道着に袴

外に出るともう真っ暗で。

そういえば、先週は秋分の日でした。

 

雨降りで傘。

黒い道着に袴、黒い足袋。黒い刀袋に黒い傘。

真っ黒ですね。闇夜のカラス。

唯一色がついているのは、足元の雪駄の黄色だけ。黄千葉

#でもやっぱり鼻緒は黒です。

あとは傘を持つ手が白で、首筋も白ですね。

車に轢かれないように気を付けねば!

 

体育館に到着すると、モップ掛けはちょうど終わったところ。

カジタさん、ヒカルくん、オーガストさん、ショウタロウくん。

ん? ショウタロウくん、道着に袴ですね。うん、カッコイイ!

裾が少し長いのが気になりますが、育ち盛りです。

すぐにちょうど良くなることでしょう。

#そして、短くなることでしょう。

袴の着付けを少し手直し。

 

よく居合の「四付け」なんて言ったりします。

目付け、抜き付け、斬り付け、着付け。

この順番で大事だとも。

変に応じるためには、常に周囲への気配りが大事でしょう。

言うまでもなく、居合の本旨は抜き付け。

そして、斬り付けでとどめ。

でもって、着付けは、、、なんでしょう?

普段からスキのない立ち居振る舞い、礼法が大事。

ということでしょうか。

いずれにしろ、稽古の度に着付けをするわけで。

サマになっていなければ、その程度の稽古量。

サマになっていれば、よく稽古しているという証になるのかも。

 

「板に付く」という言い回しがありますね。

これは、役者さんが舞台の板になじんでいる様子なのだとか。

でも、袴の腰板が背中にぴったりと付いている様子という説も。

なんにしろ、落ち着いてサマになって、着崩れなどしないよう。

そんな稽古を心掛けましょう。

 

さて、稽古開始です。

 

カジタさん、ヒカルくん、オーガストさん、ショウタロウくん

------------------------------

<澁川一流柔術>

 

○棒廻し

 背筋を伸ばして、立っている自分のお尻の上に座るつもりで。

 正しく立てていれば、沈む感じと浮く感じの両方があるはずです。

 

ショウタロウくん

 そろそろ一歩で一回転、を稽古しましょう。

 棒を廻すことが目的ではなく。棒と体を合わせることが目的です。

 

○六尺棒表 八本

 向かい合って素振り、二人一組で棒合。子供ペア&大人ペア

 うん、どちらもいい組み合わせですね。良い稽古になります。

 

 打ち合いは遠慮せず。突くのは正確に。

 棒を長く遣う。手の内に留意。

 腰が上下動しないよう。蹴って動かない。同じ高さで動く。

 速くなく、遅くなく。合わせるのではなく、合う。

 なんにしろ、棒を打ち合うのは楽しいですね。気分がいい。

 カンカン、ビシュッと。邪気を祓いましょう。

 

○半棒表 十二本

 カジタさん打太刀で、示範。稽古は子供ペア&大人ペア

 

カジタさん、オーガストさん

 半棒はもちろん、打太刀も問題なし。

 腰車は、棒の端を余らせないように。

 すぐに握ってしまうと、そうなります。滑らせることです。

 手元が長いまま打ち込むと、自分のお腹を打つことがあります。

 ご注意ください。

 

ヒカルくん、ショウタロウくん

 うん、こちらも問題なし。

 ショウタロウくん、打太刀は初めて。でもすぐにできました。

 さすがですね。

 ヒカルくんとの相性も良いようですね。

 楽しそうに稽古していました。

------------------------------

<大石神影流剣術>

 

○構え素振り

 真剣、上段、附け、下段、脇中段、車、裏附け

 通して繰り返すことで、共通するなにかを感じられるように。

 

 素振りは、とにかくまっすぐに振ることです。

 正面中心にある細い線を、まっすぐになぞること。

 少しもはみ出さないように。

 その線を、だんだん細く、細くしていきましょう。

 

○試合口 五本

 二人一組で打太刀と仕太刀。子供ペア&大人ペア

 

 三本目は、振りかぶりは小さく、でもきちんと斬りましょう。

 止めるのではありません。

 

ここでショウタロウくん、お帰りに。お疲れさまでした。

 

○小太刀 一、二、三、五本目

 打太刀で元に立って掛かり稽古方式で。

 

 すべて、同じ動きです。

 切っ先を突き付けて、構えを解く。

 また切っ先を突き付けて、構えを解く。

 これを繰り返していれば、はたと気付くことでしょう。

 その動作で、右に変わり、左に変わり。刃筋が多少変化して。

 その程度のことです。

 とくだん、なにかをしようとしてはいけない。

 体全体が同時に動くこと。足だけ、手だけを動かしてはいけない。

 あとは、間と間合い。呼吸、残心。そういったものです。

 

○二刀 一本目、二本目

 打太刀で元に立って掛かり稽古方式で。

 

 なんだかよくわからない一本目。でも、これが一番大事?

 この手数ができなければ、大石神影流はできない。

 そんな気がします。

 

 二本目はまだまだ皆さん、苦労されていますね。

 小太刀一本目と変わることはないと思うのですが。。。

 

 三本目以降を稽古するのは、もう少し先になりそうです。

------------------------------

<無双神伝英信流抜刀兵法>

 

○大森流、英信流表

 向かい合ってそろい抜き。

 

オーガストさん

 いくつか手直し。とてもお上手ですが、まだまだです。

 少し目を離すと、すぐに強く速くなってしまいます。

 お釣りが出るような動きをする必要はなし。

 ゆっくり静かに丁寧に稽古をしましょう。

 

カジタさん

 居合刀をお貸ししました。

  カジタさんの居合刀は、二尺八寸。樋なし。重いです。

  横浜支部長の居合刀も、二尺八寸。樋あり。軽いです。

 重い刀の方が、稽古はしやすい。

 でもそれは、ある程度わかっている人の話で。

 まだできていないと、道をそれやすい。

 とくに抜き付け。重いと、しっかりと握り込んでしまいやすい。

 そうすると、手の内がしんでしまいます。

 横浜支部長の居合刀も、樋があるとは言え、それなりの重さです。

 でもそれを、軽いですねえ。とカジタさん。さすがです。

 

 抜き付け、斬撃、血振るいはすべて同じ手の内です。

 ですが、

  斬撃は、垂直方向への運動。重力をそのまま利用できます。

  血振るいは、斜め下方向への運動。重力を利用できます。

  抜き付けは、水平方向への運動。重力を利用できない。

 なので容易さは、斬撃>血振るい>抜き付け でしょう。

 

 水平の抜き付けが一番難しい。

 斬撃や血振るいから学べると良いのですが。

 それぞれを別個の動きと考えていると、難しいでしょうね。

 単に方向の違いだけなのですが。

 軽い刀で安心して稽古して、それを重い刀にフィードバック。

 そんな方法もありでしょう。

 私は、お土産の木刀やおもちゃのプラ刀でも稽古をしました。

 それぞれで気付きを得ることができました。

 なんでも、良い稽古になります。もちろん、素手でも。

------------------------------

定刻をほんの少し過ぎて、稽古終了。

雨はやんでいました。

 

貫汪館では、居合、剣術、柔術の三流派を稽古しています。

そのため、稽古に必要な道具がとても多いです。

 

道着に袴、帯に足袋、雪駄はもちろん。

定寸の木刀に鞘、大石神影流の木刀に鞘、居合刀、

六尺棒、半棒、小棒、小太刀、鎖鎌、分童、十手、

剣道の竹刀と防具、

紋付き袴、、。

そしてそれらを持ち運びするための袋やケースなどなど。

 

すべてをそろえようと思えば、かなりの出費になります。

そのため、入会金と年会費もなしにしています。

#少しでも負担が少ないように、という考えからです。

道具をそろえるのも、最初は必要最小限でとどめています。

道着と袴も、こちらからは用意するようには言いません。

それでも皆さん、ご自分から用意をされます。

これも一つの、やる気のあらわれでしょう。

いつまでも、なにも自分でそろえようとしないのでは。。。

 

最初に道具一式をそろえて、あとはそれっきり。

というのは、どこの世界にもある話ですね。竜頭蛇尾

最初に気合が入り過ぎると、逆に長続きしないものです。

稽古を続けて行く中で、一つずつ道具をそろえて行く。

まだまだやることはたくさんあります。

これからが楽しみですね。

 

道着と袴ひとつで、そんな想いを馳せる稽古でした。

 

来週も通常通りの稽古です。

 

<<前の日記:貫汪館 古武道講習会 H30.9.22-24

 

>>次の日記:大森流