相対稽古

4月は卯月うづき。

卯の花が咲くから卯月と言い、卯月に咲くから卯の花と呼び。

にわとりとたまごですね。居合の業の理合と想定のよう。


桜は満開となりましたが、せっかくの週末はどんよりで。

見頃と天気の良い週末がそう都合よく重なるわけもなく。

実際には平日の昼間なりに見に行けば良いわけですが、

なかなかそういうわけにもいかないのが悲しいところです。


繁忙期で、目が回る4月1日と2日3日もなんとかこなし。

(エイプリルフールとか、本当にやっている人いるんですかね?)

帰宅して食事をして食器を洗うと、もうバタンキューです。

かと言って週末になってものんびり休むこともできず。

中学校の通学用のカバンを買いに行くと、携帯に電話が。

誰ぞと応答すると、夜の稽古で利用予定の会場からでした。

事務所が5時で終わるから、カギを取りに来てくださいと。

あらまあ、聞いてないし。あと20分しかないし。出先だし。

でも超ダッシュでなんとかぎりぎり間に合いました。

カギを受け取って帰宅して、荷物を置いて仕度して。

一息つくと、もう着替えて出掛ける時間です。

会場がいつもと違うだけで、なにかとあるものですね。

(事前の予約に申込に利用料の支払も大変でした。)

 

6時に会場に到着すると、扉の前にはすでに皆さんの姿が。

お待たせしてしまい申し訳ありません。

皆さん初めての場所ですが、無事に辿り着けたようで良かったです。

あらかじめメールでグーグルマップのルートをお知らせしておきました。

役に立ったのなら良かったのですが。

照明のスイッチを探して明かりをつけて。

天井は高いのですが、狭い会場ですので周囲には気を付けて。

三つの障りとは言いますが、左、後ろ、上だけでなく前や右も。

正面には壁時計が掛かっているだけで、荷物が雑然と置かれ。

それでも、そちらを神座/上座として稽古を開始します。

大事なのは心の持ちようです。

神様は目には見えませんが、いつもそこにいらっしゃいます。

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いつもどおり棒廻しから。

今回、六尺棒をお貸しして、少し交代で廻してもらいました。

重くて廻しにくいと思うか、廻しやすいと思うか。

長くて廻しにくいと思うか、廻しやすいと思うか。

手先で廻しているか、体全体で廻しているか。

まっすぐ廻しているか、歪んでしまっているか。

また半棒に戻すと、その違いがよりわかるかもしれません。

長い/短い、重い/軽いは、相対的なものです。


澁川一流柔術

半棒表 立合

今回、女の子がお休みだったので、二人一組のペア×2です。

お父さんペアは力任せにならないよう。

男の子とお母さんペアは身長差に気を付けて。


出ながら打ち込む。/下がりながら受ける。

出ながら受けられてしまったら、出ながらは打てません。

でもそれで、手が違う足が違うと言っても栓なきこと。

手足が型と違うのであれば、きっと原因は別にあるのでしょう。

 

力がある/ない、というのは相対的なものでしょう。

身長が高い/低い、というのも相対的なものです。

力自慢でももっと強い人はいますし、背が高くても同じ。

相対的なことにこだわらず、自由に対応できるといいですね。

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大石神影流剱術

陽之表 よう剣

打太刀仕太刀ともに踏み込みながらまっすぐ斬り結びます。


仕太刀が遠慮してしまっては、よう剣になりません。

ただ剣と剣を合わせても意味がない。

剣と剣の何センチのところが重なるのか。そんなことではなし。

打太刀に負けず、まっすぐに打ち込む。そのための気合。

肚で押さえる。右足か左足かは問題ではなく。

上手くできないのだとしたら、問題はきっと別のどこかにあり。

それは相対的で/総体的なことでしょう。

手と足が合っていれば良いというものではありません。


子供と女性は、気合を出すのにあまり抵抗がないような。

男性は少し恥ずかしかったりして。→わたしはそうでした。

変化を好むか、安定を好むか。ちょっと違うか。

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無双神伝英信流抜刀兵法

大森流

初発刀

いつもどおり一緒に繰り返し。

場所が違っても、いつもと同じように抜けたかと思います。

それはとても大事なことです。


左刀

抜きながら正面に向き直る。/正面に向き直りながら抜く。

言葉にすると同じようですが、受け取るイメージは違うかも。

多分、記述された順番で実行しようとしてしまいます。

 

日常の言語は一次元。

同時に行う動作を、同時に記述することはできません。

一つずつ順番に記述するしかない。

そこに限界があります。

順番に記述してあるからと言って、それが時系列とは限らない。

(併記したとしても同じです。脳内処理の話ですから。)

でも非言語なら、同時並行処理が可能かもしれません。

たとえば、イメージの世界とか。

言葉にしようとした途端に崩れ去る、あっちの世界です。

それとも単に、体感、と表現しても良いかもしれません。

 

抜き出してから回っても、剣は正面には届かず。

かと言って、正面に向いてから抜いても遅いし。

きっとそのどちらでもないのでしょう。

此処筆不及。口伝(意訳;書くのがめんどくさいので道場で)


足の左右が違っただけで、他は初発刀と同じです。

柄手、鞘手に変わることはなし。

惑わされず、同じようにできるように。

 

剣術、棒術は主に相手をつけた相対稽古を行います。

居合は、一般的に一人で単独稽古を行います。

いずれにしろ、武術は相対的なものかと思います。

相対の意味が違うか。あは

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今回、いつもと違う稽古場所でした。

たまには雰囲気が変わって良いですよね。(相対的に)


来週も同じ稽古場所です。

時間が早いですので、ご注意ください。(相対的に)