GWも開けて、暑い日が続きます。すっかり夏ですね。
あれ? まだ5月なんですけれどもね。。。
でもまあ、異常気象のナンノと言ったところで。
たかだかこの数百年単位でのこと。
地球は氷の塊だったこともあるし、マグマの海だったこともあるし。
暑さ寒さくらい、臨機応変に対応するだけのことでしょう。
臨機応変。それが武術/武道/兵法の基本理念かと思います。
地球の環境問題はまた別のこと。
#ポールシフトやガンマ線バーストにも対応できる武道があったら、
それはそれですごいことですけれどもね。。。
土曜日は雨で。
大量の木刀に棒に刀を担いで、傘をさして、下駄を履いて。
少し早めに体育館に到着すると、皆さん入口で待機中。あれ?
サッカーの団体が利用中とのこと。
ああ、そうか。今日は雨ですからね。
普段はグランドを利用して、雨が降ると体育館を利用され。
せっかく、皆さんに少し早目にお越しいただいたのですが。。。
しばらく外で待っていると、少し早目に上がってくれました。
もともと、5時30分までの利用予約とのことでした。
子ども4人でモップ掛け。
リオンちゃん、ユウトくん、タカマサくん、もうお一人。
そうです、体験の方がおありです。
小学四年生の男の子。ハセガワさんのご紹介。
はきはきと礼儀正しいお子さんです。
定刻になって、稽古開始。
参加:カジタさん、ハセガワさん、リオンちゃん、
タガワさん、テヅカさん、ユウトくん、タカマサくん、
体験の男の子
休み:ヒカルくん、マキちゃん
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<澁川一流柔術>
○棒廻し
体験の男の子には、四尺の軽い棒をお渡しして。
下から上に跳ね上げる。そうそう。
そこから一歩出て、同じように下から上に跳ね上げる。
あれ? 逆回転。はい、お約束。
手を添えて、回転を導いてあげました。
うんうん、そうそう。
最初は手首がねじ切れそうになりながらも、そのうちなんとか。
さすが四年生。理解が早いですね。
○六尺棒
全員で表一本目だけ素振り。二人一組で棒合を回り稽古。
いつもどおり、とくにたいした説明もいたしません。
見よう見まねでやってもらいながら、一言二言アドバイス。
繰り返しているうちに、きちんと形になってきます。
うん、いいですね。正しい稽古のありようかと思います。
○半棒
表一本目だけ示範して、掛かり稽古。
例によって。さあ、やってみよう!
あれ?あれ?と言いながらも、やるしかない。
首をひねって、ぼけーっと突っ立っていたらやられてしまう。
知りません、わかりません、できません、教わっていません。
そんな言い訳には、なんの意味もなし。
まずは対応することでしょう。
良い悪い、上手い下手いは、それからあとの話です。
実践主義。プラグマティズム?
上級者は、二人一組で表と裏を通してもらいました。
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<大石神影流剣術>
ユウトくんに鞘をお渡ししました。短い木刀用に手作りです。
これ、なんだか知ってる?と聞くと、サヤ!と。
あれまあ、よくご存じで。
でも実は以前から、サヤ!サヤ!とおっしゃっていたそうな。
お渡しするのが遅くなってスミマセン。
これで皆さんと同じですね。抜き納めもがんばって稽古しましょう。
#マキちゃんの鞘も、お父さんにお渡ししました。
○構え素振り
体験の男の子には短い木刀をお渡しして、皆で構えと素振り。
単純な動作です。できない、ということはないでしょう。
でも。
初見の動作を、なんの説明もなしにどこまでトレースできるか。
ミラーリングできるか。素質と才能が問われます。
もっとも。
いくら素質と才能があっても、やらなければそれまでです。
たとえ素質と才能がなくても、やればやっただけ上達する。
どこまで追求するか。ただ、その一点でしょう。
小さなお子さんは、真剣の構えが苦手のようですね。
体力的な問題でしょう。
合間、合間に休憩を入れているとはいえ。約1時間の稽古です。
だんだん、腕が疲れてきて。。。というところでしょうか。
上級者は、初心者と同じようでは困りますね。
常に、求めに求め。さらなる自己の向上を。
○試合口
一~二本目を示範して、二人一組で稽古。上級者が打太刀。
ぼけーっと突っ立っていたら、斬られてしまう。
まずは請けること。それから払って、突く。
上手下手は、それから先の話です。
7時過ぎに初心者の稽古終了。
ユウトくんはお母さんお迎え、タカマサくんはお父さんお迎え。
テヅカさんもお帰りです。
お疲れ様でした。
体験の男の子、まだ見学していくとのこと。お母さんもご一緒。
足にケガをされていなければ、柔術も体験してもらえたのですが。
まあ、無理はせず。
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<澁川一流柔術>
カジタさん、ハセガワさん、リオンちゃん、タガワさんの4人。
一気に人数が減って、少しさびしい感じ。
それでも、皆でマットを敷くのは楽しいものです。わーいって。
○吉掛
礼式、裏投、柔投、返投、巻返、絞り、捻付
掛かり稽古方式
受けは、捕りの胸ではなくて左肩を突き押す。
反対の手は、前腕ではなくて肘に添える。
裏投げは、胸を押すのではなく、喉に手を掛ける。etcetc...
とくに目新しいことは言っていません。難しいことでもなし。
なのですぐに、はい!と返事。
でもその直後に、飽きもせず、また同じ間違えた動作を繰り返す。
それも一度や二度ではなく、毎週毎週。やれやれですね。
これでは、教える気もなくなるというものです。
手首を360度回転させろとか。
空中で二回転しろとか。
100キロの荷物を持ち上げろとか。
そんなことを言っているのではありません。
止まってゆっくりやれば、誰でも問題なくできること。
ところがいったん技に入ると。。。
もう倒すことだけが目的になって。速く倒そう、強く倒そう。
皆が見ているのに、倒せなかったらみっともない。
そんなことばかり考えているのが目に見えます。
まるで、全身からそんなオーラが吹き出ているよう。
たとえご本人が、そんなつもりは毛頭ないとおっしゃったとしても。
本人が自分のことをわからなくて。
傍目の方が、何を考えているかまでオミトオシ。
ということもあるものです。
自分のことをしっかりと内省して、心と体をつなげること。
失われたリンクを取り戻すこと。
それが稽古の主眼の一つでしょう。
自分の体も思い通りに操れない者が。
他者を操れるはずもなし。
道具を操れるはずもなし。
優しく言っている間は、何度言ってもできない。
でも、厳しく言うと、すぐにできる。
今まで何度言ってもできなかったのに。
なにが違うんでしょうね。
要は、ご自身の心の問題です。
厳しく言われると、緊張して頭が真っ白になってしまってできない。
優しく言われると、リラックスしてできる。
それならそれで、一つの理屈かもしれませんね。
武道を修業するものとしてそれで良いかどうかは、また別として。
でも。
他人に厳しく言われるとできる。
それはつまり、自分が自分に甘い。ということでしょう。
誰かしらが厳しくしなければ、上達はありえません。
ソレを他人任せにするのか。オノレに依るのか。
自立しているか。自律できているか。
そういうことでしょう。
一流のアスリートには、鬼コーチがつきものかもしれません。
でも。
もっと練習しろ!などとは一度も言ったことがない。逆に、
ほうっておくといつまでも練習しているから、
もういい加減にやめろ。としか言ったことがない。
そんな逸話もちょくちょく聞きます。
鬼手仏心などと好んで吹聴していたのは若い頃の話。
皆で楽しく稽古ができると良いですね。
でも、上手にならなくても良い。などということでは決してなく。
飽くなき向上心を。探究心を。自己のコントロールを。
己こそ己の寄るべ 己を置きて誰に寄るべぞ
よく整えし己こそ まこと得難き寄るべなり
自ら悪をなさば自ら汚れ 自ら悪をなさざれば自らが清し
清きも清からざるも自らのことなり
他者に依りて清むることを得ず
法句経
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<無双神伝英信流抜刀兵法>
○大森流
十一本そろい抜き。タガワさんは見取り稽古。
なにも言わずに抜いてみました。
たまにはそういうのも良いでしょう。
耳を閉じれば、目が冴えるかもしれません。
初発刀そろい抜き。タガワさんもご一緒に。
言葉で説明しながら。
自己の動作の再確認を。
何回でも同じことを繰り返し説明する。それも一つの稽古。
一度しか説明しない。それも一つの稽古。
正反合、正反合・・・弁証法的な上達を。螺旋の上昇を。
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8時を少し過ぎて稽古終了。いつもより少し早めです。
体験の男の子とお母さんは、最後までご覧になっていました。
簡単に説明をして、入会希望ならご連絡をとご案内。
一緒に稽古ができると良いですね。
帰りには、雨はもうやんでいました。
来週も通常通りの稽古です。
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