一日体験

若い頃に腰を痛めました。

中国武術の練習をしていたときのことでした。

当時は旋風脚接劈叉(もどき)とかやってましたし、

高圧腿で爪先が鼻についたりもしました。

その後も無理と不養生をして再発を繰り返した結果、

すっかり慢性化してしまい。

いまでも無理をすると、痛くなることがあります。

(膝の半月板も痛めましたが、幸いそちらはなんとか)

実は、先週の合気道の稽古でも痛めてしまいました。

投げ技で腰から落とされた、というわけでもなく。

単に、後ろ受け身を繰り返したのが原因のようです。

貫汪館で澁川一流柔術の稽古をしても問題はありません。

動きの質がまったく異なるのだなと実感します。

それは実際に、館長の技を受けてみればわかります。

もちろん、合気道にもいろいろあるのですが。

 

前傾ができないので、袴はたためず丸めてリュックへ。

帰宅して、ズボンを脱ぐのも一苦労。

手が足に届かないので、靴下を脱ぐのも大変です。

でも、稽古衣と袴に着替えるのは問題なし。

袴はするっと穿いて、紐を締めて。

足袋のコハゼを留めるのが少し大変でしたが、

靴下よりは圧倒的に簡単でした。

幅の広い角帯は、サポーター代わりにもなるようで。

なんとか背筋を伸ばし、とぼとぼと歩いて体育館へ。

そんな素振りも見せず(?)に皆さんとの稽古を終えて。

日曜は一日ごろごろと。

本当ならしばらく安静のところですが、仕事は休めず。

無理に出勤をして、一週間経っても腰はまっすぐ伸びず。

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そんな中、体験希望のご連絡があり。やっほー!!!

20代男性お二人とのこと。

でも、腰はそんな状態です。

天は試練を与えてその人を試す。ってやつでしょうか。

たまたまか。

未経験とのことですが、剣道着と木刀をお持ちと。あれ?

剣道経験者でしょうか。

剣道なら全剣連でしょう。

剣道、居合道、杖道の三道経験者の可能性もあります。

とりあえず、居合刀、大石神影流の木刀、半棒、足袋などを

美人秘書に持ってもらって体育館へ。

腰が痛いので、箸より重い物を持てない、、、じゃなくて

刀より重い物を持てないのです。すまん、妻よ。

 

間もなくお二人が到着。

剣道着と袴姿でお越しです。家がお近いそうな。

お一人はやはり全剣連で、五段をお持ちとのこと。

もうお一人は、まったくの未経験者と。

ご用意した26センチの足袋は、お二人とも入らず。

堂々とした偉丈夫のお二人です。

間もなくいらっしゃった皆さんにご紹介。

今回は、男の子のお母さんはお休み。

 

体験のお二人を加えて、いつもどおりの稽古開始です。

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澁川一流柔術

 

棒廻し

体験のお二人にも半棒をお貸しして、皆の間に入ってもらい。

真似してください。といつもの調子でしばらく放置。

でもって、合い間合い間に一言二言アドバイス。

見る見るお上手になられて、あっという間に廻せるように。

やっぱり、まわりにできる先輩方がいると違いますね。

一番弟子の男の子なんて、剣を持っていきなり向かい合って、

さあ請けろ、さあ打ち込め。よし!

ってなもんでしたからね。

棒廻しは皆で始めましたが、できる人は私以外おらず。

これから稽古に加わる方は、きっとずいぶん楽かと思います。

 

半棒表

打太刀で元に立って、掛かり稽古方式で。

体験のお二人には最後尾に並んでもらいました。

まずは並んでいる間に見てもらいます。

でも順番が来たら、さあどうぞと。とくに説明はなし。

・・・は、言い過ぎか。一言二言アドバイスはします。

一本やったら、もう次の形。どんどん進めます。

 

そうそう、形の順番は工夫しました。

指棒、引棒、立会、右流、拂棒、大拂

二、三、一、四、五、六本目という順番です。

二三本目は、両手で横に構えて、左右に払って打ち込み。

一四五六本目は、右に立てて、左右に躱してあれこれと。

工夫が功を奏したのか、お二人とも普通にできていました。

やっぱり、できる先輩がいるっていうのはいいものですね。

もちろん、ご本人が真剣だから、というのが大きいですが。

 

腰を伸ばして、肘を伸ばして、前掛かって、腕力で打ち込む。

そうではなくて。

腰を落として、肘を弛めて、腕力を使わずに、体で打つ。

とお伝えすると、そのうちできるように。

すごいですね。

言われてすぐ直せるというのは、素直な証拠。

上達には必須な素質かと思います。

それにしても、お二人とも普通にできて。

とても初めてとは思えませんでした。

素質があるのかもしれません。

 

最後に、今度は正しい順番で三本ずつセットで通しました。

お二人とも普通にできていらっしゃいました。

たいしたものです。

十二本あるうちの六本を稽古しました。

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大石神影流剱術

 

構え素振り

真っ向正対で、後ろ足の爪先を正面に向けて、踵を上げて。

ではなく。

半身で、後ろ足は爪先を斜めに向けて、踵を下ろして。

剣を腕で上げ下ろしするのではなく、呼吸に合わせて。

 

最初はぎこちありませんでしたが、すぐに自然な動きに。

これもやはり、まわりにできる人がいるからこそでしょう。

見よう見まねで、雰囲気を感じて。

自然に、同じ動きになっていきます。

いきなり一人で稽古しても、なかなかこうは行かない。

年に数回だけ広島に通い、あとは独り稽古の身としては、

うらやましい限りです。

 

陽之表

打太刀で元に立って、掛かり稽古方式で。

よう剣、げっ剣、無二剣を一本ずつ稽古しました。

最後に示範として、仕太刀を三本通しました。

 

本来は最初に稽古する試合口をすっ飛ばして。

流派の表である、陽之表を稽古。それもありかと。

十本あるうちの三本を稽古しました。

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無双神伝英信流抜刀兵法

 

大森流

 

初発刀のみ繰り返しました。

無双神伝英信流抜刀兵法は、現代居合道とは異なり、

単独で稽古する素抜き抜刀術の他に、

相手を付けて稽古する剣術の形、柔術の形もあります。

でも、すべての基本になるのはやはり初発刀かと。

初発刀がきちんとできれば大したものです。

あれこれと形を追わず、初発刀のみを稽古しました。

稽古の雰囲気を味わっていただけたかと思います。

 

正座は、踵にお尻を乗せるのではなく。

両踵を開いて、お尻を土踏まずに乗せます。

お伝えはしましたが、これはそう簡単にはできず。

私も初めて聞いたときには、無理!と思いました。

でも今では普通にできます。おもしろいですね。

正座が正しくできなければ、正しく動けるはずもなし。

要工夫です。

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8時を少し過ぎて、稽古終了。

居合を稽古したくて来た。とのことでしたので、

ついつい居合の時間が長くなってしまいました。

初発刀を繰り返しただけですが。

 

剣道は道場に所属して、現役だそうです。

居合も全剣連の方が良いかもしれませんね。

道場の先生に確認をされるようご案内しました。

もうお一方は、段位が気になる様子。

貫汪館にも段位はあります。

でもそれなら、メジャーな流派、連盟の方が良いかも?

もちろん、もしもお二人がお仲間に加わって頂ければ、

私としてはとてもうれしい限りですが。

 

稽古終わりを見計らって再び体育館に来てくれた

美人秘書に荷物を持ってもらって帰宅しました。

いつもすまなないねぇ。。。

おとっあん、それを言うならしっかりおし!

あい、すみません。

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来週も通常どおりの稽古です。

そしてなんと、来週も別の方が体験にお越しの予定です。

わくわく

 

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