土曜は台風12号が関東に接近しました。
本州に上陸後、西に進む異例のコースですね。
午前中は出勤しましたが、行きと帰りはちょうど雨には降られず。
帰宅すると、いつもとは違う風向きで玄関の扉は重くて開かず。
そのうち激しい雨が降ったりやんだりを繰り返し。
やはり、いつもとは違う感じ?
有能な美人秘書、今日は稽古をやめた方がいいんじゃない?と。
社会性のない武道家の一人として、
他者からの助言には謙虚に耳を傾けるようにしています。
#もちろん、最終的な判断と責任は自己にありますが。
でも先週も稽古なかったし。先々週もお休みだった人もいるし。
今週も休みにしてしまうとなあ。。なんてしばらく悩んで。
でも最終的に、よし中止にしよう!と決断。
来れる人だけ来れば良い。という考え方もあります。
でもそうすると、無理をして来てしまう人もいるでしょう。
そこでなにかあっても困ります。
急きょ、皆さんにご連絡しました。
そんなわけで、今週も稽古なし。
稽古日記は、ハセガワさんにお願いしました。
最近、ケガで見取り稽古などされています。
また違った観点での日記が期待できることでしょう。
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「違う」
7月はいつもの稽古がほとんどできずに終わってしまうことになりました。
先月末に出張先で足首を捻挫し、今に至っても居合での正座はおろか剣術などの動きでさえもたまに痛みが走り、先生をはじめ兄弟子や他の生徒さんたちにもご心配とご迷惑をかけています。
台風や学校行事に重なって稽古ができないのは仕方ありませんが、自身の不注意による怪我で稽古が進まないのは何とも歯痒いものがあります。
ただ人生においてもそうですが、進まない、または進めない時こそ、次への大きなステップになることが多いのも事実です。
今いるところから一体何が見えるのか。
普段どおりの稽古ができない分、しっかり自分を見つめ直す稽古です。
いつもと違う稽古の中で見えたもの。
結論を先に言えば、「違う」の一言に尽きるでしょうか。
「何がどう違うのか」
普段は先生からのご指導を受けつつ正面から、時に兄弟子たちの動きを視界に入れながら並んで、または対峙して稽古をしています。
先生の動きを見て、それを真似、心で自分の動きを俯瞰して修正しているつもりでした。
が、やはりそれは「つもり」でしかなく、いざ別の角度から先生の動きを見てみると、明らかに「違う」。
初心者で貫汪館の門を叩いて三年半、いまでも「出来たつもり」の気持ちは微塵もありませんが、ここに来てあまりの「違い」に愕然としたのは事実です。
「何がどう違うのか」
それぞれの形の動きにおける細かい違いなどは挙げればキリがありませんが、そういう違いではなく、その根底にある「違いの本質」が観抜けません。
稽古量なのか、肚の動きなのか、観てとる力なのか、呼吸なのか、素直な心なのか…。
どれなのか、全部なのか。
それとも自分が全く気付いていないものなのか。
三年半何を稽古していたのか、これからも稽古を重ねてその違いの本質を見つけることができるのか、一抹の不安がよぎりました。
しかし、不安が焦りを、焦りが軽はずみな動きを生み出すのは必定です。
安んじ、焦らず、軽々しくこなさないことが、自分には一番大事なことかもしれません。
「何がどう違うのか」
違いを観抜けないのもまた実力。
そこを受け入れて稽古を続けていくしかないのだと思い至りました。
足首の怪我の完治にはもう少し時間がかかりそうですが、できる範囲で、気持ちを新たに稽古に励む所存です。
余談。
出張先の異国で現地の美女に見惚れて足首を捻挫したことは内緒です。
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はい、よく書けていますね。
さすが、普段から文章に慣れ親しんでいらっしゃるだけはあります。
カジタさんの稽古日記とはまた違うのも、おもしろいところですね。
そして、必ずオチも忘れませんよね!
ケガと病気は上達のチャンス。と経験上、思っています。
とは言え、ただ歩くのも難儀な方に見取り稽古を勧めるわけにも行かず。
病気の人に無理をして来られて、体育館で倒れられても困ります。
ここら辺は、難しいところですね。
普段の稽古から、掛かり稽古方式で並んで待つ時間があります。
その際に、他の人の動きはよくご覧にはなっているはずです。
でもそれは、自分の番が来たときに動けるように準備、
という意味合いが強かったりもします。
そしていざ動いてしまえば、さっきまでの観察もどこへやら。。。
ですが、ケガで見取り稽古の場合はちょっと違い。
見るだけで、自分は動かない。
より深い観察と考察ができたことと思います。
貫汪館の本部道場の講習会に通うようになり。
最初は形と手順の違いにばかり目が行って。
そのうち、あれ、これは違うぞ?と気付き。
館長や先輩方の動きを見ても、何かが違う。
でも、何が違うかがわからない。。。
そんな悶々とした月日がしばらく続きました。
そして、何年もして、ようやく動けるようになったとき。
ああ、これか!と得心ができたのです。
できればわかる。
できなければ、わからない。
できない人に、いくら言葉で説明しても詮無きこと。
いつかできるように。
まずは見て取ること。
違いに気付くこと。
違いを感じること。
違いを理解すること。
違いを体現できること。
稽古を積みましょう。
そして、まずはケガの治療が第一です。くれぐれもお大事に。
来週こそ、通常通りの稽古予定です。
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