貫汪館 昇段審査

審査前の自主稽古に続き、審査当日の稽古日記

 

今年の審査会場も大野体育館です。すぐ脇を新幹線がゴーゴーと通過していきます。

昨年の審査は汗だくでしたが、今年はそれほどは暑くなくてすみそうです。

それでも昨日よりも良い天気ですし、日中は暑くなりそう。

9時前からあれこれと準備して、間もなく開会式。

開会の辞、館長挨拶、顧問挨拶、進行上の注意など。

 

今回、無双神伝英信流抜刀兵法は受審者が三人だけ。そのうち一人はデンさんです。

当日に細かな指示はないですから、その場その場で自分で判断して動いてください。とあらかじめ言ってはありましたが、それでも多少のアドバイスは。

居合は三人だから、このくらいの位置で、正面への礼はこっち、演武正面はこっち。なんて適当に指示したりして。

できるだけ大人しくしているつもりですが、すぐに仕切りたがりが顔を出します。

でも今回は柔術と居合が同時進行で人手不足でしたから、ちょうどよかったかも。

北大阪支部長と本部の兄弟子には恐縮でしたが、ご勘弁いただければと思います。

 

背後で行われる柔術の審査が気になりながら、居合をビデオ撮影。

うーん、デンさんが遠くて小さい。でもデジタルだからズームすればいいですよね。

画質とか関係ないし。動きがわかればそれで十分。

大森流を終えて静かに退場するデンさん。

そのまま何事もなかったように、続けて英信流表を抜く北大阪支部長と兄弟子。

他ではあまり見ない光景かもしれません。

号令を掛けて、皆で同時に、というのが一般的でしょうか。

業も三者三様。受審段位も、日頃の稽古状況も違います。見ていて面白いです。

 

間もなく英信流表を抜き終えたお二人が退場。

汗だくな北大阪支部長が、居合刀を鞘木刀に持ち替えます。

本来ならここで10分休憩ですが、大丈夫ですよね!と有無を言わさず。

審査委員長の館長にお声を掛けて、そのまま北大阪支部長の太刀打と詰合。

僭越ながら、打太刀をつとめます。

つとめてゆっくり。間をたっぷりと取って。

でもなんだか北大阪支部長の額の汗が、どんどん増えて行きます。呼吸も少し。

うーん、ゆっくりやっているんだけれどなあ。間もたっぷり取っているし。

ああそうか、だんだん陽が出てきて気温が上がってきたからですね。

それに大森流と英信流表から連続だし。じゃあ、しかたないですよね。うんうん。

とくに大きな失敗もなく、無事に終えることができたかと思います。

もし人様に見せる演武でしたら、事前にもう少し調整などが必要かもしれません。

でも昇段審査ですし。実力を見るのが目的です。いきなりでもできないと。

 

まだ続いていた柔術の審査を拝見。それも間もなく終了して、全体で少し休憩。

 

そして、大石神影流剣術の審査です。

構えと素振り。全員で同時に。

試合口。デンさんの打太刀をつとめます。

陽之表。七尾道場長がお相手で、仕太刀。

陽之裏。七尾道場長がお相手で、打太刀。

三學圓之太刀。七尾道場長がお相手で、仕太刀。

いずれもとくに大きな問題はなく終了できたでしょうか。

 

今回の審査でおもしろかったことが一つ。

横浜で稽古を積んできた成果を見ていただく場のつもりで参上しました。

でも土曜の稽古で館長に注意をいただき、当日も合間、合間で注意をいただき。

それをその直後には修正をできるように傾注しました。

そんなのアタリマエジャンと言われればそのとおりなのですが。

審査というよりは、とても貴重な稽古の場をいただいたような気がしています。

筑波大学の古武道体験プログラムでは皆の前で館長の相手をさせていただき。

横浜講習会でも、皆の前で館長のお相手をしながら悪い点を注意していただき。

実戦さながらの緊迫した稽古、というと言い過ぎでしょうか。

何度も同じことを言われたり、せっかく教えてもらったことを忘れてしまったり。

もしそうだとしたら、それはしょせん、その程度の覚悟でしか稽古をしていない、ということなのかと思います。いーわけむよー

 

午前の部は予定より早く終了して、皆で昼食のお弁当をいただきます。

午後の部も予定より早く開始。

 

渋川一流柔術

高段者の女性二人が、刀と棒、小棒・十手・分童、鎖鎌などの武器、

四留・拳匪、枠型・引違・袖捕、二重突・一重突などの徒手を。

最後に、低段者から高段者までの5人で居合(抜刀術)。

 

午後は柔術のみ。自分の出番は終わったので、じっくりと拝見できます。

後ろに座ってタブレットをいじっていらっしゃるデンさんの気配。それでいいのか?

わしゃようしらんで。上達するもしないも自分次第です。

貫汪館の無双神伝英信流抜刀兵法は、独演型の素抜き抜刀術のことにあらず。

剣術も柔術もできなければなりません。

大森流だけだから柔術の素養はなくてもいい、とはならない。

太刀打詰合大小詰を稽古するからそれでいい、とはならない。

英信流の歴代先師も、他の流派の剣術や柔術を能く稽古されていました。

貫汪館では、無双神伝英信流抜刀兵法、大石神影流剣術、渋川一流柔術の三流派を稽古しています。

貫汪館の門人だというのであれば、やはり三流派を稽古すべきでしょう。

もちろん人によって得意不得意、稽古の深浅はあるでしょうが。

たとえできないとしても、見ることによって得られるものはあるはずです。

そしてそれは決して無視できるほど小さなものではないのではないかと思います。

 

柔術は形数が多いので、形名を一本ずつアナウンスしてからの演武です。

あれ?と思うとやはり業間違いで、やり直される場面もあったりして。

ワタシもちょと憶えたヨ。

それにしても、形のグループが違っても同じ形は同じ形名でいいと思うのですが。覚えにくいですよね。。。

 

お弁当を食べて、午前中に自分の出番をがんばって終えてほっと一安心。

午後は実は睡魔とのたたかいでもありました。スミマセン。

でも、上手な居合は見ていて眠くなると言いますしね。柔術も同じかと。

 

閉会式

結果発表は、副館長から一人ずつ名前を読み上げられて、合格と告げられます。

幸い全員合格でしたので、まとめて発表でもいいのでわ?などと思ったりも少し。

ですがやはり、自分の名前をきちんと読み上げていただいて合格と言っていただいて、こちらの眼を見て力強くうなずいていただけると、とてもうれしいものです。副館長の誠実で実直なお人柄を実感しました。

 

顧問講評、館長挨拶、閉会宣言。

 

予定より1時間早く終了です。皆で会場の片付けをして着替え。

北大阪支部長、デンさんとともに、館長に宮内串戸の駅まで送っていただきます。

いつも大変恐縮です。

山陽本線に乗って、広島駅へ。予定よりだいぶ早い帰りです。

ということはつまり、予約した新幹線をだいぶ待つことに。。。

半ばおそれていたとおりです。もちろん、乗り遅れるよりは全然いいのですが。

北大阪支部長はスマホでちゃちゃっと変更されて、さくっと帰られました。便利でいいなあ。うらやましす。

奥様へのお土産にレモンケーキと、ご自身の車中のお弁当には活あなごめし弁当をご紹介しました。

どうやらご満足いただけたようでなによりです。

貫汪館 北大阪支部 稽古日誌「昇段審査」

http://kanoukan-kita-osaka.jimdo.com/2014/09/21/昇段審査/

 

さて、いつもお金がどうとかよりなによりとにかく1本でも早く家に帰れるように切符の事前購入をしていないワタクシですが、今回デンさんの提案で事前購入をしていただいていました。

宿泊付きなのに、片道料金よりちょっと高い程度。破格のお値段です。

ですがもちろん、なのでだから新幹線の変更なんてできません。

やむをえず、喫茶店で2時間ほどつぶす羽目に。。。

こんなことなら帰りだけでもフレックスにしておくべきだった。

でもそれなら行きも寝坊とか在来線の遅延に備えていっそ往復ともフレックスに。

いやいやそんなことしたら、ちっとも安くならないし。などなど悶々と。。。

講習会は予定通り進むけれど、審査はそうとは限らないとわかっていたのだから、帰りの分だけフレックスにしておけばよかったのだな、などと思い至りました。

あふたーふぇすてぃばる。でもまあいいか。

 

もちろん別に切符を購入すれば、さくっと帰ることはできました。

金額もまあ通常に戻る程度で、損をするというよりは、得をしなくなるというだけ。

それでもやはり、一度お得になった後だと、損をする感はぬぐえません。

真理ではありませんが、心理ですよね。

一度なにかを身に付けたあとに、それを新しいなにかにそっくり取り換えるのは勇気のいることです。なかなかできることではないでしょう。

自由を得るか、経済を取るか、効率を取るか、個か和か、etcetc...

すべて選択の積み重ねです。

なにかを捨てなければ、なにかを得ることはできないのでしょう。

 

・・・なーんて大仰なことを言わなくても、北大阪支部長の切符の購入方法を真似すればいいだけのことだったりしますが。てへ

 

さて、来週は通常通りの稽古です。

デンさんはお休みとのことですので、例によって一人で一通り通すつもり。

今回の二日間でいただいた課題をこなして、消化吸収をしなければ。

稽古することは盛りだくさんです。楽しみは尽きることがありません。

H26.9.23