貫汪館 横浜支部稽古

1月11日11時11分11秒に時計を見てた人がきっと何人かいるかと思います。
でもそれを言うなら、11月11日11時11分11秒の方がすごいし、
2011年11月11日11時11分11秒の方がすごかったですね。
千年前の1111年11月11日11時11分11秒の方がすごかったですが、
さすがにその頃は秒までは気にしてなかったかと思います。
デジタル時計もなかったでしょうし。

 

千年後の2222年にも、同じようなことを言っている人がいるのでしょうか。
その頃は秒以下まで気にしてたりして。
単位としてはミリ秒とかありますが、現代の日常生活では赤射蒸着くらいでしか使わないと思います(違うか)。
未来では日常生活でも、ナノ秒、ピコ秒、フェムト秒とか使うのでしょうか。
現代でも、技術の世界では普通に使用されていることと思います。

 

それよりよく聞くのは、示現流の「分」「秒」「糸」「忽」「雲耀」でしょうか。
手の脈が四回半鼓動する間が「分」、その1/8が「秒」、その1/10が「糸」、その1/10が「忽」、その1/10が「雲耀」だそうです。
1回の脈が1秒弱として、四回半の鼓動「分」が約4秒だとしたら、
「秒」は約0.5秒
「糸」は約0.05秒
「忽」は約0.005秒
「雲耀」は約0.0005秒
ということでしょうか(こういった計算はあまり意味がないこととは思いますが)。
雲耀とは稲妻のこと。そのくらいの速度で剣が振れたらすごいことだと思います。

 

英信流表に、稲妻という業があります。
心持引歌では、はやさが大事と歌っているように思えます。虎一足も。
ですが、果たしてあれは速度のことなのでしょうか。
私の中では、速さと早さは明確に区別しています。
速さはたしかに大事ですが、早さも大事なのではないかと。
間と間合い。呼吸。武術は相手との相関関係です。
スピードがあれば圧倒的に有利なのはたしかです。
実際に雷撃の速度で打ち込まれたら、即物的にさばくことは不可能でしょう。
稲妻と虎一足に限らず、一考を要することかと思います。

居合の根幹かもしれません。

 

ほんの少し前では、記憶容量1メガのフロッピーディスクが主流メディアでした。
それがいまや数ギガのUSBメモリーがコンビニで数百円で買えてしまいます。
外付けHDDもテラが普通の時代。
そのうちペタとかエクサとかが普通になるのでしょうね。まるで夢のようです。
技術の進歩は、巨大化と微小化の両方にあります。
記憶媒体の容量の劇的な増加も、内部回路を微細化できたからでしょう。
巨大化は目に見えて日常に浸透し、微小化は目に見えず浸透します。

武道における技術の上達も、目に見える大きな部分だけでなく、
目に見えない微細な部分も大事なのではないかと思います。
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さて、新年二回目の稽古です。
昨年、参加のあった方から連絡がありました。再度参加希望とのことです。
何人か同行するかもしれないとのこと。
道衣と木刀は持っていても、居合刀や足袋は持っていないと思われます。
居合刀四本(二尺八寸六分、二尺八寸、二尺六寸、二尺四寸五分)と
大石神影流の鞘木刀二本と常寸の鞘木刀二本、足袋四足にカイロ4つ、
などを持って家を出ます。
居合刀だけでも片方の肩に5キロ以上。さすがに一人では大変です。
重さだけでなく、両肩に四本ずつと、さらに手荷物ではちょっと持ちにくい。
まるで重装歩兵のようです。
我が家の有能な美人秘書に、鞘木刀四本を持ってもらいました。
木刀とはいえ、さすがに四本もあるとなかなかの重さになります。

 

体育館に到着して、明かりをつけます。
会員さんからも事前に連絡があって、到着が少し遅れるとのこと。
美人秘書にモップ掛けまで手伝ってもらいました。
一人で先に帰ってもらうのが少し心配でしたが、合気道三段、居合二段、
中国武術(長拳と太極拳)の経験者ですから、まあ大丈夫でしょう。
もちろんなにかあったら技を使おうなどとせず逃げるのが一番ですし、
さらにはなにか起きる前にそうならないようにするのが一番です。

神妙剣

 

居合刀四本と鞘木刀四本を準備して、お二人の到着をお待ちします。
間もなく会員さんが到着して、さらに少し遅れて前回参加の方が到着しました。声を掛けていただいた方は都合がつかず、お一人で参加とのこと。
あらまあ残念。
剛柔流空手と合気道の有段者で、柔道は昨年末に二段になったそうです。

一月の夜の体育館はかなり冷え込みます。
大丈夫とおっしゃいましたが、足袋とカイロをお渡ししました。

 

さて、いつもより30分遅れて稽古開始です。
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大石神影流の稽古から。
構え
 真剣 上段 附け 下段 脇中段 脇上段 裏附け 車
会員さんは前回までの復習、剛柔流さんは初めてです。
やはり一度稽古したことがある人と初めての人では格段の差があります。
ですが果たして、二度目と三度目ではどのくらいの差があるのでしょう。
そして三度目と四度目では。五度目、六度目。
回数を重ねるごとに、進歩の度合いが遅くなるようでは困りものです。
常に初めて稽古するくらいの気持ちで稽古をしてほしいと思います。
純粋無垢な赤子のように。

 

素振り
それぞれの構えから、真剣に戻ります。
ゆっくり正確に。きちんと正中線を通す。刃筋を通すこと。肚で動く。

 

試合口
 一心 無明一刀 水月 須剱 一味 
打太刀で元に立って、お二人には交互に仕太刀をしてもらいます。三本ずつ。
掛かり稽古方式では稽古の回数は半分になりますが、
 精神的にも肉体的にも少し余裕ができるので稽古の質が上がること、
 仕太刀の動きだけに集中できること、
 待つ間に見取り稽古ができること、
などの利点があります。
広い道場で伸び伸びと休みなく稽古するのもいいですが、
狭い道場ですと必然的にこういった稽古方法になるかと思います。
狭い道場は環境としては決して良いとは言えないかと思いますが、
それでも上手がいらっしゃるのは、こういった理由があるのかもしれません。
会員さんはだいぶさまになってきました。
剛柔流さんは初めてです。やはり、張る動きが難しいようです。
腕だけで剣を動かしても、こちらにはなにも伝わってきません。
剣が、剣の表面ですべるだけ。
単純な動きですが、簡単ではありません。

 

陽之表
 よう剱 げっ剱 無二剱 二生 稲妻
同じく打太刀で元に立って、お二人には交互に仕太刀をしてもらいました。
会員さんは、よう剣とげっ剣は前回稽古済。剛柔流さんは初めて。
五本目までお伝えしました。
とりあえず手順だけはなんとか、といったところでしょうか。
肝心の中身はこれから。
基本ができている人でしたら、型は一度お伝えするだけで済むのでしょうが。
なかなかそうは行きません。
型の稽古と基本の稽古を、並行して進めて行きます。

 

さてさてあっという間に残り30分です。
やっと無双神伝英信流の稽古に入ります。今回は居合の稽古を。

 

初発刀
二尺八寸と二尺六寸の居合刀をそれぞれお貸ししました。
初発刀を抜いて見せて、一緒に抜いて、各自で抜いてもらって、指摘します。
形を作ろうとしないこと、ニュートラルを保つこと、半身で動くこと、
斬撃は大きく振ろうとせず手元に落とすこと、などなど。
最後にまた一緒に抜いて、稽古終了としました。

今回は開始が30分遅れましたので、いつもより短めの1時間半の稽古でした。

 

とにかく寒かったのですが、稽古をしている間はまだましで。
終わって着替えのときがなかなかです。
来週の横浜講習会は日中ですので、それほどは冷え込まないはずです。
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帰りはまた美人秘書に鞘木刀四本を持って帰ってもらい。
帰宅して大量の荷物の片付けをして、お風呂に入って、遅い食事をして就寝。


翌日は家族で江ノ島へ。渡し船に乗って岩屋見学をしてサザエの串焼きなど。

 

三連休の最終日は、横浜講習会用に大石神影流の木刀の鞘を6本作製。
140円程度のゴルフクラブケース?に布テープを巻いた簡易な物ですが、稽古にはこれでも十分かと。
二尺八寸までなら納まりますが、三尺三寸には長さが足りないのが残念です。

 

来週土曜日は館長をお招きしての稽古、翌日曜日は横浜講習会の予定です。

H26.1.13