好事魔多し

いつもどおり道具を担いで家を出ると、携帯に着信あり。

普段はPCにメールをいただいて、急ぎのときは携帯にメール。

#横浜支部長はいまだにガラケーで、ご不便をおかけしています。

でもって携帯に電話ということは、緊急事態でしょう。

すわ、ナニゴトカ?と電話に出ると、

体育館を利用している団体がいて、6時30分まで利用とのコト。

いや、そんなはずはないんですが。。。と答えて電話を切ります。

でも歩きながら、あれ? そういえば。。。

なんか、そんなのが何回かあったような。。。

でもって、皆さんにはその旨をお伝えしていないかも?

っていうか、自分がすっかり忘れてたし!

やっべ、やっべ、やっべえぞ! コロチキ

 

急いで学校へ到着すると、なぜか校門の前にパトカーが三台。

うろうろしている警察官を横目に、体育館へ。

#普段なら気になるところですが、今はそれどころではなし。

黒づくめで刀と棒を担いだ男が一人、夜の小学校に。でも、

ワタシワアヤシイモノデワアリマセン

 

体育館には明かりがついて、玄関には靴がいっぱい。

内扉は締まっていましたが、中では元気に活動中の様子。

 

絶賛待ちぼうけ中だった横浜支部の皆さんにご挨拶。

門人さんにスマホでHPを確認してもらうと(なんて便利!)、

やはり稽古予定は18時30分からになっていると。来週も。

ハイ、すみません。私のせいです。ゴメンナサイ。。。

団体さんとはお話済みで、少し早目に上がってくださるとのこと。

あいすみません。。。

 

そんなわけで皆で待機していると、警察官がいらっしゃり。

不審者通報があったとかなんだとか。

ワレワレハアヤシイモノデハアリマセン。と説明

とりま事無きを得ました。無を得る。哲学的

 

そんなこんなをしていると。

新しく入った男の子とお父さんが少し遅れて到着。

#今日はお姉さんはお休みとのこと。

どうやら、お母さんがいないので男の子がぐずっている様子。

なんとかなだめて、男の子は見学、お父さんは稽古ということに。

まだ就学前の男の子です。そんなこともあるでしょう。

小さなお子さんを受け入れている段階で、すでに想定済みのこと。

お気にされることはありません。

 

でもって、皆さんに佐賀のお土産をお渡ししました。

小城は羊羹が名物らしいです。

 

そんなこんなで、いつもよりバタバタして、少し遅れて。

さて、稽古開始です。

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|新参の方の稽古|

 

<澁川一流柔術>

○棒廻し

 今までは横に並んで、縦に前後していました。

 でも人数が多くなって、ちょっとやりにくくなりました。

 今回は、縦に並んで、横に前後してもらいました。横に前後?

 うん、いいですね。そもそもそんなに長く前後する必要はなし。

 初心者は手前で、上級者は奥で。

 

 上級者には、声だけ掛けて、あとは自分で廻してもらいます。

 言うことはいつも同じ。あとは本人がやるかどうか。

 ただ、それだけです。

  馬を水飲み場まで連れて行くことはできるが、

  水を飲ませることはできない。

 なんて、ことわざもあるみたいです。

#でもまあ、それならそれで。飲みたくなるように、

 喉を渇かせればいいだけのことですけれどもね。ふふ

 

 初心者二人の横について、あれこれと。

 横を向いて、両手で棒の中央を持つ。親指が向かい合うように。

 下から跳ね上げるのだから、持ち替える手はこっち。逆は無理。

 だから、そのままクルクルと回転。

 でもって、とりあえず反対を向いて。

 左右が逆なだけで、動きは同じですね。はい。

 

 それよりなにより、左右の切り替えが難しい。

 でも、片手で八の字を描くのと同じこと。右手でも、左手でも。

 それを両手で行うだけのこと。バトンタッチ。

 初期条件と要求だけ与えて、解決策は自分で模索を。

 それが楽しいのかと思います。

 与えられた答えをただなぞるだけでは。ねえ?

 

 勉強ではなく学問が良いですね。

 勉めて強いる(つとめて、しいる)のではなくて。

 学び問う(まなび、とう)。

 他から強制されるのではなく、自ら求める。主体性

 

○六尺棒表

 一本目は何回か稽古しました。二本目、三本目も同じこと。

 初心者と上級者が一緒に、回り稽古。

 

 初心者と上級者、初心者同士、上級者同士。

 ゆっくりやったり、速くやったり。強くやったり、弱くやったり。

 相手に合わせて、加減をしましょう。

 自分より弱い相手に、力で勝っても。

 そんなことは、稽古をするまでもないことでしょう。ねえ?

 いくらでも強く、いくらでも弱く。

 いくらでも速く、いくらでも遅く。

 その幅の広さが大事なのかなと思います。

 間に合うこと。間が合うこと。調和

 

 初心者も上級者も同じ動作を稽古しています。

 初心者同士なら遅く、上級者同士なら早いのが自然。

 でももしも、同時に終わるとしたら?

 初心者が早いのか、上級者が遅いのか。

 いずれにしろ、決して良いことではないでしょう。

 上級者同士の組が、敢えて遅くしているのでなければ。

 おそらく、初心者が雑な稽古をしている証です。

 遅くなってはいけない、同時に終わらなければ、と。

 そんな必要はないのです。見栄や世間体はここでは不要。

 正直な稽古をしましょう。誠実に。実のある稽古を。

 

 ここで男の子のお母さんがお越しになり。

 男の子、気を取り直して稽古に参加です。

 

○半棒表

 大人同士、子供同士でペアになって一本目だけ稽古。

 男の子は、一番弟子と二番弟子が面倒を見てくれました。

 いいですね。お兄ちゃんお姉ちゃんが弟の面倒を見る。

 血のつながりはなくても、兄弟子、姉弟子、弟弟子です。

 でも、あまり細かいことばかり教えすぎないように。

 まずは、体を動かすことが大事です。

 

 大人同士。つい質問が口をついて出ます。

 それは、やる気のあらわれ。向上心のあらわれ。

 もちろん、基本的には良いことです。

 でも、まずは言われたことができているのかどうか?

  100の直すべきことのうち

   10の重要なことのうち

    1の最重要課題

 をお伝えしています。

 それをやりもせず、自分のやりたいことをやる。それでは。。。

  100回やったら、1回質問して良いです。

 とお伝えしました。チョット言い過ぎ?

 やって間違えていたら、指摘します。ダメなら直します。

 でも、私は皆さんの体を動かすことはできません。

 まずは、ご自分の体を動かしてください。

 すべてはそれからです。

 

 その後、皆でやはり一本目だけ回り稽古をしました。

 六尺棒表の回り稽古は、全員で輪になってグルグルと。

 でも、半棒表は上級者が打太刀で、初心者が半棒。

 上級者は動かず、初心者だけが移動します。

 横に一つずれるときは良いのだけれど。

 はじっこの人は、反対側へダッシュ!

 なんか楽しいのは、それを見ている私だけ?

 

 自分より大きな打太刀、小さな打太刀。

 強い、弱い。速い、遅い。遠い、近い。。。

 いろいろですね。それぞれで、それぞれを稽古しましょう。

 なんて贅沢な稽古でしょうか。

 新参の方は、相手をしてくれる古参の方へ感謝をお忘れなく。

 

 ここで、男の子とお母さんはお帰りに。

 時間もだいぶ押してしまいました。すみません。

 

<大石神影流剣術>

○構え

 真剣、上段、附け、下段

 初心者中心の稽古です。とりあえず、四つだけ。

 まずは剣に慣れましょう。力まないことが大事です。

 そろそろ、他の構えもやりましょう。

 

○素振り

 呼吸に合わせて剣を上下。

 

 振りかぶった形は、上段の構えと同じ。

 でも構えのように、大きく左から半円を描きはしません。

 体の正面中心を、まっすぐ上下。

 振りかぶったときには、剣先は斜め右上を向き。

 振り下ろすときは、剣は正面中心をまっすぐ通る。

 左右にずれたり、ぐらぐらしたりしないように。

 ゆっくり。そして、まっすぐ。

 

○試合口

 半棒と同じように、上級者が打太刀で、初心者が仕太刀。

 

 一本目と、今回は二本目も稽古。

 左右が逆なだけで、同じ動きです。とは言え。

 剣を持つ手は右手が前、左手が後ろで変わらず。

 足も右が前で、左が後ろで変わらず。

 なので、まったく同じではありません。

 半棒表の右流と左流のような、鏡対称ではない。

#厳密に言えば、右流と左流も打太刀が対称性を破っています。

 ねじれが出ないよう、ゆがみが出ないよう。

 左右が逆でも、同じに動く。そのためには違う部分が必要。

 違うから同じになる。同じだから違うことになる。

 大森流の十一本にも通じる考え方かもしれません。

 

 請けて、張って、突く。ただ、それだけ。

 基本の動きです。きちんと稽古しましょう。

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|古参の方の稽古|

 

<澁川一流柔術>

○六尺棒表

 一番弟子のお父さん。最後の突きが課題ですよね。

 少しアドバイス。

 速くする必要はない。でも遅くする必要もない。

 のに、遅くしているから遅くなるのです。とうのぜん。

 車が道を曲がるとき、スピードを落としますよね。

 無意識にそんな動きをしているのかもしれません。

 日常の常識的なイメージでしょう。

 

 でも私の中では、重力ターン。スイングバイ

 あるいは、磁石の横を通過する鉄球の動き。

 減速などせずでも滑らかに、すいっとカーブ。

 どちらかと言えば、やや加速するくらい。

 そんなイメージです。サイクロイド

#いや、実際は減速するんですかね?

 あくまでイメージです、イメージ。。。

 

 速くする必要はない。でも、遅くする必要はもっとない。

 大事なことなので、二回書きました。

 そゆことです。と思います。

 

○六尺棒裏

 打方の突きが、皆さん苦手ですね。

 でもこれ、別に表の突きと同じ動きなんですけれどもね。

 足を動かさずに、その場で突く。

 後ろ足を踏み出して体の左右を変えながら、突く。

 ただ、それだけの違いです。

 

○棒廻し

 真ん中を持って廻すだけではありません。

 手を滑らせて、真ん中から端へ、端から真ん中へ。

 長刀の稽古をするとよくわかるかもしれません。

 要は、滑らせて自由に動かすこと。自在に遣うこと。

 それが、突きの動きにつながります。

 それは、表でも裏でも同じことです。

 

 馬鹿正直にただ真ん中だけを持って廻すだけでなく。

 いろいろと自由に試しましょう。

 もう初心者ではないのですから。

 

<無双神伝英信流抜刀兵法>

○大森流

 十一本そろい抜き。

 

 初発刀は右足、左刀は左足、右刀は右足、當刀は左足、

 陰陽進退はまた右足から左足、

 流刀は左足、順刀は右足、逆刀は左足?、勢中刀は右足、

 虎乱刀は右左右左・・・、抜打はその場。

 

 要は、右、左、右、左、右、左・・・。

 そゆことかと思います。つまりは稽古の方便。

 ホントウに、よくできていますよね。<大森流

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8時30分を大きく回って稽古終了。

それでも、古参の方の稽古はだいぶ駆け足でした。

 

今回は、新参のお父さんは二人とも最後まで見学されました。

遅くなって怒られませんか?とお聞きすると、

ちゃんと最後まで見て来いと言われていると。

あは。それもそうですね。良い考え方です。

いずれ、新参も古参もなく一緒に稽古しましょう。

それまで、あらかじめ見学しておくのは良いことです。

見取り稽古は、大事な稽古の一つです。

 

横浜支部長、途中からセキをゴホゴホと。

皆さん、うつされないようにご注意ください。

勝手でスミマセン。。。

 

それにしても今回。

稽古時間を間違えて、おまわりさんが来て、

男の子がちょっとぐずっちゃったりなんかして。

いきなりハプニングがたくさんでした。

そんなわけで、好事魔多し

え? それは、単にハプニングが多いという意味ではなくて、

よいことにはじゃまが入りやすい。という意味だろうって?

そうです。

皆さんと稽古ができる。

それはとっても、良いことじゃあないですか。

だから、好事魔多し。

多少のことは、気にならないってものです。

 

いやー、それにしても。

書くことって減らないものですねえ。

それどころか、増えるばかり。。。

でも、稽古する人が倍に増えて、やることも増えて。

同じ内容でも、より一層深くなって。

そりゃあ、増えこそすれ、減りはしないってものです。

困りましたねぇ。。。

来週は三行くらいにまとめてみましょうか。

→ゼッタイ、ムリ!ですよね。とほほ。。。

 

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