回り道

少し早く出て、一人でモップ掛け。

最近は皆さんにやっていただいているので、たまには自分でもやらないと。

両手にモップを持って、前から後ろまでのんびり往復。

うーん、気持ちいい。


間もなく皆さん、いつもの時間に到着です。

今日から男の子とお母さんも道着に袴。

うん、似合ってる。かっこいいですね。

着付けは、がんばった感があふれていましたが、

すぐにこなれることと思います。


なにかと物入りな武道の稽古。お金が掛かります。

まずは鞘付き木刀と帯に足袋。そして半棒。最後に道着。

不思議な順番でした。あまり一般的ではないかも。

でも恰好から入る人は、あまり長続きしなかったりもします。

のんびりゆっくりで良いのではないでしょうか。

次は、居合刀ですね。でもこれはおいおい。

ケタが一つ違いますしね。真剣はさらにもう一つ違います。

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棒廻し

最初に細かくお教えしていないので、皆さんそれぞれです。

ぱっと見にはきちんとできているように見えても、

それぞれいろいろなやり方になっています。

どんなやり方でもとりあえずはできます。

でも一応、流派として統一しましょう。

お一人お一人、細かく手直しをします。


なんだよ、最初からきちんと教えてくれればいいのに。

無駄な遠回りをした。と思うかどうか。

山で道に迷ったとき、頂上に向かって歩くと遭難するとか。

直線、最短距離がベストとは限りません。

あっちに行ったりこっちに行ったり。

でも実はそれが一番合理的な方法だったりすることも。

親が、子供には自分の苦労を味あわせたくないと思って

面倒をみると、それが甘やかしにしかならなかったり。

やはり自分でする苦労は大事かと思います。

たしかに間違えた動きをいったん身に付けてしまうと、

それを直すのは大変です。

でも動きの質さえ間違えていなければ、手順は直せば良い。

いろいろな手順、形を稽古しながら、正しい動きを自分で

見つけてほしいと思います。

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大石神影流剣術


構え素振り

いつもどおり、呼吸に合わせてゆっくり深く。

道着と袴だと、いつもと少し感じが違ったかもしれません。

それに慣れるのも稽古です。

腰高にならないよう。足のポジションも大事です。

全身を固めるのではなく、弛めてふんわりずっしりと。


試合口五本

打太刀は表面を打つか、裏面を打つか。裏から水月を突く。

あらかじめ決めない。そして、仕太刀はそれに応じる。

一、二、四本目の稽古です。

いずれも請けて、張って、突く。同じような内容です。

皆さん混乱もせずに上手にやっているな―と思ったら、

片手突きになったり、諸手突きになったり。

おもしろいですね。

手順がそう決まっているからただそうするのではなく、

そうしなければならない理合というものがあります。

間合いがきちんと取れていないということかと思います。

諸手で突くべき間合い、片手で突くべき間合い。

なぜそうなるのか。

稽古すべきことは、まだまだたくさんありますね。


打太刀はすらすらと三歩行き位を見て正面を打つか、

上段となってすらすらと三歩行き真っ向を打つか。

仕太刀はそれに応じる。先を取るか、請け流すか。

三本目と五本目。対照的な二本です。

でも迷うことはない。簡単なものです。

真剣からなら先を取ればいいし、上段からなら請け流す。

本来は、その場その場の状況に応じて瞬間的に判断します。

そこが眼目かと思います。


試合口五本。

決められた手順をなぞり、決められた順番で演武をするなら

皆さんもうとてもお上手にできます。

いつもと同じ相手、いつもと同じ場所、いつもと同じ。

でも本来はすべて、一期一会です。同じことはない。

手を変え品を変え、回り稽古で相手を変えて。

ぐるぐると回りながら上達してほしいと思います。

同じところを回るのではなく、少しずつ上昇する。螺旋


最後に五本を通しました。

久しぶりに男の子と組み。とてもお上手になっていました。

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無双神伝英信流抜刀兵法


大森流 初発刀

いつもどおり、皆でゆっくりと抜きます。


横一文字の抜き付け、縦一文字の斬り付け、

左上から右下への血振るい、右上から左下への納刀。

十文字と左右の斜め。

左から振りかぶって斬り付け、右から振りかぶって血振るい。

左右の足の踏み替え。立って座って、前に進んで後ろに戻る。

抜いて納めるだけの間に、これだけのことを行います。

初発刀は本当によくできていますね。とても合理的です。

とても合理的で、とても回りくどい。


英信流表の一本目横雲と比較すると、初発刀の意義が

よくわかるかと思います。

とてもシンプルな横雲に対して、初発刀はなんでこんなに

回りくどいことをするのか。

ただ抜いて斬って終わりではないのか。

横雲を稽古するようになれば、わかることもあるでしょう。

でも当面は、もう少し初発刀を稽古しましょう。

急がば回れ、とも言いますしね。

そういえば振りかぶりのことを運剣と言いますが、

流派によっては廻剣とも言いますね。

ここでも回るという文字が。

 

どうせ抜いても納めるのなら、最初から抜かなければ良い。

というのが、一番合理的かなとも思います。はい

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いつもより少し遅く稽古終了。

棒を廻して、剣を廻して、回り稽古をして、回り道をして。

あとはマットの上で回転受け身でもすれば完璧でした。


皆さんを見送って、いつもの独り稽古。

大石神影流剣術、無双神伝英信流抜刀兵法、渋川一流柔術。

帰宅して、子供と風呂に入って食事。

いやー、幸せですね。

でもこのシンプルな幸せにも、もちろんいろいろな回り道が

あったのです。

・・・といつも通りこじつけて、今日の稽古日記はおしまい。


来週も通常通りの稽古です。