出雲大社奉納演武1

今回は、横浜支部の門人からお二人が参加してくださいました。

そのうちのお一人の日記です。

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出雲大社奉納演武 参加録

 

去る28日、貫汪館による出雲大社奉納演武に娘とともに参加いたしました。

 

無双神伝英信流抜刀兵法、大石神影流剣術、渋川一流柔術の三流派、そして直心影流薙刀術の演武を行うため、館長を始め各地から先生方や諸先輩方、直心影流の先生方が出雲の地に集まります。

 

親子共々、入門してやっと一年半を過ぎたばかりで初の奉納演武です。

 

数ヶ月前より参加させて頂くことを決めてはいたものの、毎週の稽古、毎日の自主稽古、イメージトレーニングを重ねれば重ねるほど色々なところが不安になってきます。

 

特に今回演武をお見せするのは一般の方々ではなく、出雲の神様。

取り繕うことも飾ることも、全て見透かされてしまいます。

 

「大丈夫かなぁ、間違えないかなぁ」と不安がる娘には「先生から教わった通り、神様の前ではゆっくり丁寧にやることが大事だ」と伝えますが、空耳なのか「お前がな」という言葉が私の頭にだけこだまします。

 

出雲への道中、気持ちに余裕がないため様々なハプニングもありつつも、現地では初めてお会いする先生方や兄弟子たちに温かく迎えられると次第に心もほぐれ、翌日の演武がただただ楽しみになってまいりました。

 

さて演武当日。

接近中の台風による悪天候も覚悟していましたが、幸いにも涼しい曇り空。

まだ夜が明けきらない内に集合、出雲大社へと向かい参拝し、祈祷して頂いた後に演武です。

 

私が演武するのは無双神伝英信流抜刀兵法・大森流から五本(初発刀、左刀、右刀、虎乱刀、抜打)、渋川一流柔術・打込、大石神影流剣術・試合口です。

前日に少しだけ演武の配置が変わったものの、流れは特に変更なし。

演武に関してはできる限りものを神様にお見せするつもりで腹を括ってはいましたが、一つだけ気になっていたのは自分の左膝でした。

 

もともと痛めていた膝がここ一か月ほどで悪化し、正座や蹲踞はおろか胡座でも立っていてもキリキリ痛む日が続いており、本番で失態なく出来るかが気がかりでした。

 

ところが不思議なことに、演武直前になって膝の痛みが全くないことに気付きます。

普段稽古で使う体育館の固い床から、上質な張りのある畳に変わったせいでしょうか。それとも特殊な環境下で脳内モルヒネが出ているのか、はたまたやはり神の御加護か。パワースポットといわれるだけあって不思議なことはあるもので、その日一日だけは膝の不快な痛みから解放され演武に集中することができました。

 

しかし残念ながらその不思議なパワーで腕が上がるわけではありません。

柔術と剣術はそれぞれ横浜支部長と館長にお相手頂き、拙いところはすべてカバーして貰ったようなもの。

居合は数人がそれぞれ一人で抜きますが、安心して刀を抜けるのも周りに兄弟子たちがいればこそ。

私一人なら間違いなくボロがたくさん出てしまう筈です。

 

神前での演武は、まるで透明な鏡を通してそんな自分自身を後ろから見ているような気がして、とても不思議な感覚でした。

 

出来ていないところを書き連ねればキリがありませんが、今後の課題としてさらに稽古に励む所存です。

 

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初めての奉納ということで、とても初々しくていらっしゃいますね。

横浜支部長も一回目の奉納のときのことを思い出しました。

 

今回はとても貴重な経験をされたことと思います。

今後の修行の励みにしていただければと思います。

 

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