3月は弥生やよい。2月とはうってかわって、女性的な呼び名です。
ググると、まっさきに旧暦とは違うものが表示されますが、
言葉にはそもそも一つの意味しかないわけではないですしね。
とは言え。
今回は、県立武道館での稽古です。
いつもは小学校の体育館をお借りしていますが、
卒業式などがあるとお借りすることはできません。
他に近場もあたってみましたが、残念ながら借りられず。
皆さんには、少しご足労いただくことになりました。
県立武道館での稽古は私も久しぶりです。
<過去日記>のページで「県立武道館」をCtrl+Fすると、
昨年の3月と一昨年の8月に利用していることがわかります。
県立武道館や岸根公園駅、篠原池については、過去日記のとおり。
さすがに桜にはまだ早すぎますが、いつもと変わりない県立武道館、
と思いきやなにやら工事中の様子。
道路に面した外壁に足場が組まれていました。
築30年以上経つようですから、なにかと補修は必要なことでしょう。
受付窓口で、利用料の支払い。
貫汪館と名乗るとすぐに通じて、ちょっとうれしかったりして。
工事のことをお聞きするのはすっかり忘れてしまいましたが、
中はとくだん変わった様子はなし。
念のため、二階の剣道場に上がります。
まだ早い時間なので照明もついておらず、人の気配もなし。
皆さんが早く着きすぎて状況もわからず途方に暮れていては困ると
思いましたが、幸い大丈夫だったようです。
更衣室で着替えをしていると、チビッ子たちの明るい笑い声が。
皆さんの到着です。
男の子の着替えのお手伝い。チビッ子の着付けは難しす。
女の子の着替えは、お母さんが手伝いに来てくれました。ありがたや。
6時に剣道場に上がると、照明はもうついていました。
観客席に荷物を置いて、木刀と半棒を出して。
剣道場は、階段側、中央、窓側の3分の1ずつの利用です。
今回は、たまたま空いていた中央をお借りしました。
階段側には剣道の団体さん。かなりの大人数です。
窓側には、薬丸野太刀自顕流保存会の方々。少人数です。
剣道場には試合場が4面あります。
ど真ん中で、二面と三面をまたいで稽古するのも憚られます。
双方にお声を掛けて調整します。ナチュラルボーン仕切り屋
自顕流の方はいつも一面しか利用していないとのこと。
我々は二面で稽古して、三面と四面は剣道の方々にお譲りする
ことにしました。
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いつもどおり棒廻しから。
皆さん、緊張しているように見受けられます。
初めての場所で、知らない人たちに囲まれての稽古です。
その場にいるだけでも気疲れをしますね。
良い経験かと思います。
場に慣れてもらいたくて、いつもよりちょっと長めに廻しました。
なもので、男の子は手が疲れてしまった様子でした。申し訳ない。
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大石神影流剣術
構え素振り
さて、いつもどおり静かに呼吸に合わせて、なんて思っていると、
剣道の団体さんが大きな声で準備運動を開始。元気ですね。
スプリングの入った床が、揺れること揺れること。
私の説明の声が通るはずもなく、静かに動作を繰り返しました。
試合口五本
男の子のお母さんはお休みで、チビッ子ペアとお父さんペア。
交代で五本を通してもらいました。
先週は稽古がなかったせいか、ちょっとあやしいところもあり。
いつでもどこでも、スムーズにできるといいですね。
もう一度、五本を通してもらいます。
今度は、気合の声ありで。
いつもの稽古では、夜の住宅街ということもあって気合なし。
ですが、今回は遠慮することはありません。
剣道の方々と自顕流の方々に負けないように。
最初は遠慮がちだった皆さんも、だんだん大きな声が出るように。
声の大きさは問題ではありません。
でも、気持ちで負けているようでは困ります。
もう一度、五本を通してもらいました。
三回目ともなると、皆さん立派な気合いでした。
なかなか堂に入っています。
チビッ子二人も、とっても良い気合でした。
無声のときも、同じような気合が必要かと思います。
お隣の剣道は、地稽古が始まったようです。
平気でこちらにまで駆け抜けてきます。
本来は3分の1ずつの利用なのですけれどもね。
2分の1でも足りなかったようです。
新宿スポーツセンターで中国武術の練習をしていたとき、
気功の人が推手で押されて、謎の声をあげながら後ろ向きに
走ってきたのを思い出しました。
普通に止まればいいのになあ。なんて思ったものです。
こういうとき、危ないからと場所を開けるとさらに浸食されるのは
いろいろな場で経験済みです。
やむを得ず、ときおり間に立ちました。防人か衛府か儀仗兵か
幸い、衝突事故は起こらず。
技を教えるばかりが指導者ではなかろうに。
もしも利用が3分の1だけだとご存知なかったのであれば、
それはそれで問題です。
それにそもそも、あの利用人数で3分の1だけの利用というのが。
声を掛けた方のお話では、利用は初めてのことでした。
次回からは、せめて3分の2はお借りになられることを希います。
県立武道館には、稽古後に状況報告をしておきました。
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無双神伝英信流抜刀兵法
大森流 初発刀
いつもどおり、皆で一緒に黙々と抜きます。
もともとほとんど言葉による説明はしていません。
一緒に抜いて、黙々と真似をしてもらっています。
猿真似、物真似で終わらずに、中身を取ってくれると良いですね。
黙ってじっと正座していても、床は地震のように大きく揺れます。
私はもともと面の皮が厚くて、年を経るごとに神経もすっかり
図太くなりましたのであまり気にはなりませんでしたが、
皆さんもよくがんばってくださいました。
剣道の方々と自顕流の方々の気合にはさまれながら、
静かに黙々と初発刀だけを30分ほど繰り返しました。
言葉による説明は皆無でしたが、いつもとはまた違った意味で
密度の濃い稽古ができたのではないかと思います。
それとも、うるさくて集中できなかったでしょうか。
でも、戦場だったらこんなものではないですよね。
ましてや、白刃の下では。
目は見えず、耳は聞こえず。手足の感覚もなく、心ここにあらず。
そんな暗闇になるのではないでしょうか。
静かな場所で集中するのは、誰にでもできることです。
たまには、こういう経験も良いかもしれません。
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電車に乗って帰ることも考えて、いつもより少し早目に終了。
着替えて、利用報告書を提出して、皆さんと同じ電車に乗ります。
あれこれとお話。
女の子のお母さんは、ずっと稽古をご覧になっていました。
貴重な、今日の稽古の感想をお聞きすることができ。
先日の日本武道館の古武道演武大会の感想もお聞きできました。
いやー、なかなか鋭いですねえ。
メンバーの中で唯一、稽古をされていない方です。
下手に武道をかじっている人よりも、よっぽど感性がたしかです。
女性はこわい。と再確認いたしました。
空いた席に座れた男の子は、疲れて眠ってしまったようです。
やっぱり遠いと大変ですね。食事も遅くなるし。申し訳ない。
今後、稽古場所の確保などにもご協力いただければと思います。
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県立武道館で、トイレを利用しました。
先に利用されていた方が、サンダルをそろえていらっしゃいました。
入れ違いに、履物をよろしく。と静かにおっしゃられました。
もとより、私は自分が脱いだ履物はそろえます。
それにバラバラになっていれば、実は私もそろえたりしています。
ただ、人がいないとき限定です。人がいると気恥ずかしいので。
それに、立ったまま足でチョイチョイとです。てへ
でもその方は、きちんとしゃがんで、手でそろえていました。
言い方も嫌味ではなく、品がありました。
どの武道を稽古されているかは、その人を見ればだいたいわかる
つもりです。雰囲気、体格、姿勢や歩き方、立ち居振る舞いで。
ただ、その方にはピンと来ず。
県立武道館のホームページで前の時間の利用団体を調べたりして、
どうやらこの団体のこの方かな、というのがわかり。
なんだか一人で納得してしまいました。
私自身は、陰徳を積む、というのを実践しているつもりでしたが、
こういう方法もあるのだなあ。と感慨しきりでした。
武道家というものについて、あらためて考えさせられた一日でした。
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来週は通常通りの稽古です。