自得

土曜は朝からコメダ和喫茶おかげ庵でモーニングセット。

http://www.komeda.co.jp/okagean/

いつもどおりトーストセットとブレンド。ゆでたまご付き。

 

一息ついて、高校の進路説明会へ。

直線で行くのが一番早いとわかっていますが、あえて遠回り。

近道はずっと直線で景色が代わり映えせず、なんだかつらい。

遠回りの方は、歩き慣れた道で、時間は掛かっても疲れません。

体力的な問題ではなく、精神的な問題です。<HPではなくてMP

おもしろいですね。

でもって、遠回りしたお陰で。

テニスコートで部活をしている息子の姿を見ることができました。

うん、やはり近道すれば良いというものではないですね。

 

進路説明会はちょうど1時間ほど。

進路指導の先生がお一人で説明。データも具体的で参考になり。

そういえば最初に、数学の先生とおっしゃっていたような。。。

さもありなん。

 

自分自身は、進学も就職もスムーズで、とくに問題なし。

でもだから逆に、子供にはアドバイスできるようなこともなし。

自分はこんなだったけれどもね。。。くらいなものです。

自分が苦労すれば、なにかアドバイスできたのでしょうか。

とは言え、同じ経験が役に立つとも限りませんよね。

苦労をさせないようにと思った親切心があだになったり。

苦労した方が逆に本人のためになったり。

稽古と同じだなあ。なんて思っています。

 

いつもどおり、早めに小学校へ。

校門前でちょうどコバヤシさんと合流。

遠方から電車を乗り継いでお越しです。しかも休日ダイヤ。

もし途中でなにかあったりしたら。。。

と考えれば、時間に余裕を持つのも当然のことでしょう。

あざみ野にはだいぶ早くお越しになっていて。

いつも本屋で時間をつぶしているのだとか。

でも、その本屋さん。5月いっぱいで閉店のようです。

http://kaiten-heiten.com/kabos-azamino/

あざみ野駅周辺には、以前は何件もの書店がありました。

でもこれですっかり壊滅状態。

まあかくいう私も、最近はアマゾンさんでポチることが多くて。

これも時代の流れでしょうか。。。

 

コバヤシさんと二人でモップ掛け。

ほどなく、カジタさん、ヒカルくんご到着。

あれ、ハセガワさんは?

ああ、そういえばお休みとおっしゃっていましたね。失念。あは

間もなく、ショウタロウくんも到着。

順番は遅くなりましたが、いつもどおり時間前にご到着です。

テヅカさん、お休み。

今週は4人だけ。先週と打って変わって少ないですね。

でもまあ、こんなものでしょう。

 

さて、稽古開始です。

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<澁川一流柔術>

 

○棒廻し

 皆さん、早めにお越しくださって準備もスムーズで。

 少し長めに棒廻しを稽古できました。

 

コバヤシさん

 最初はただ、廻して。としかお伝えしておらず。

 手の持ち方とか、実は正しくなくて。

 わかっていて、放置していたのでした。

 ここでようやく手直し。事細かに言葉で説明。

  間違えたやり方に慣れてしまったので。。。

 なんておっしゃっていましたが。

 では最初から正しいやり方を説明していたら、できたのか。

 まあ、無理でしょうね。

 棒を持って廻して歩くだけで精一杯。

 あれこれと細かく説明すればするほど、パニックになって。

 オーバーフローして、フリーズしていただろうと思います。

 

 彫刻に、彫造と塑造があるように。

 必要最小限なものを、少しずつ付け足していったり。

 おおまかな状態から、少しずつ削り取っていったり。

 方法論の違いですね。

 

 横浜支部長としては。

 もちろん、間違えた方法を身に付けられては困ります。

 でもかと言って。

 最初から理屈だけを耳で聞いて、頭で覚えてほしくはない。

 と考えています。

 だから、大まかに粘土を貼り付けて、不要な部分を削る。

 そんなやり方を選択しています。

 まずはとにかく、やってみる。違ったら直す。

 理屈をこねないこと。まず実践して、理論はあとから。

 

 でも、もちろん。

 道を大幅に逸れているようなことがあれば。

 流派の掟を逸脱していることがあれば。

 最初から厳しく指導しています。そこは許しません。

 どこを締めて、どこを緩めるか。

 扇の要ですね。

 必要な部分だけは、ほどよく締めて。あとはゆるゆると。

 そう、考えています。

 

○六尺棒表八本

 向かい合って素振り、二人一組で棒合を回り稽古で。

 

 コバヤシさん、だいぶお上手になられました。

 とくになにもお教えしていませんが。あは

 

 向かい合って素振りをすれば、見て取ることができる。

 二人一組で棒合をすれば、動きをフィードバックできる。

 それで充分ですね。

 それを超えて、あれこれと教えても。

 それは、与えすぎというものでしょう。

 

 見て取ることができない。違いを感じることができない。

 自己と他者の動きを見比べて、フィードバックができない。

 それは問題です。

 教えるのは簡単。すぐに直ることでしょう。

 でも、そうすると。

 せっかくの自己の感受性を高める機会を失わせることになる。

 言われなければ、直せなくなる。違いにすら気付かなくなる。

 これはもう、致命的ですね。

 与えられたテストで良い点を取ることが目的ではなし。

 自分で問題点を発見して。課題を見つけて。

 そして、その解決方法を探る。 

 それが大事です。

 

 こちらとしては、教えたくて仕方がない。

 教えれば、上手くなるのはわかっているから。

 でもそれが、本当に良いことかどうかは。

 なかなか気づきにくい、難しい部分だけをお手伝い。

 道を逸れたら、こっちだよと導くだけ。

 道を歩くのは、ご自身です。

 

○半棒表十二本

 打太刀で元に立って、掛かり稽古方式で。三本ずつ

 

カジタさん

 打ち込みが気になるところ。三本やると、三本とも違う。

 一本目はとても良くて。二本目は右にずれて、三本目は左とか。

 まだまだ、作為があるのでしょうね。

 何も考えずとも、ピシッと決まるように。

 

ヒカルくん

 お上手です。

 前手を緩めないように。もちろん、握り込んでもいけません。

 ほどよい加減に保持することです。

 もっと大きな声が出ると、もっと良いですね。

 

ショウタロウくん

 打ち込みはピカイチでしょうか。素直にカン!と。音が良い。

 緩みもなく、力みもなく。意気込みもなく、忖度もなし。

 素直に打ち込むことです。

 ときおり狙いが外れます。きちんと正確に頭を打ちましょう。

 

コバヤシさん

 相変わらず、一本目だけを繰り返し。

 お上手になられました。なにもお教えしていませんが。あは

 

 いつも一番最後に並んでいただいています。

 待っている間に、他の人をずっと見ていられる。特等席ですね。

 形は違っても、動きは同じ。同じ流派の同じ形のグループです。

 その中の一本。感じ取れるものがあるはずです。

 

 全体から共通の動きを探る。法則を見出す。それが科学です。

 よく見て、よく学びましょう。

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<大石神影流剣術>

 

○構え素振り

 真剣(中段)、上段、下段、脇中段、車、裏附け

 

 一人ずつ向かい合って構えの稽古。

 これはまさしくもう、見て取るしかない。

 まずは真似をしましょう。まずは外形を。そして、内面を。

 

 素振りは、とにかくまっすぐに振ることです。中心を斬る。

 

○試合口五本

 二人一組で打太刀と仕太刀。

  カジタさん&コバヤシさん

  ヒカルくん&ショウタロウくん

 良い組み合わせですね。

 

 まずは五本を通して稽古。打太刀と仕太刀を交代。

 

 それから、五本目のみを繰り返し稽古してもらいました。

 受け流しですね。

 剣できちんと体を守ること。

 かっこうだけで、斬られてしまっては意味がない。

 左に変わり、右足を寄せる。遠すぎず、近すぎず。

 重心が上下しないように。

 力まず、でもしっかりと斬る。

 

 打太刀は、ヤラレヤクでははし。

 負けるのではなく。仕太刀に、勝たせてあげる。

 自分の体勢を崩すようなことがあってはいけない。

 いつでも反撃できるように。

 形は一応そこで終わりますが、実際にはまだ続くかもしれません。

 形を稽古することで、弱くなるようでは困ります。

 約束稽古の利点を活かし、欠点は受け取らないように。

 

○陽之表 よう剣&げっ剣

 打太刀で元に立って、掛かり稽古方式で。

 

 全員のお相手をしてから、カジタさんに打太刀に立ってもらい。

 皆さんの違いを感じてもらうことが目的です。

 よう剣の抑え。ショウタロウくんがピカイチですね。重い。

 きっと、本人にはなんの自覚もないことでしょうが。

 

 子供特有の、全体の統一性によるものでしょう。

 大人は、全身がバラバラになってしまっている。

 柔軟性は、子供の方が柔らかい。大人は固い。

 でも、統一性は子供の方が高い。

 子供は、全身がゴムでできているよう。柔らかいけれど、一つ。

 大人は、ブロックを紐でつなげたよう。固いけれど、バラバラ。

 そんな感じです。

 まずは凝り固まった全身をほぐし。そして、統一する。

 それが大事なのではないか。と考えています。

 

 よう剣は、とにかくまっすぐに斬ることです。

 げっ剣は、受け流し。試合口の五本目で稽古した通りですね。

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<無双神伝英信流抜刀兵法>

 

○大森流&英信流表

 カジタさん、ヒカルくん二人でそろい抜き。通し稽古

 

ヒカルくん

 英信流で座ると、鐺が床に当たってしまうと。

 はい、大森流と英信流では、帯刀の位置が違います。

 大森流は、鍔がへそ前あたり。

 でも英信流は、座したときに鍔が右膝内側のあたりです。

 立って、右足を半歩踏み出すときに、刀を鞘ごと少し出す。

 半身になるので、その分も内側に寄せる。

 足を戻して正対すれば、刀は大きく前に出て、右側になる。

 そんな位置です。

 

 言い方を変えれば。

 英信流は、すでに抜く準備ができているようなもの。

 大森流の、手掛け、鞘出しをほぼ終えているようなものです。

 上体が前掛かり、両手を少し内側に寄せれば、そこには鞘と柄。

 あとは、鞘をスッとまっすぐに引くだけ。鞘を払うだけ。

 ただ、それだけです。

 

カジタさん

 相変わらず、山下風の抜き付けで苦労をされていました。

 抜くときに、鐺がガツガツと床に当たってしまう。

 うん、なんだか体と刀の動きが一致していませんね。

 鞘も変に動かしているし。。。

 

 一緒に抜いて、あーでもないこーでもないと。

 要は、手と足のタイミングですね。

 けっきょくのところ、初発刀と変わることはなし。

 足を先に踏み出すと、あちこちがぶつかってしまう。

 抜き出して行って、足は最後。

 

 鞘の動きもそう。

 鞘は、ただ払うだけ。まっすぐに抜いたら、そのまんま。

 変にこねくり回さないこと。跳ねたりはしない。

 戻す動きもたしかにあります。でも、鞘を戻すのではない。

 体が動くとき、鞘も連れる。ただそれだけのことです。

 館長にお聞きすれば。

  鞘なんて、放っておけばいい。なんにもしません。

 と言われることでしょう。

 

 なかなか上手く行かず、自分でもあれこれと考えてみて。

 そういえば、昔は自分も苦労したのでした。

 あちこちとぶつかるんですよね、英信流表って。

 でも自分で毎日稽古をして、工夫をして。ああこれか、と。

 けっきょくのところ。

 手足の数が決まっていて、刀の構造も同じ、最初の姿勢も同じ。

 これで、初期値は設定されたようなものですね。

 でもって、こういう動き、こういう形と要求される。クエリ

 あとはもう、試行錯誤すれば良い。試行錯誤するしかない。

 いずれ、答えが定義されることでしょう。

 そしてもしそれが違えば、また直せば良い。

 唯一絶対の正解をただ暗記することが目的ではありません。

 そこに価値を見出すことは、少なくとも私にはできません。

 自分で稽古をして、工夫をして、自得をすることです。

 

 あ、もちろん。教えないという意味ではありません。

 こちらから、困っていることはないかとお聞きしています。

 違えば直しますし、お手伝いはできますので。

 稽古をしてもできないこと。わからないこと。困っていること。

 ぜひ、どしどしとお聞きいただきたいと思います。

 

  師にとわすいかに大事を教へき心をすましねんころにとへ

 

○初発刀

 ショウタロウくん、コバヤシさん

 

 初発刀を向かい合ってそろい抜き。

 あちこちと手直しをして、しばらく自分で稽古をしてもらい。

 しばらく放置。。。

 はい、だいぶお上手になられました。

 やはり、まずは繰り返し繰り返し、稽古をすることですね。

 そこに手直しが入れば、簡単に直る。

 わけもわからないうちに、あれこれと言われても。ねえ。

 おかしな癖がつく前に、きちんとお教えしますので。

 

 最後に全員で初発刀をそろい抜き。

 ヒカルくん、カジタさん、ショウタロウくん、コバヤシさん

 はい、皆さんとてもお上手です。

 また稽古をしましょう。

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定刻通り、稽古終了。

稽古をした形の数は少なめですが、充実した内容だったかと思います。

 

道を歩くこと、進路を進むこと、稽古をすること。

道を歩くのは自分。他人はアドバイスができるだけ。

教わったとしても、それを身に付けるのは自分次第。

けっきょくは、自得をするしかないんだよなあ。

という話でした。

 

来週も通常通りの稽古です。

 

 

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