できない!
そんな感じですね。
でも、動作自体はすぐに覚えられて。
左膝外への斬撃も問題なし。さすがです。
カジタさんも交えて、三人で想定の確認など。
大小詰もからめて少しお話をしました。
○カジタさん
英信流表と英信流奥座をお一人で稽古。
やはり虎走に苦労されていますね。
前進にしろ後退にしろ、遅くならないように。
抜く前に減速することのないように。
大森流の虎乱刀で稽古済みですね。
まあ稽古したからと、できるとは限らず。
ご自身で稽古を重ねていただきましょう。
やはり、どうしても正対になりがちですね。
横浜支部長も、いつも館長に指摘いただきました。
半身がすべての基本です。
英信流の座法で座したらば、あとはそのままです。
浮雲の稽古でショウタロウくんにお付き合い。
なので、今週も大森流の手直しはなしでした。
また来週に。
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20時30分を少し過ぎて稽古終了。
今回はだいぶ長引きました。
最初に半棒を稽古しましたしね。
まわりはしんと静かで、まるで夜更けのようでした。
体育館を出ると、雨粒がぱらぱらと。
帰宅した頃には本降りになっていました。
来週も同じような稽古の予定です。
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