言葉に依らない稽古

今日も今日とて、大量の棒に刀に木刀を担いで黒道衣で体育館へ。

そろそろ、町の名物にならないかなー、なんて思ったりもして。

そうすれば、道場の宣伝にもなるし。

でもなかなかどうして、大して人の目は引いていないようです。

たまにすれ違った小学生が、剣道だ!みたいに言うくらい。

弓道だ!と言われたこともあります。長い棒を持っているから?

でも矢筒を持っていないぞ、少年よ。

それに棒は、弓と違ってまっすぐだし。まだまだ甘いな!ふふ。。。

 

一般の人には、剣道も居合道も区別がつかないですよね。

私らの目には、剣道か居合か弓道か薙刀かはすぐに判別がつきます。

同じような白道衣でも、空手か柔道か少林寺拳法の区別もつきます。

体つきや目つき、歩き方、雰囲気。そういったものも違いますね。

見学と称して素人に扮して偵察に来ても、ぷんぷんと匂うものです。

 

§持ち物による判別方法;

黒い革袋を担いで小さめのカバンを持っていたら・→居合道

幅広のまっすぐな袋を担いで防具を持っていたら・→剣道

長くてちょっと曲がった袋と、矢筒を持っていたら→弓道

長くて先だけ曲がった袋と、防具を持っていたら・→薙刀

短くてまっすぐな袋と小さなカバン・・・・・・・→太極拳/太極剣

長くてまっすぐな袋と短い袋と小さなカバン・・・→中国武術(長拳等)

その他→ギター、ゴルフ、ラクロス、釣り、製図ケース、などなど

※体格や雰囲気による判別方法は、ここには記さず。

 

閑話休題

 

体育館に到着すると、

カジタさん、ヒカルくん、ハセガワさん、テヅカさん、ユウトくん、

それにオーガストさん(二回目の体験です)の姿あり。

少し遅れて、ノブフミくん、コウジくん(前回から入会の兄弟)。

 

リオンちゃん、タガワさん、マキちゃん、ショウタロウくんお休み。

皆さん、いろいろとご都合がおありです。

毎回参加ができればベストですが、なかなかそうも行きません。

無理のない範囲で、細く長く稽古を続けていただければと思います。

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<澁川一流柔術>

 

○棒廻し

下から上に跳ね上げる。真ん中を持つ。両手は離さない。顔は前。

などなど。。。いつも同じです。

暑かったので、いつもより少し短めに切り上げました。

 

○六尺棒表

前に立って、全員で素振り。いつもどおり一本目。

続いて、二本目。最初に立てる位置と、最後に突く場所が違う。

続いて、三本目。最初に立てる位置と、最後に突く位置が違う。

このビミョーな差は、さすがに言葉で説明しないと通じにくい。

最初に立てる位置はともかく、最後に突く位置はとくに。

実際に突かれてみれば、言われるまでもないのでしょうが。

こういうときは、言葉で説明。うん、たまには必要に応じて。

 

続いて、回り稽古。

ちょうど8人だったので、横浜支部長は輪から外れて号令だけ。

一本目から三本目を一回ずつ。三回やると、交代です。

8回やって一周、最後にもう1回。3本×9人=合計27回

三本の違いをきちんと意識して稽古しましょう。

 

オーガストさん

きちんと相手に合わせて、目、額、喉を突いていました。

相手が大人のときは、大人に合わせて。

相手が子供のときは、子供に合わせて。

日本人同士で日本語で説明を受けていても。

自分勝手好き勝手わがまま放題に動く人もいますね。

見習わなければなりません。

 

ここで、タカマサくんご到着。

少し待ってもらって、次の半棒から参加です。

 

○半棒表

一本目 立会

横浜支部長が示範して、打太刀で元に立って、掛かり稽古方式で。

人数はまあまあいましたが、初心者から上級者まで一緒に。

待ち時間が少し長くなりますが、見るのも稽古です。

それに暑いから、ちょうどいい休憩にもなるかも。

熱中症は困りますので。

 

続いて二本目 指棒

横浜支部長の示範はせずに、先頭のヒカルくんがお手本です。

うん、さすが一番弟子。お上手です。

きちんと斜めに受けること。

巻き込みは、鍔元へ滑り込ませるように。

打ち込みは、左足です。きちんと頭を打つこと。まっすぐに。

 

続いて三本目 引棒

二本目と対になる形。

請けるのではなく、外す。左回転ではなく、右回転。

あとは同じです。

きちんと避けないと、右肩を斬られてしまいます。ご注意を。

 

オーガストさん、見よう見まねで稽古されていました。

でも、とってもお上手で。

間や間合いは、西洋剣術とも通じるのかもしれませんね。

言葉による説明は、まったく不要でした。

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<大石神影流剣術>

 

○構え素振り

右足を半歩踏み出しながら、右手を下から柄に掛ける。

刀を抜き出し、静かに下ろしながら、左手を柄に添える。

中段の構え。真剣

 

一気に初心者が増えたこともあって、少し言葉で説明。

でも、言葉で説明されないとわからない人たちは。

言われると直すけれど、少したつとまた元に戻り。

また言われるとまた直すけれど、またすぐに元に戻り。

そんな感じですよね。

 

きちんと見ている人は、言われなくても直します。

言われる前に直す。言われれば、一度で覚える。忘れない。

そんな感じでしょうか。

要は、集中力。真剣さ。本気。覚悟。そういうもの。

 

他の構えも同じ。

ちょっと見えにくいところ、気付きにくいところ。

あるいは内面の心の働き。

そういった部分は、言葉で説明を行います。

でもそれは、あくまでも補助。

言葉が中心ではない。

見ようとしていて見えなかった部分。

それを言葉で補ってもらえれば、すっと得心できて。

そもそも見る気もなければ、言われても右から左で。

今週はできても、来週にはできず。

きっと、どこかに置いてきてしまうのでしょう。

え、大事だから金庫にしまってきましたって? あは

でも稽古してナンボです。どんどん稽古しましょう。

 

○試合口

一本目と二本目を示範して、二人一組で稽古。

横浜支部長は、オーガストさんのお相手。

まっすぐ下がらず、どこかで見たような体構え。

うん、ヨーロピアン剣術!

でも、間と間合いはとても素晴らしい。さすがです。

日本の剣術の風格は、おいおい覚えていただきましょう。

 

ああ、そういえば。

六尺棒は回り稽古をしています。

でも剣術のときは、相手を固定して動いていませんね。

試合口は、手数はシンプルですが、時間は意外に掛かります。

毎回、間合いを切るので、寄る/離れる。位を見る。

剣を合わせて、残心。などなど。

なので回り稽古にはあまり向いていないかなあ、、、なんて。

でもまあ、今度やってみましょう。

 

7時ちょうどにいったん稽古終了。

テヅカさんとユウトくん、美人の奥さん/お母さんのお迎えでお帰りに。

お疲れさまでした。

タカマサくん、いつもニコニコ笑顔のお父さんのお迎えでお帰りに。

お疲れさまでした。

 

ノブフミくんとコウジくん、いったん帰ったのですが。。。

困り笑顔の美人お母さんと一緒に戻ってきました。あれ?

お兄ちゃんは、間違えた!と言っていましたが。。。

帰る予定が、やっぱりウラナゲをやりたいから帰ってきた?

あは。お母さん、スミマセン。しばし、お待ちください。

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<澁川一流柔術>

・・・ということで。

カジタさん、ヒカルくん、ハセガワさん、オーガストさん、

ノブフミくん、コウジくんの6人で稽古です。

 

○履形

礼式は、二人一組で稽古。

押すことばかりを考えず。動作の一つ一つを大事に動きましょう。

 

続く形は、マットの上で掛かり稽古方式で。

最初に皆に一度ずつ、技を掛けて差し上げて。

なにをやるかをよく見て。やられた感じをよく覚えて。

自分の番のときに、それを再現しましょう。

 

今回は、裏投と巻返だけ。大事な二本です。

とは言え。巻返は、ちょっと難しいですかねえ。。。

どうしても、捻付のようになってしまいますね。

同じような形を関連して覚えるより。

全然関係ない形の方が、楽しく稽古できるのかもですね。

出雲大社奉納演武のあとは、また考えましょう。

 

7時30分に終了。

ノブフミくんとコウジくん、今度こそお帰りです。

お母さんも、お疲れさまでした。

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<無双神伝英信流抜刀兵法>

今週は、オーガストさんにきちんと声掛けをして。

居合も稽古をしてもらうことにしました。

 

○大森流十一本

○英信流表三本

カジタさん、ヒカルくん、ハセガワさんの三人に抜いてもらい。

オーガストさんには見取り稽古をしてもらいました。

例によって、とくになんの説明もせず。

居合なんて、知らない人には何をしているのか???でしょう。

でも、それでも。

 

まずは貫汪館の無双神伝英信流抜刀兵法を見てもらう。

見てそれで、退屈だ。興味がわかない。やりたくない。

そう思ったのなら、それまでです。

別に無理に稽古をしてもらう必要はありません。

その場合は、他の道場へお越しいただければそれで良いこと。

価値観が合うかどうか。それが一番大事なことです。

派手に動き、大きな刃音を立て、床を踏み抜き、見栄を切り。

そういう居合の道場は、他にいくらでもあるでしょう。

地味な黒の道衣で、ゆっくり静かに動く。

それが、貫汪館の居合です。

 

カジタさん、ハセガワさんには出雲大社奉納演武の稽古を。

初発刀、左刀、右刀、横雲、稲妻、虎乱刀、抜打の七本です。

ヒカルくん、喉が痛くて休憩。お大事に。

 

オーガストさん、初発刀を稽古してもらいました。

大石神影流剣術の鞘付き木刀を、腰に巻いたタオルに差して。

身長は約6フィート。二尺八寸二分の木刀はちょうど良い長さです。

とくに説明もせず、向かい合って真似をしてもらいます。

袴さばきは、半ズボンのポケットに手を入れて真似をされて。

うん、真摯な稽古ですね。

 

のっといぇっと、のっとぐっと、いえす。そんな単語だけ使って。

居合の稽古は、おそらく初めてのはずです。それでも。

 ゆっくり静かに動く。無理をしない。

 刀の重さを遣う。腕の力は使わない。

 呼吸に合わせて動く。

そこまでをご理解いただけたようです。素晴らしい。

素質がおありですね。

何回か一緒に抜いて、そのあとしばらく一人で稽古をしてもらいました。

最後に、カジタさんとハセガワさんの前で一人で抜いてもらい。

いやー、実にご立派。堂々としたもので。お上手でした。

見習わなければなりませんね。

 

他の武道、他の道場でも、外国の方と稽古をしたことがあります。

日本語がまったくわからない方たち。

でも日本人の師範は、日本語で説明をして。通訳もなし。

でも、その方たちはきちんと稽古をされていました。

言葉をあてにしていないので、しっかりと見ているのでしょう。

あとで誰かが教えてくれる。そんな甘えもなし。

1週間以上の有給休暇を取って、飛行機で単身、日本へ。

そりゃーもー、覚悟が違うってもんですよねぇ。。。

その一方で。師範の示範とはまったく違う動きをする日本人たち。

それも、素人や初心者ではなく、黒帯のベテランさんたちがです。

何を聞き、何を見て、何を考えているのでしょうか。

あるいは三猿?

なにも見ず、なにも聞かず、なにも考えず。

ただ、漠然と体だけを動かして。いやー、いい汗をかいたなあ!!

ってなもんでしょうか。。。

 

10年、20年稽古をする。それはたしかに覚悟が必要です。

でも。日本に住んでいても、いつ母国に帰るかわからない。

だから、数年ですべてを身につけようとする。

果たして、どちらが覚悟が上なのでしょうか。

言葉だけでは、本当のところはわかりませんね。

その人の本心次第でしょう。

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8時30分を少し過ぎて、稽古終了。

 

オーガストさん、来週はお仕事でお休み。

再来週は、横浜市長選挙で稽古なし。

再々来週は、横浜支部長が不在のため自主稽古。

再々々来週から、また参加予定です。

お待ちしています。

 

あ、そうそう。

そろそろ、蚊が大量に出没し始めました。

扇風機の風で追い払ってはいますが、万能ではなし。

動いている間は良いのですが、じっとしていると、ぷ~んと。

剣術の構えはじっとしていますので、とくにヤバゲです。

とくに、お子さん方のむき出しの足や腕にたかる様子。

保護者の皆様は、虫よけスプレーなどご用意いただければと思います。

 

来週も通常通りの稽古です。

 

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