横浜講習会9 無双神伝英信流抜刀兵法(詰合)&澁川一流柔術(四留)

平成29年3月25日(土)、横浜講習会を開催いたしました。 

講師はいつもどおり、貫汪館館長です。

今回も地元神奈川、東京からご参加いただくことができました。

また、おなじみの方に加え、初参加の方もお越しくださいました。

そして横浜支部の門人はもちろん、名古屋西支部長もご参加です。

 

講習会の内容は、

前半が無双神伝英信流抜刀兵法 詰合

後半が澁川一流柔術 四留

です。

 

午後1時から5時までの約4時間、間に休憩をはさんで2時間弱ずつ。

詰合は十一本すべて、四留も十四本すべてを稽古することができました。

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詰合は、相手を付けて行う形のグループの一つです。

居合、剣術、柔術の三要素を含みます。

前半は座姿勢、後半は立姿勢という構成になっています。

そして真ん中の一本は、自分が座姿勢、相手が立姿勢です。

大森流、英信流表、太刀打に続いて稽古をする中級者用の形です。

 

無双神伝英信流抜刀兵法には、相手を付けて行う形は他にも、

太刀打と大小詰(大小立詰)があります。

しかし、

 太刀打は剣術技法で、立ち技のみ

 大小詰は柔術技法で、座り技のみ(立ち技のみ)

で構成されています。

詰合は、多種多様な内容を含んでいる形のグループと言えるでしょう。

稽古をしていて、最も楽しい形の一つです。

 

無双神伝英信流抜刀兵法には、一人で刀の抜き納めをする形もあります。

大森流、英信流表、英信流奥の形のグループがそうです。

しかしこれらは素抜き抜刀術と呼ばれ、

無双神伝英信流抜刀兵法の一部でしかありません。

現代居合道の多くがいわゆるこの素抜き抜刀術のみを稽古するのとは、

大きな違いの一つと言えるかもしれません。

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四留は、受けが両手で捕りの両手首を握って押してくるのを制す

形のグループです。

澁川一流柔術では、履形、吉掛、込入、打込、両懐剣、互棒に続いて、

7番目に稽古をします。

やはり、中級者用の形のグループということができるでしょう。

 

しかし、両手で両手を捕るので間合の感覚をつかみやすく、

捕りが受けを崩す感覚を養うのにも適しています。

そのため、初心のうちから稽古をしても高い効果があることでしょう。

技法の多くは、履形などと変わることはありません。

状況が変わっても、同じ原理原則で動くことができるか。

その試金石と言えるかもしれません。

 

それとは逆に、四留に先立って稽古をする打込、両懐剣、互棒は、

 懐剣で切り掛かられるのを素手で制する、

 両手の懐剣で切り掛かられるのを素手で制する、

 懐剣で切り掛かられるのを短い棒で制する、

といった道具を遣う形のグループです。

現代の一般的な感覚では上級者向けに分類されるかもしれません。

こういった点も、現代武道と古武道の違いかもしれません。

 

横浜講習会では、こういった順序にはこだわらずに稽古をしています。

いろいろな方に、いろいろな形を経験してもらうことが目的の一つです。

館長に直接ご指導をいただくことができる貴重な機会でもあります。

今回の講習会に参加された方は、

この経験を今後のご自身の稽古に活かしていただければと思います。

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今回の会場は、前回と同じ集会所のホールでした。

体育館とは異なり、比較的狭く密閉された室内のため、

寒さもあまり感じません。

暖かい陽気ともあいまって、途中からはうっすらと汗ばむほどでした。

 

横浜支部では、現在は太刀打や詰合の稽古をしていません。

そして大石神影流剣術は、専用の長い木刀で稽古をしています。

今回の詰合は、定寸の鞘木刀で稽古をしていただきました。

普段とは違う長さ、重さの木刀です。短くて、軽い。

まして流派が異なりますので、技法も当然に異なります。

また新しい発見があると良いですね。

 

素手と素手の柔術は、皆さんお気に入りのようです。

普段の稽古では、なかなか時間を取ることができずにいます。

今回は後半の2時間弱だけでしたが、きっと楽しめたことと思います。

畳ではなく、板の間や土間でもなく、フローリングでの稽古でした。

受け身が心配でしたが、事故やケガもなく終えることができました。

今後も、丁寧な稽古を積み重ねていただきたいと思います。

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横浜支部長は、館長の示範の打太刀と受けを務めました。

しかし、四留の両手で両手首を握る動作がまともにできず。

握るたびに館長からダメ出しを受けました。

 

講習会後、あざみ野でお茶をしながら、館長に教えを乞いました。

そして繰り返しご説明をいただき、ようやく得心することができました。

しかし、だからと言ってすぐにできるものではなし。

これからも稽古を積んで行こうと思います。

 

それにしても。履形、吉掛、込入、、、と稽古をしてきて。

四留で初めて受けが捕りの手を掴む理由がわかったような気がします。

突く、切り掛かる、襟を掴む。

受けが直接、捕りの手をつかむことは、これまではありませんでした。

 

それほどまでに難しい動作。

それほどに、今まで無頓着だったということ。

そして、受けが捕りの手を取れないということは。

捕りで受けの手を取ることもできていないということに他なりません。

一から稽古をやり直さなければなりません。

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今回、飲み物を持参されなかった方が多数いらっしゃいました。

会場には残念ながら、飲料の自動販売機などはなし。

急きょ、美人秘書に飲み物の補給をお願いしました。

 

講習会の際には、館長と名古屋西支部長を拙宅にお招きしています。

毎日、仕事と家事で忙しい中、貴重な休みに事前の準備や片付けなど。

事前には細かな予定も立たず、当日の急な変更にも文句も言わず。

臨機応変に対応をしてくれています。

横浜講習会が開催できるのは、そのお蔭と言っても過言ではありません。

いつも本当に感謝しています。

 

横浜支部の門人は、参加者であると同時に、主催者側でもあります。

いつもスムーズな運営にご協力いただきありがとうございます。

 

名古屋西支部長も、このためだけにお越しいただいています。

いつもありがとうございます。

 

最後になりますが、遠く広島からお越しくださり、

熱心に御指導くださった貫汪館館長に、心より御礼申し上げます。

ありがとうございました。

 

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