12時で午前の講習会は終了です。
午前のみ参加の方はお帰りになりました。
午後も参加の方は、マットを敷いて昼食です。
道着と袴をお貸しした方は、昼食中は汚さないようにと脱いでくださいました。
たしかに黒は問題ありませんが、白は汚すとちょっと面倒です。お気遣いに感謝です。
昼食を終えて再度着付けを手伝っていると、午後のみ参加の方がいらっしゃいました。
受付をします。
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午後は無双神伝英信流抜刀兵法の講習会です。
礼法から始まり、だいぶの時間を費やしました。礼法ができれば業もできたも同然です。
上体を倒す動き、起こす動き、手を着く動き、戻す動き。すべてが初発刀に通じます。
最初の立って神前への礼ですら、そけい部がゆるんでいなければ正しい動きはできません。
ただ刀を持って立っているだけでも、その人の実力は見えてしまいます。
袴さばきすら、おろそかにはできません。けっきょくはすべてその人の動きです。
いかに無理無駄なく動くことができるか。
日常のコップの上げ下ろしすら、よい稽古になるはずです。
ましてや刀を帯び、着座する動きを、おろそかにしてよかろうはずがありません。
正座から一歩踏み出して立ち上がる動きすら、きちんと行おうとすれば至難の業です。
正座して帯刀し、抜き付け
抜いたら、納めなければなりません。
館長が用意してくれた居合刀は、初心者用は二尺二寸五分程度の長さでした。
無双神伝英信流では比較的長い刀を遣いますが、これは一般の基準と比べても短い方です。
それでも、初心者の方は抜くのもやっと、納めるのも手元を見ながらなんとかやっとです。
居合は難しいものだと思いますが、まず最初の抜き納めが、最初の高いハードルのような気がします。
これが楽しいと思える人は、居合を続けられる人なのかもしれません。
刀をびゅんびゅんと振り回すことが楽しくて居合をやる人は、居合を稽古しているとは言えないのでは ないかと、個人的には思います。
他流他武道経験者の方は、器用に抜いて納めています。
しかし実際には、貫汪館の要求を満たすことはできてはいません。
なまじ抜いて納めてしまえるので、逆に難しいのかもしれません。
もしも本当に要求とおりに動こうとしていたら、そう簡単に抜けるものではありません。
無自覚の誤魔化しがあるから抜けてしまうのです。
誤魔化しは無自覚ではありますが、無自覚だからこそ、それを直すのは困難となります。
いかに自分の無自覚さを自覚できるか。そこが修業の難しさなのではないかと思います。
立膝で座り、抜き付け
立膝は、初めての方には難しいのではないかと思っていました。
しかし、皆さんすぐに座ることができました。
そういえば、体育館の床に長時間の正座で脱落する方もいらっしゃいませんでした。もちろん膝サポーターなどはしていません。
無双神伝英信流の立膝は、片膝立ちで後ろ足の爪先を伸ばしたような姿勢です。
能の下居、歌膝、あるいはイャッハッと激しく動き回る古い流派の居合の座り方にも似ています。自然な座り方に思えます。
もちろん、そけい部をきちんとゆるめて、きちんと半身になって、などの要求はいくらでも高くなります。
英信流の抜き付けは、正しく座れさえすれば、ほぼ完成したようなものです。
そのままの姿勢でただ鞘を引けば抜けている、とは言い過ぎでしょうか。
大森流の初発刀の抜き付けより、英信流の横雲の抜き付けの方が簡単です。
とおっしゃられた館長の言葉が、今ならよくわかります。
大森流初発刀そろい抜き
英信流表横雲そろい抜き
ずっと抜き付けだけを稽古して、最後にいきなり大森流の初発刀と英信流の横雲をそろい抜きしました。
前で館長が抜いて、皆はそれを見よう見まねするだけです。
それでもできてしまうからすごいですね。もちろんいきなりまったく同じ動きにはなりません。
しかし二度三度と繰り返すうちに、みるみる正しい動きになっていきます。
あれこれと指摘するのは、稽古の邪魔にしかならないのではないかと思うほど。
本来、稽古は自分でするもので、あれこれと教わるようなものではないのではないかと思います。
目の前に立派な模範・規範となる師範がいらっしゃれば、一緒に抜いてくださるだけで価千金です。
目の前で見ることができるだけでも、至上の幸せというものです。
理想のイメージさえあれば、それを追い求めることができます。
そこからさらに先に行くのはまた別の話ですが、それはまた先の話です。
最後に館長にコメントを求められました。見ていてどうでしたかと。
ケガもなく無事に終わってよかったです。ゴミは各自で持ち帰りください。
お気をつけてお帰りください。
と言ってから、業のコメントを求められたのだと気付きましたがあふたーふぇすてぃばる
とんちんかんなコメントで、貫汪館横浜支部講習会は終了しました。
ああはずかしい。
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あれこれと片付けをしていると、参加者の方からモップを掛けましょうかと声を掛けられました。感動です。
何人かで横に並んでモップを掛けました。ありがとうございました。
皆さんの着替えを待って、お見送りをして、戸締りをして学校を出ました。
帰宅して、館長にお風呂に入っていただき、冷たい飲み物で一息ついていただきました。
そのうち空がぴかっと光ったかと思うとゴロゴロゴロと。まもなく激しい雨が。
講習会中も雨は降ったりやんだりしていましたが、気になるほどではありませんでした。
とりあえず講習会が終わって皆さんが駅に着くくらいまではひどくならずにすんでくれてよかったです。
ただ遠方の方は、途中で電車が止まったりしなかったでしょうか。そこが気になりました。
袴をたたみます。自分が穿いていたものとお貸ししたもので合計4本。
数えたこともありませんでしたが、タンスの引き出しの奥にはまだありました。
道着の数が足りず、お一人にはジャージに帯で稽古していただきました。
居合では刀を帯にさしますが、袴がないと固定されず。稽古はとてもしにくい。
帯だけお貸ししたのですが、道着はなくても袴をお貸しできればよかったです。
申し訳ないことをしてしまいました。すみません。
激しい雨と雷鳴の中、館長のお荷物の一部をお持ちして駅までお見送りします。
居合刀と木刀の袋はひとまとめにして宅急便で送りました。重さは13キロでした。
館長はこのあと東京に宿泊され、火水木は武道学会で研究発表、金曜に帰郷されます。
日本武道学会第46回大会 第1回国際武道会議
http://www.budo.ac/budo46_J.html
土曜は昇段審査前稽古、日曜は昇段審査、月曜も高知県に行かれるそうです。
とにかくご多忙でいらっしゃいます。
帰宅して自分も入浴し、食事をしてメールチェック。
土日の自分の稽古録はとりあえず忘れないうちに項目だけ。
横浜支部ホームページは講習会は無事に終了いたしましたとだけ更新。
そして現在に至る、と。
横浜支部講習会に参加いただいた皆様には、この場をお借りして心より御礼申し上げます。
また、横浜支部での講習会開催は初めてのことで至らない点も多く、皆さまにはご不便をおかけしたことかと思います。あわせてお詫び申し上げます。
次の機会がありましたら、これにこりずぜひまたご参加いただければと思います。
また、我が家の大きな女子と小さな男子もあれこれと手伝いをしてくれました。
この場をお借りして謝意を表します。
遠く広島からお越しいただいた館長と、お手伝いに駆け付けてくださった呉中央支部長にも深く御礼申し上げます。
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講習会の間、グラウンドではサッカーの練習が行われていました。
体育館のトイレに来た子どもたちが、そのついでに見学をしていました。
小さな女の子たちは、かっこいーと。
小さな男の子たちが何をやっているの?と聞くので、イアイケンジュツと答えましたが、わからん!と。
何級?と聞かれましたので五段と答えたら、三段とどっちがすごいの?と聞くので、五段と答えました。
じゃあオレなんて150段だ!と言うから、すごいねーと言ったら、勝った!と言って帰って行きました。
とりあえず五段と答えたけれど全部合わせるとえーと、その前にキミ級と段もわかってなかったじゃん!と言うこともできず。
あまりの衝撃に言葉も出ず、絶句とはこのことかと体感しました。
どっとはらい
H25.9.12