応じるということ

先週は大牟田市熊野神社奉納演武で、横浜支部の稽古はなし。

二週間ぶりの稽古です。

貫汪館の行事はやはり土日が多いですから、

その際には稽古がつぶれてしまい、申し訳なく思っています。

でもその分、稽古ができるときには密度の濃い稽古をしましょう。


ちなみに先週の土曜は、中学校の体育祭でした。

一年生のときは応援に行けないジンクス発動かと思いきや、

雨で今週の木曜に延期になり。

木曜は仕事をやりくりしてなんとか休みを取り、

無事に応援に行くことができました。よかったよかった。


一昨年、貫汪館初の合宿で広島から島根へ向かうとき、

前が見えないほどの大雨になりました。

それ以来、雨にご縁があるように感じています。

館長と名古屋西支部長と私の三人で移動するときは、

どうもいつも雨のような。。。

館長と私だけのときはそんなことないので、

名古屋西支部長が雨おとk、ゲフンげふん。いやいや。

貫汪館のフルメンバーがそろう大きな行事のときには雨が降る、

ということなのかなと思っています。

雨は恵みの雨、清めの雨なのだそうです。竜王様の御力の顕れ。

貫汪館の名称はもちろん館長の剣号である<貫汪>が元ですが、

<汪>という字には水の意味があります。

きっと雨は吉兆なのでしょう。

雨は苦手だったのですが、最近はそうではなくなりました。


それにしても、館長の剣号は素晴らしいですよね。

館長のイメージにぴったりです。

自衛隊も海上なら尚更でしたが、航空というのも逆にまた。

雨は空から降ります。

守護神もお聞きして、あーやっぱり。と妙に納得してしまい。

以前から持っていたイメージとドンピシャリ!でした。

いかにも、さもありなん。。。

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澁川一流柔術


棒廻し

付きっきりであれこれうるさくダメ出ししているわけではなく。

もちろん、いつもじっと見てはいますが。

やることは単純ですから、一度動作を覚えてしまえば、

それ以上お教えすることはありません。

基本的に黙々と廻してもらっています。

それでも何も言わないのもどうかなと思って、

回りながら順番に一言ずつアドバイス。

人によってはそれでも煩く感じ、

人によっては物足りなく感じるかもしれません。

いずれにしろ、自分で繰り返し、感じ、気付き、考え、

工夫するしかありません。

指導は、文字通り指して導くこと。

できるのは、方向性を示すことだけです。

自分で稽古することがなにより大事です。

皆さん、稽古の成果があって、着実に上達されています。

うれしいことです。


半棒表 立会・指棒・引棒

いつも通り、掛かり稽古方式で。二週間ぶりですが、問題なし。

でもっていきない、そのまま三本目。

二本目と同じだけど、逆に回して、とだけお伝えして。

それでできてしまうのは、さすがですね。子供の頭の柔らかさ。

でも、後半の大人はもっとすごくて。

あえてお教えしなかった入り方も勝手にできてしまいました。

おそるべし。。。


二本目と同じ入りでは、逆に回すのは難しい。

だからこうやって入れば!と頭で考えたのか。

あるいは天才のヒラメキなのか、体が勝手に動いたのか。

それとも単に、間違えたのがたまたま合っていたのか。。。

実際がどうだったのかはわかりません。


個人的には、これは極めて自然なことかと思います。

でももし普段から型にガチガチに嵌める稽古をしていたら、

きっとこういうことはできなかったことでしょう。

とてもうれしく思います。

これからも、この方向性は大事にしたいと考えています。

決められた型を見事に演じるよりも、大事なこと。

自由な発想で、臨機応変に応じる、ということです。


最後に三本を通して示範して、終わりにしました。

示範が最後って、普通の稽古とは順番が逆かもしれませんね。あは

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大石神影流剱術


構え・素振り

いつもと同じように。構えのまま前後に動いたり。

構えは基本でもあり、手数の稽古の準備でもあります。

カッコイイポーズの練習をしている訳ではありません。

自由に動けるように。


附けの構えのまま三歩進み、

左から上段の小手を斬り、続けて左から廻して真っ向を斬る。

さて、何の動きでしょう。


陽之表 よう剣・げっ剣・無二剣

掛かり稽古方式で。

剣術も問題なく二本通して、さあ続けて三本目。

やっぱり示範なし。

こちらは上段に構え、附けに構えてもらいます。

いつもどおり、そのまま三歩。

右の小手を斬って、と言うと素直に斬ります。

何も言わずに払い落とします。

続けて真っ向を斬って、と言うと素直に斬ります。よしっ!

これで、三本目ができました。


実はさっき、素振りのときに稽古した動きです。

でも目の前に相手が立つと、途端にわからなくなってしまうかも。

目の前に相手がいても、相手がいないように。

目の前に相手がいなくても、相手がいるように。

基本にして、極意かもしれません。

なかなかそう簡単にはできませんが。

もちろん、自分に都合のよい相手の動きを想定したり、

相手がいるのに自分勝手に動くようでは困ります。

自然に応じる、ということが大事かと思います。


何回かやってもらってから、示範。

意識してゆっくり動きます。

速いイメージは、悪く作用することが多いようです。

手習いの最初は極めてゆっくり。

初め極めて静かに抜かざれば手移り悪し


三本目だけしばらく繰り返し。

何も言わなくても、自然と動作がスムースになっていきます。

脳と体に自然に備わった機能ですね。動作の最適化

言葉や理屈は、自然な上達を阻害するばかりな気がします。

理は内包されているもので、外から与えられるものではなし。

私としては、自得の手助けをするだけです。

無理矢理に外から型に嵌めたとしても、ただ歪むだけのことでしょう。

帳尻合わせは、望むところではありません。

 

言うことはいつもと同じ。

腕に力を入れないこと、流れに逆らわないこと、

中心をまっすぐ打つこと、最後に極めようとしないこと。

棒とまったく同じですね。斬る、打つの違いはありますが。


半棒は、皆さん個性的な動きをされるのでとても楽しいです。

いずれの方も、理に合っています。それで良いと思います。

突然、上達された方もいらしたり。面白いですね。

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無双神伝英信流


大森流 初発刀・左刀・右刀・當刀

いつも通りそろい抜き。

初発刀にこだわらず、三本を通して抜きます。

さて、半棒で新しい業をやって、剣術でも新しい業をやって。

やっぱり居合でも新しい業デスヨネ!

さて、やっと、ついに、とうとう、當刀(あれ?)。

 

毎週、三本ずつ新しい業。

棒だけいきなり三本とか、剣だけ三本、居合だけ三本だと、

もしかしたら覚えるのは難しいかもしれません。

でも、棒と剣と居合で一本ずつだと、けっこう覚えられたり。

これも、脳の面白い仕組みの一つかもしれませんね。

単に、ケーキは別腹、という程度のことなのかもしれませんが。

ケーキ別腹理論。うーん。。。


一本目は、前を向いて座り、前を斬りました。

二本目は、右を向いて座り、前を斬りました。

三本目は、左を向いて座り、前を斬りました。

さて、四本目は?

そう、御明察。後ろを向いて座り、前を斬ります。

さあ、後ろを向いて座って。

新しい業なのに、例によって示範なし。

皆さん戸惑いながらも後ろを向いて座ります。

でもって、はい、どうぞ。

習ってません、知りません、わかりません、できません、

ちゃんと教えれ! なんておっしゃる方は一人もおらず。

横浜支部長には何を言ってもムダとおわかりなのでしょう。


皆さん黙って、前に向き直って抜きつけ、振りかぶり、斬撃、

血振るい、納刀。

素晴らしい!よくできました。

今まで、間違えたからと怒ったことなどないですし、

きっとこれからもないことと思います。

まず、やってみる。大事なことかと思います。

ただじっとしていたら、斬られてしまいます。

とにもかくにも、まずは応じることです。


さてさて、それはさておき、業の中身。

皆さん、右回りに正面に向き直って抜き付けをされました。

綺麗に揃っていて、見ていて面白かったくらいです。

一人くらいは左回りしないかなと期待していたのですが。

やはり右回りの方が、自然で楽なのでしょうか。

学校体育でも、回れ右と習いますし。

右回りでもいいんですが、左回りしてください。

とお伝えしました。

右回りではなく左回りする理由も、二つほどご説明して。

最初に後ろへ向く方法も、少し特徴的かもしれません。

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大森流は面白いですよね。

新しくできただけあって、体系がとてもシステマチックです。

昔は、林崎流の向身左身右身後身のコンセプトを受け継いで、

最初の四本があるのかと思っていました。

もちろんそういう考えもあったのかもしれません。

でも実際には、趣旨は大きく違います。

状況に応じて違う対応をするのか、

状況が違っても同じ対応を応用するのか。

裏腹の関係です。


流刀と勢中刀は右向き左向きに座りますが、

左刀と右刀が遣えれば別に用は足ります。

流刀と勢中刀も、別に右向き左向きに座る必要もなし。

他の業も正面向きでないと遣えないということでもなし。


最初の四本は、座る向きが違うだけの同じような業です。

それなのに、初発刀の換業口伝なんて位置付けでなく。

十本そこそこの形のグループの中に、最初に四本も!

くどくどと配置しています。

これが、大森流の基本コンセプトをよく表しています。

そして、林崎流とは根本的に違うのだ、

という主張のような気もします。

 

また、足を左右交互に均等に遣うように組み立てられた体系も、

座ったり立ったりするのも、足を踏み替えたりするのも、

極めて体育的に感じられます。モダンです。


英信流は、林崎流のコンセプトを受け継いで向身右身左身後身。

でもそれは表だけで、奥はまったく違いますし。

大小詰と大小立詰は、やはり向身右身左身後身ですね。

そういう意味では、大森流には後身はない、

と言えるのかもしれません。

だから、四本目はあえて後刀という名称ではないのかな、

なんて思ったりもして(これは違うか)。


大森流をただ単純に林崎流の系統と考えたり、

逆に英信流を大森流の延長で理解しようとしたり。

英信流の表と奥を、初心者用と上級者用と考えたり。

それはちょっとどうなんでしょうかねー。

なんて、ついつい考えたりしてしまうのです。


尤も上記はいずれも、あくまでも個人的な考えです。

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さて、これで皆さんに、大森流の基本となる最初の四本を

お伝えすることができました。

#本当は最初の四本ではなくて、一本目が基本ですね。

 そして大森流は、どれも初発刀の応用変化です。

これから、どしどし稽古してもらいたいと思います。


五本目も早く稽古したいですね。やはり初発刀の応用です。

大森流のコンセプトを、さらによく表しているように思います。

面白くて、カコイイ業です。

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今回、男の子が体調が良くないとのことで、途中ちょっと休憩。

もともと、お子さんだけのときには1時間だけの稽古でした。

大人の方が入って、やることもだんだん増えて。

稽古時間もだんだん伸びて、いつの間にやら2時間の稽古に。

稽古後には、大人の方も疲れてぐったりだとか。


お子さんに限らず、大人の方も、無理はせずに、

つらいときには遠慮せずに休んでほしいと思います。

無理、無駄は貫汪館の求めるところではありません。

疲れていて体調が悪くても、稽古をすると元気になる!

という日が、近いうちに来ると思いますので。

(早くそうなるといいですね。)

 

これからどんどん暑くなります。水分補給も忘れずに。

あ、そうそう。今回は扇風機を廻し、じゃなくて回しました。

暑さ対策というよりは、蚊対策です(これが実に効果的です)。

今後は、必要に応じて虫よけスプレーなどもご利用ください。

体育館は広いので、ベープはあまり効果的ではありません。

こういったことも、自由に柔軟に、

臨機応変に対応していただければと思います。

古武道を稽古するようになって、頭が固くなった。

というのでは困りますので。

 

来週は、通常どおりの稽古です。

  

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