貫汪館 大石神影流特別稽古

貫汪館館長の指導による、貫汪館門人のための大石神影流特別稽古がありました。
内容は、大石神影流剣術のこれまでの復習と三學圓之太刀および防具着用稽古です。
参加者は貫汪館の門人で、本部道場の門人と各支部長の参加がありました。

 

最初に館長から、
 まずは今までの復習。これまでに教えてきたことばかりなので、また同じことを言われないように。おかしなところをちらりと見たら、言われる前に気付いて自分で直すように。
とのお話がありました。

 

構えは真剣、上段、下段、附け、脇中段、脇上段、車。
各人が構えて、館長が問題点を指摘します。
構えは基本中の基本ではありますが、完璧にできる人はなかなかいません。

 

素振りは上段から真剣に下ろします。肚を中心に下ろすように心がけます。

 

二人一組となって、試合口五本、陽之表、陽之裏をさらりと通します。
すでに何度も稽古している手数ですので、館長もそれほど細かくは指摘しません。

 

そして、三學圓之太刀の稽古となりました。
館長と師範による示範と簡単な説明のあと、各組で稽古を行いました。
すでに稽古をしている門人と初めての門人がいましたがいずれもすでに
構え、素振り、試合口、陽之表、陽之裏と稽古が進んでおり、
完璧ではありませんが大石神影流の動きが身に付きつつあります。
稽古は順調に進み、すべての手数を習うことができました。
手数を渡されたら、あとは自分で稽古をするばかりです。

 

最後に、防具着用稽古を行いました。

防具の着装は初めての門人もいましたが、経験者から教わりながら、とくに問題なく着装することができました。
防具着用稽古は、試合口五本と陽之表、陽之裏を稽古しました。
防具を着装して竹刀で直接打ち込むのには不慣れな門人も、いつもどおりに大石神影流の動きができていたように思います。
今後も防具着用稽古を続け、大石神影流の動きで自由な攻防ができるようになりたいと思います。
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いつもどおりに起床して、シャワーを浴びて、家を出ます。

道着と袴と足袋の入ったリュックを背負い、二尺八寸六分の刀と常寸の鞘木刀と大石神影流の鞘木刀と竹刀を肩にかつぎ、防具の入ったキャリーバッグをごろごろと引きずりながら歩きます。


明日はもう12月です。広島は冷え込みが予想されましたのでコートを着ました。コートは暖かい車内や室内では荷物になりますので普段はできるだけ軽装です。

防具の入ったキャリーバッグはなかなかの重さです。
リュックと刀袋もありますので、階段で上り下りするのは少したいへん。
駅ではエスカレーターとエレベーターを利用しました。
普段、エスカレーターは利用しますが、エレベーターはめったに利用しません。
地震や電気系統のトラブルなどで、閉じ込められたら困ります。
稽古に遅れてしまいます。

 

市営地下鉄ブルーラインで新横浜へ。
みどりの窓口は例によって行列で、電光掲示板には-と×ばかり。
しばらく並んで窓口で確認すると、9時9分の三人掛け真ん中なら空いていると。
少し悩んで、8時59分のグリーン車にしました。
荷物が多いので、三人掛けの真ん中ではちょっときついのです。
やっぱり事前予約にしないとダメですかねえ。少なくとも、経済的ではないです。

 

新幹線で4時間弱。無事に広島に到着。
駅構内のカフェエスタシオンで、いつもどおりチーズケーキとコーヒーのセット。
相変わらずの美味で、しあわせを実感。でものんびりせずに店を出ます。
広島はやはり空気が冷たく、コートは荷物にならずに済みました。

 

山陽本線で宮内串戸へ。
宮内串戸の駅では、エレベーターを利用しました。
講習会に通い始めたころには、駅にエレベーターはありませんでした。
のどかで殺風景だった駅前には、コンビニもできました。
ずいぶんと月日が経ったことを感じます。

 

キャリーバッグを引きずりながら歩きます。
歩道の表面がおしゃれな貝殻模様になっていて、キャリーバッグを転がしにくい。
歩きやすい道を選んで、少し遠回りしました。

 

廿日市スポーツセンターに到着すると、下足箱がいっぱいです。
いや別に下足箱がたくさん増設されたという意味ではなくて(当たり前か)、靴がいっぱいで空きがありません。大会でもあるのでしょうか。
裏に回るとたくさん空いていましたので、少し離れたところに入れました。
探せば手前にも空きはあったのかもしれませんが、あれだけ大量の靴の中から自分の靴を探し出す自信がありません。

靴はいつも、端とか下とか人があまり使わない場所に置いています。
ただ、上の方は使いません。自分は背が高いので困らないですし、他の人はあまり使わないのでそういう意味では良いのですが。

さてなぜでしょう。

 

登城したときに刀を預けるときはいざというときに刀を取り違えないよう、わざと自分だけ反対向きに置いておくとか。

当たり前の心がけだよなと思いながら、武道家と社会性というテーマが頭の中をよぎります。

それに皆が皆そうしたら、けっきょく意味がないですしね。独行道です。

夏ひなた冬日の影とあゆむべし独行にはさわる人なし
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1時半過ぎに武道場に到着すると、畳では柔術の稽古をされていました。
板の間では、北大阪支部長が一人居合の稽古をされていました。
私も早く来て稽古をする予定だったのですが、実は今朝も寝坊してしまったのでした。

てへ
稽古の邪魔にならないよう、静かに更衣室へ移動します。
更衣室には館長と顧問の先生がいらっしゃいましたので、ご挨拶して着替えます。

 

さて2時になって、大石神影流の特別稽古の始まりです。
今回人数は少し少なめの10人でした。ですが、レベルの高い少数精鋭です。

 

構えから。
自分はもう完璧と思う人がいたかどうか。私はあれこれとご指導いただきました。
真剣
 剣を少し前に出してしまう癖があります。
 半身が甘くやや正対してしまうので、その分、剣が前に出るようです
 原因は、そけい部の弛みの不足です。
上段
 呼吸に合わせて、切っ先で左から半円を描くように上段になります。
 それに合わせて、腰はさらに落ちます。
下段
 真剣から切っ先を下ろします。
 手先で下ろすのではなく、体全体が沈むことで結果として切っ先が低くなります。
 腕だけで下ろしてしまうと、体は逆に浮いて、下から攻めることができません。
 動作は簡単ですが、そう簡単なことではありません。
附け
 上段のように切っ先を左から振りかぶり、そのまま下ろします。
 きちんと半身になること。
 剣を腕先だけで回してしまうと、体と刀が分離してしまいます。肚で動くこと。
脇中段
 きちんと体を開きます。正対しない。
 斬り込むための体勢です。構えない。待たない。
 刀を高く。右肘を張ること。
脇上段
 脇中段とほぼ同様です。

 しっかりと腰を落とすこと。

 

個人的な問題が一つ。
前膝がきちんと正面を向くように。これがなかなかできません。
もともとX脚気味で、膝が内側を向いてしまいます。
半月板を痛めたときも、こういう膝は痛めやすいんだよね~と接骨院で言われました。
ただ、膝の関節は、骨と骨がはまっている、というわけではありません。
骨と骨は直接はつながってはおらず、靭帯と腱でつながっているだけです。
骨の向きと位置を決めるのは主に筋肉のバランスです。かたよりがあると歪みます。
わかっているので日頃から意識して、これでもだいぶましになったのですが。
なんとか膝を正面に向けると、足の裏は外側が強く加重され内側は浮いてしまう。
とくに前側が浮くので、親指の根本が浮く感じです。あるいはそれでいいのでしょうか。爪先を少しうけてきびすを強くふむべし
少なくとも貫汪館では、

 体を正対させて、後ろ足の爪先を正面に向けて、踵を浮かせて瞬発力を使う。

と言われたことはありません。

 

素振り
動作は、上段から真剣に下ろすだけ。でも難しい。
深い呼吸に合わせて、肚を中心に動くように心がけます。
剣を下ろしたときに、正対しないように。剣を前に出さないように。
そけい部を弛める。


試合口五本、陽之表、陽之裏
二人一組となって、さらりと通します。
手順はもう覚えています。ただ、できているかどうかとは別の話です。
できているとしても、どのレベルまでできているのか。
ただ下段に構えてただ歩いても相手が下がってくれるというものではありません。
きちんと下から、相手を追い込む。などなど。
形の外形的な手順ではなく、内面的な質を要求される稽古になりました。
館長から指導いただき、お相手いただいた兄弟子からも指導をいただきました。

課題は山積みです。要求には際限がありません。

 

これまでは、今までの復習。
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これからが、今回の特別稽古の目玉とも言えます。

 

三學圓之太刀
館長と師範による示範と簡単な説明のあと、各組で稽古を行いました。
手順にてこずるようなことはありません。
ただ、細かいところはやはりちらほらと。あとは自分で稽古するしかありません。

 

大石神影流を習い始めた頃は、手順を追うことすらできずに大変てこずりました。
試合口の手順はとても簡単で、基本は請けて張り、突くだけです。
でも、請けて張ったあとに、突くことができない。
どうしても、振りかぶって斬ろうとしてしまいました。

 

表に至ってはまったくわからず。

何度見て、何度説明されても覚えることができず。

まったく、動くことができませんでした。
動きは目に入ってきますし、説明もわかります。とくに難しい動作があるわけでもない。
でも、できなかったのです。

 

それでもなんとか表十本を覚えると、次の裏十本は比較的簡単に覚えることができました。
そして、三學圓之太刀はとくに苦労もせず。
大石神影流の動きが身についてきた、ということなのかと思います。
あるいは、考え方が理解できるようになってきたと言うべきでしょうか。

 

初めて聞いた外国語は、まったく理解ができません。
しゃべるどころか、聞きとることもできない。
でも意味もわからずに聞いているうちに、ある日突然わかるようになるとか。
それと同じようなことなのかもしれません。

 

さて、また稽古することが増えました。
基本さえできていればいい。

手順は覚えてさえいれば、忘れさえしなければいい。

とは言え。

 

基本さえできていれば。
このハードルがとても高いのです。
基本だけ稽古していればできるようになるのか。
どの手数でも、どう動いても、基本通りに動けなければ、基本ができたとは言えません。
また逆に、手数をいくら覚えて、手順どおりに動けたとしても、基本ができていなければ、意味がありません。

基本を覚えながら手数を稽古し、手数を稽古しながら基本を覚え。
帰納法と演繹法
どちらかだけでというわけにはなかなか行かず。
両方を循環しながら、身につけていくものかと思います。
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防具着用稽古
二人一組となって、まずは面を打ってみます。

間合いに戸惑うような人はいません。
小手先の打ちになるような人もいません。いつもどおりの動きです。
ただ剣道経験者はどうだったでしょうか。やはりつい、いつもの癖が出たりして。
打ち込みを受けて張り、顔面を突きます。ムチウチにならないように軽く。
打ち込みを受け流し、面を打ちます。いつもと違い、留めずに当てます。
斬り結びは、留めずに斬り勝って、実際に面に打ち込みます。
振りかぶりの小手を実際に打ちます。
いずれも、いつも通りの動きです。

 

館長の指示で、
 試合口の五本、

 陽之表のよう剣、げっ剣、無二剣、太陽剣、

 陽之裏の十文字、夜闇、
を実際に打ち込み稽古しました。
最後に、各組一本好きな手数を稽古するようにとの指示が。
少し考えて、白虎を稽古してみました。実際に小手を打てるのはいい感じです。

 

一度、館長に右小手を打たれました。バカーンと爆発音のような音がしました。
籠手は、単に薄い板が一枚あるだけのようなものですしね。とても痛かったです。
ただ、あざにはなりませんでした。
柔術師範代が、ばこーんと面を打たれていました。星が飛んだとのことでした。

 

貫汪館の防具着用稽古は今回が初めてということもあって、とりあえず実際に打って稽古してみるというところでした。
今度はたとえば、打太刀と仕太刀だけ決めて、どの手数を遣るかは決めず、
打太刀の攻撃を自由にさばいてみたり、とか。
最終的には、自由な攻防ができるようにならなければ意味がありません。
もちろん、大石神影流の動きで。
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あっという間に3時間の特別稽古は終わり、皆で定食屋へ行きました。
館長おススメの唐揚げ定食を、皆で美味しくいただきました。

 

明日は居合講習会
 無雙神傳英信流抜刀兵法「太刀打」「詰合」と
 大石神影流剣術「試合口五本」
です。

H25.12.5