貫汪館 居合講習会

恒例の、貫汪館 居合講習会が開催されました。
場所は、廿日市市大野体育館武道場。前回の昇段審査と同じ会場です。
内容は、

 無雙神傳英信流抜刀兵法「太刀打」「詰合」

 大石神影流剣術「試合口五本」 
対象は、貫汪館門人および一般の方です。

 

参加は、前日の特別稽古とほぼ同じメンバーで、顧問の先生がお一人交代されて、新しい方がお一人参加されました。

午前2時間半と午後3時間の合計5時間半で、25本の形を稽古しました。
レベルの高いメンバーばかりですので、講習会はスムーズに進み、
とても内容の濃い講習会となりました。

 

新しい方は、貫汪館の稽古には初めてのご参加でしたが、館長の細やかな指導もあり、充実した一日となったことと思います。
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大野体育館の駐車場に車を停めて、大量の荷物を抱え、体育館へ移動します。
防具の入ったキャリーバッグ、道着の入ったリュック、いくつもの刀袋に加えて、
いつも館長が用意してくださる講習会の芳名録や、お茶の道具などなど。
門人で分担して運びます。

 

体育館の二階にある武道場に上がるには、玄関すぐの螺旋階段が便利です。
でも螺旋階段は、大きな荷物をたくさん抱えているととても上がりにくいのです。
それに両手がふさがっていると袴の裾を持ち上げることができないので、かなり危険です。
また荷物がなくても、腰に刀を帯びているととても回りにくいことを前回知りました。少し遠回りして、普通の階段を上がります。

 

荷物を置いて、参加費をお支払いして、いつもどおり芳名録に記名します。
書は苦手でしたが由あってこの1ヶ月、毎日みっちりと書の練習をしていました。
はたして、その甲斐があったかどうか。

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9時30分になって、講習会の開始です。
館長の短いお話のあと、さっそく二人一組になります。

館長のご配慮で、私は新しい方と組むことになりました。
なにを隠そう(隠しませんが)、新しい方は横浜支部の新規会員さん(予定)なのです。やほー

本部に講習会の参加申込と入門の申出がありましたが、東京にお住まいとのことで、館長から横浜支部を紹介していただいたのです。
おそるべし、イズモエフェクト。
どんな方かは、組んでみればすぐにわかります。楽しみです。

 

まずは礼法から。
お互いに向かい合って立ち、正面に向き直って、礼。
お互いに向き直り、着座して、互礼。
刀礼をして、帯刀。
立ち上がって、離れます。

 

新しい方はやはり下げ緒さばきや刀の持ち替えで少しもたつきましたが、なんとか。
それよりも、礼が気になりました。直立不動の姿勢で、上体を腰から折り曲げる。
これが一般の動きだよなと思いながら、久しぶりに見た動きに違和感を感じます。
今後、根本から直していただかないといけません。
一つの動作を行うたびに、いったんニュートラルに戻します。そして次の動作。

 

館長に呼ばれて、中央で相対します。太刀打です。仕太刀をやってください、と。
館長が打太刀、私が仕太刀で一度示範します。
続いて館長が仕太刀を行い、説明をしてくださいます。
そして、さあ、やってください。

 

各組で自由に稽古をします。
わからないところできていないところがあれば、組んだ兄弟子が教えてくれます。
もちろん、館長も指導に回ってくださいます。
他の組が教わっていることを聞いたり、示範されているところを拝見したり。
私もお相手の方にアドバイスをする一方で、館長から指導を受けます。

 

新しい方は、やはり動きに戸惑っていらっしゃるようです。
足の運び、運剣、斬撃、納刀、すべてが違います。
振りかぶりで一々止まり、相手と合わせようとしているように見受けられます。
非打ちをしたいところですが、今回は控えました。
説明しながら何度も繰り返すうちに、止まらずに動けるようになってきました。
貫汪館の動きです。

 

打太刀では、相手がいないところを打ったり、わざとやられるような体勢をしたり。
すっかりやられ癖がついていらっしゃるようです。
仕太刀に勝つ力がなければ、打太刀はわざとやられなければ、形にならないのでしょう。
ですが、そういう稽古はおことわりです。何を稽古するというのでしょうか。
そんな稽古に意味があるとは思えません。
打つべきところを打ち、突くべきところを突く。もちろんきちんと届く間合いで。
そして、それをさばく。理にかなった勝ち方を学ぶ。そんな稽古がしたいです。
毎回お約束の動きを合わせるのではなく、払うべくして払い、外すべくして外す。
打太刀が思わず、うおっと、うなるような勝ち方をしたいのです。

 

太刀打
出合、附入、請流、請入、月影、水月刀、独妙剣、絶妙剣、心妙剣、打込

休憩をはさみながら、午前中で一気に十本を稽古しました。
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お昼は皆で円になってお弁当です。

参加者は会費を払うだけですが、お弁当の調達も自動ではありません。
お店を探すところから始まって、注文、会計、運搬ととても多くの手間がかかっています。
多少なりとも運営に携わったことがある人ならその苦労はよくわかるはずですが、こればかりは経験をしてみないとわからないかもしれません。

お弁当は美味しくいただきました。

 

各自コーヒー、紅茶、お茶などで、食後の一服です。しばらくご歓談。

新しい方は、(たくさん習って)頭が爆発しそう、とのこと。でもとても楽しそうです。
私も、自分が初めて講習会に参加したときのことを思い出しました。

横浜支部に入会ということで、確認ができました。これからよろしくお願いします。

来週は予定があるとのことで、稽古は再来週から参加とのことです。

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午後は大石神影流の試合口五本から。
常寸の鞘木刀を、大石神影流の長い鞘木刀に持ち替えます。
向かい合って立ち、正面に向きかって右膝を着き、両拳を着いて礼をします。
向き直って、互礼をして、右足を半歩出して抜刀して真剣に構えます。

 

午前と同じように、館長に打太刀をしていただき、仕太刀をつとめました。

五本さらっと通して、さあ、やってください、と。

 

大石神影流 試合口
一心、無明一刀、水月、須剱、一味

 

午後も新しい方と組んで稽古です。
まったく初めての動きですが、組んだ状態で説明しながら動いていただきます。
なんとかなるものです。
もちろん本来ならば、なんとかならなければ、斬られて終わりになるだけです。

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そしてまた常寸の鞘木刀に持ち替えます。詰合です。
太刀打と同じように礼をして、帯刀して立ち上がり、右足を半歩踏み出して、詰め合って座ります。
館長が打太刀、私が仕太刀です。交代して、説明。
そして、さあ、やってください。

 

新しい方は、柄頭が触れ合うほどの距離にかなり戸惑っていらっしゃる様子。
ですが、詰め合うから詰合。離れていては詰合になりません。
膝と膝がぶつかるくらいの間合いなので、足を引いて抜き付けます。
離れて座り、そこからお互いに足を引いて抜き合わせるのは、私の眼には奇異に映ります。どこに抜き付けているのか。

そしてそもそも、はたして届きもしないものを受ける必要があるのかどうか。
稽古だからあえて届かない間合いでやるのだ、と言われればそれもそうですが。

 

そして、座り方からかなり違うようで、とても苦労されていました。
そしてやはり、足を引いて抜き付けることができない。

動けません!と。デジャブ
座り方から直していただいて、しばらく繰り返しているとそのうちなんとか。
とりあえず最初の五本だけがんばってもらえれば、あとは立ちですし。
足で踏ん張るから全体重が掛かって動けないのですけれどもね。自縄自縛

 

詰合
発早、拳取、岩浪、八重垣、鱗形、位弛、燕返、眼関落、水月、霞剣

 

八重垣では逆を打ちこまれましたが、素知らぬ顔で受けてそのまま続けました。

燕返は手数が多いので、館長は時間をかなり長めに配分してくださいました。

ただ、形の理合や流れを感じることができれば、手順自体はとくに難しくはありません。

足の左右が違っていたとしても、それほど大きな問題とも思えません。

実際には、鱗形など、単純であっても難しい業はいくらでもあります。

水月もとてもシンプルな形ですが、とても難しい。間や間合いの良い稽古になります。

 

休憩をはさみながら、一気に十一本。ではなくて、十本プラス一本

十一本と書かずに、士本と書くのが私のお気に入り。西向く侍小の月
廿日市の廿ってかっこいいですよね。卅とかも。
でもって、卌 圩 圆 进 枯 无 と続くとか(文字が表示されないかもしれません)。

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4時過ぎに終了となりました。あっという間の一日です。
片付けと着替えをして、帰りの新幹線用にお茶菓子の余りをわけていただき、兄弟子に車で山陽本線の前空駅まで送っていただきました。

 

広島から新幹線に乗って、10時過ぎに帰宅。
大量の荷物を30分かかってなんとか片付け、やっとお風呂に。
なんやかんやとやることをやって、寝たのは1時半過ぎでした。
翌日はもちろん仕事です。ふへー。

 

でも、楽しかったからいいのです。

H25.12.7