剣術、柔術、居合

先日、九段下の櫻屋さんにお邪魔したときには、

一尺六寸の剣舞刀が在庫切れでした。

そろそろどうかとお電話をすると、一口(一振り)あるとのこと。

取り置きをお願いして、さっそく買いに行くことに。

一緒に行く~?と聞くと、行かなーい!(行くワケナイ)と。

ゴトゴトと電車に揺られて一眠り。

武道具店の空気を吸って、刀を買って、ランチを食べて。

神保町まで歩いて古書店(武道書を置いている2件だけ)を回り、

お茶をして帰ってくる。

楽しいと思うのですけれどもね。←自分だけ

あざみ野から九段下までは、田園都市線で半蔵門線の直通。

いつもたまたまちょうど急行が来てくれるので35分ほど。

今回は、若旦那が一人で対応してくれました。

先ほど電話したー、と言うとすぐにわかってくれて。

一応、刀身を確認して購入。

箱を紐で結んでもらっている間、居合刀の陳列棚を眺めます。

右奥の方に一振りだけ長いのが見えて。

二尺七寸で約10万円と。柄は幅広で薄め。鍔は魚子。

七っていう数字がいいですよね。奇数

他にも二尺八寸の刀など少しだけ見せてもらいました。

八は少し柔らかな感じがします。偶数

櫻屋さんは、すでに拵えができているものがたくさんあって。

実際に手に取って選べるのがいい感じです。

すぐ近くのお店でお楚者゛(そば)を食べて、

神保町には寄らずに帰宅しました。

 

夕方になって、例によってたくさんの刀を担いで体育館へ。

今回はお母さんお休み。子どもーズとお父さんズと稽古です。

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澁川一流柔術

 

棒廻し

時間をいつもより少し短めに。

今回は、ちょっとやりたいことがあるもので。

 

半棒表

腰車、提棒、笠拂

打太刀で元に立って掛かり稽古方式で、三本通し。

皆さんだいぶサマになってきました。

まだちょっとあやしいところもあるけれど。。。

腰車の持ち替えに意外に苦労されているようです。

 

腰車に限らず、動きは止まらないように。

止まっていては、相手に反撃されてしまいますよっと。

区切らない。なめらかに動く。

急がない。あわてない。←避難訓練みたいですね。

裏を稽古すると、また動きが変わるかもしれません。

 

提棒は、半棒の先で相手の腕を媒介にして崩します。

笠拂は、相手の膝の裏をすくって倒します。

柔術的な要素ですね。

ただ力任せに棒で叩き合うような稽古をしていても、

決してできるようにはなりません。

半棒は、あくまで柔術として稽古をしています。

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大石神影流剱術

 

構え素振り

正対しないように。肘を張らないように。上段ではとくに。自戒

剣を持って構えたら、すっとリラックスできるといいですね。

できれば剣を抜く前、帯刀した瞬間に。

さらには、剣がなくても。

自己の心身をみつめましょう。深く深く。

 

陽之表

よう剣、げっ剣、無二剣、二生、稲妻、太陽剣

表拾本のうちの六本まで。だいぶ進みました。

最初に示範だけして、二人一組で稽古してもらいました。

仕太刀はできても、打太刀がなかなか難しいようで。

そうなんですよねえ~。覚えるのが大変。また稽古しましょう。

剣と剣を合わせるのではなく、きちんと相手を打つこと。

そうしないと、稽古になりません。

 

さて、今回やりたかったこと。それは小太刀と二刀です。

先週の講習会で稽古しました。

小太刀も二刀も、伝書では終盤の手数です。

本来は、かなり進んでからの稽古。

でもまあ、せっかく講習会で稽古をしたのですし。

先の手数から学ぶことも多いかと思います。

無双神伝英信流抜刀兵法でも、

大森流しか稽古していない人の大森流と、

奥まで稽古している人の大森流では違います。

それはもちろん稽古年数が違うとかいうことではなくて。

大石神影流剱術でも、試合口しか稽古していない人と、

陽之表や裏、三學圓之太刀まで稽古している人、

さらには鞘之内、棒合、鑓合、長刀合に小太刀や二刀まで

稽古している人では、違って当然かと思います。

 

小太刀

圓月、強弱

左に入り身するのと右に入り身するのとだけの違い。

館長がおっしゃっていましたが、上半身の動きはほぼ同じです。

見かけに惑わされないように。

止まってから打つのではなく、動くのと打つのは同時。

上半身と下半身の協調一致を。

小太刀はリーチが短い。逃げていては勝てません。

自分から入って行くことが大事です。

避け身ではなくて、入り身。入る。

 

二刀

清風、綾ノ調子

二刀は攻め攻めですね。

外形上は請ける動きから始まりますが、待っていては。

自分から攻めるつもりで請ける。

清風は、その間と間合いを学ぶことが大事かと思います。

綾ノ調子も同じ。

最初から請けようと思っていては、請けきれない。

清風と同じように自分から。下から。

そして押し込む代わりに、柄がらみ。

接点を大事に。柔術的な崩しです。

崩してから小刀で刺すのではなく。崩す動きが刺す動き。

相手は気付く暇もない。

紅葉重は、今回は稽古しませんでした。

今回の稽古のテーマからは少し外れるためです。

 

小太刀

猛虎

講習会では稽古しませんでしたが、稽古しました。

小太刀の一本目。請けて崩し、突く。

入りは清風と似ていますね。そして崩しは綾ノ調子と。

やはり柔術的な崩しです。

そしてこういった崩しは、半棒の提棒や笠拂と同じ。

剣だから、棒だから、居合だから、素手だからといって、

崩しの原理が違うはずもなし。すべて同じでしょう。

同じ原理を、違う条件下でいかに再現するか。

それが稽古なのかと思います。

形は違うのだけれど、なんだかとてもよく似ている。

それを感じてもらいたくて、稽古したのでした。

はたして感じてもらえたでしょうか?

 

さてさて、だいぶ時間が押してしまいました。

1分だけ休憩してもらって、すぐに居合の稽古です。

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無双神伝英信流抜刀兵法

お父さんズは二尺六寸五分と二尺四寸五分の居合刀、

子どもーズは一尺六寸と一尺三寸の剣舞刀、

自分は二尺八寸の居合刀で稽古。

 

大森流

初発刀、左刀、右刀、當刀、陰陽進退

 

英信流表

横雲、虎一足、稲妻

 

皆で一緒に一回ずつ抜いたら、もう時間でした。

最後にもう一回だけ初発刀を一緒に抜いて、終わりに。

 

講習会では詰合も稽古しましたが、

参加されなかった方もいますので今回はやらず。

拳取や岩浪は、やはり柔術の技法です。

剣術も柔術も居合も、あまり違いがありませんね。

どれも同じようなことです。

どれを表に出しているか。ただそれだけの違いでしょう。

そして物事には必ず、裏があるものです。

陰と陽、表と裏

物事は決して、どちらかだけでは成り立ちません。

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8時を10分ほど過ぎて稽古終了。

やることが多いと時間が足りません。

 

独り稽古だと、

無双神伝英信流抜刀兵法

大森流、英信流表、英信流奥、太刀打、詰合、大小詰、大小立詰

大石神影流剱術

試合口、陽之表、陽之裏、三學圓之太刀、鑓合、長刀合、棒合、

鞘ノ内、二刀、天狗抄、小太刀

澁川一流柔術

半棒表、半棒裏、六尺棒表、抜刀術

を全部通してちょうど2時間くらいです。

もちろん間はだいぶ詰めて、休憩もなしですが。

 

半棒十二本、陽之表十本、大森流十一本を通して稽古

できるといいなあ。なんて思っています。

 

来週も通常通りの稽古です。

 

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