貫汪館 横浜支部稽古

すっかり春になって、暖かい日が続きます。ときには暑くて汗ばむ日も。
襦袢の下は長袖シャツから半袖シャツに変えて、袴の下にはズボン下も穿かず。
厚着でモコモコしなくなったので、着付けもすぱっと決まりました。
若い頃はウエストが細くて着付けが決まりませんでしたが、最近はだいぶサマになるようになって。
肚ができてきたからでしょうか。それとも単にお腹が出てきたからでしょうか。
筋トレをしていた頃は腹筋も6枚だか8枚だかに割れていましたが、今は昔の話。
でもスポーツ的ではなくて武道的な体型だからこれでいいのだ、と思っています。
目指せ、大石神影流の絵伝書の体型
http://kanoukan.blog78.fc2.com/blog-entry-2493.html
(天真正/林崎のトンボ絵の方がカコイイかも。というのはここだけの秘密です。)

 

前回、デンさんはご自分の居合刀と大石神影流の木刀をお持ちになりました。
これで居合刀と木刀を二本ずつ持っていく必要がなくなって、だいぶ身軽に。
居合刀、大石神影流の鞘木刀、定寸の鞘木刀、小太刀、半棒、六尺棒を持ちます。
あれ、以前より多い。まあいいか。やりたいことは数多くあります。

 

6時に体育館に到着するとデンさんの姿はなし。ちょっとこわい考えに。
モップ掛けをしていると、間もなくいらっしゃいました。ああよかった。
お話をしながら着替えをお待ちします。
6時15分から稽古開始
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大石神影流釼術

 

試合口、陽之表、陽之裏
いつもどおり仕太刀をさらっと通してもらいます。だいぶサマになりました。
附けの構えもだいぶ戻ってきた感があります。
先週は稽古がなかったので心配していましたが、杞憂だったようです。

よかったよかった。
続いて打太刀もしてもらいました。以前よりスムースに動けます。
その都度指示をしながらですが、陽之裏も普通にできました。
だいぶ大石神影流の動きに慣れてきたようです。

 

三學圓之太刀
今回は稽古せず。少しオーバーフローの感があります。
無理矢理詰め込んで、混乱してしまってももったいない。
もちろん本来なら、全部さらっと通したいところではあります。
それに混乱しながら覚えるのも、稽古の楽しさの一つでもあるのですが。
あまり合理的効率的に覚えても、すぐに忘れてしまうものです。
苦労して覚えた方が、その分、より深く身に付きます。
いーじーかむいーじーごー、とか言いますし。
なんにしろ、また次回に。

 

小太刀、二刀
その代わりという訳でもないのですが、小太刀と二刀を稽古しました。

気分転換的な。
稽古の気分転換を稽古でって、おもしろいですよね。
でもとりあえず目先の楽しさや目新しさで興味を継続させるのも一つの手かなと。
もちろんそんなものはなくても、稽古の興味は尽きませんが。

 

遣った小太刀は、大石神影流の掟よりもちょっと長め。たまたま家にあった物。
家族で武道具屋に行ったときに、子供が欲しがったので買ってあげたのでした。
もちろんそれで小太刀の稽古をしたりはしませんでした。
欲しがれば与えますが、強制はしません。それでアレルギーになっては元も子もない。
できるのは環境を整えることだけ。機が満つればいずれ自然に。と思っています。
普段からそういう環境にいて、目で見て肌で触れていますしね。
普段はトイザラス(←間違い。正しくはトイザ“ら”ス)で買ったウレタンの剣で一本勝負とかしたりして。きゃっきゃと。

 

小太刀と二刀は前回、本部でさらっと稽古しました。でもさすがに覚えてはいないかと。
一本ずつ交代しましょうかとお聞きすると、全部通してから交代の方が良い、とのこと。
うむ、わかっていらっしゃる。
小太刀も二刀も打太刀は単純です。上段で待ち構え、真向に打ち込んだり請けたり。
まず打太刀をやってもらって、五本ずつ仕太刀を遣いました。で、交代。
五本ずつですし、技法も単純です。すぐにできました。
もちろん、間や間合い、拍子、崩す方向や請け方などはまた別の話です。
これからも稽古を続けたいと思います。

 

棒合、鑓合
あ、稽古するのを忘れました。いま気付いた。

せっかく六尺棒も持って行ったのに。。。

まあ、また今度。

 

あっという間の1時間。打太刀と仕太刀を一回ずつやっているだけなのですが。
上手くできなかったからと二回ずつやったりしたら倍の2時間ですね。おそろしい。
いくら時間があっても足りません。
とりあえず1回ずつさらっと通して流す。こういう稽古もありかと思います。

 

初心の修行には十本の業を一本と心得て初本より終り抜打迠糸筋の切れさる様に工夫あるべし 童蒙初心之心持

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無双神伝英信流抜刀兵法

 

太刀打詰合
いつもどおり、さらっと通します。
先に太刀打の遣い方をやってもらって、交代して相手。続いて詰合も同じように。
だいぶスムーズにできるようになりました。

 

太刀打詰合では、斬り結ぶ動作が多数あります。
ガツンと当たるようなのはおもしろくない。パシーンと割れるような音がいい。
それは、きれいに斬り結んだ証拠です。剣と剣を打ち合うのではなく。
そうするとそこからスムーズに柄砕などに入れます。ガツンと当たると不能。
このパシーンという音がだいぶ増えました。
最初はもちろんまったくしませんでしたし、しばらくはたまにでもあればいい方で。
だんだん鳴るようになって、最近は逆にその音がしないとあれ?と思うようになり。
この音がすると、とてもすがすがしい。稽古をしていて、気持ちがいいのです。
神社の拍手みたいな感じです。そういえば拝み打ちともいいますね。関係ないか。

 

相変わらず、下での抜き合わせがあんまりです。固くて、ぶつかる感じ。
抜き付けでも、留めでも、肘が伸びきってしまう。こうすると力技になります。
肩肘手首を柔らかく、腰も落ちて、肚で動く。柔らかく、しかしとても重くて強い。
八重垣や鱗形などで請けるときも同じです。
固くぶつかると、音が不快で、剣も跳ねます。ガンガンと。一回で止まらない。
ピタッと留まるといいのですけれどね、なんて毎回お話だけはしていました。
それが今回、できました。

詰合の発早。デンさんが打太刀のときでした。私はいつもどおり下で抜き合わせ。
バシッと音がして、ピタッと留まったのです。剣は跳ねず。これですこれ。
でも次はダメで。あらまあ。まあそうそう上手くは行きませんよね。
でもまあ一回できれば、きっとまたできます。一回が二回、二回が三回。
いずれ毎回できるようになるといいですね。打太刀だけでなく、仕太刀でも。
太刀打の心妙剣や詰合の燕返の抜き請けも同じかと思います。
力任せにガツンとぶつかるのではなく、柔らかくて衝撃は感じないのに思わず崩れる。
剣が払われるというよりも、体勢が崩されるという感じです。

 

遣い方のとき、下で留めるのが間に合いません。力みがあるからでしょう。

無駄なく動くことができれば、打太刀より後から動いて十分間に合います。

素抜き抜刀術に悪癖があれば、ここでたちまち露見します。

見た目がどれだけかっこよくても、遣い物にならなければ意味がないと思います。

心理的には慌てないことも大事かと。速く動こうと思うと余計に遅くなるものです。

慌てるという字は、心が荒れると書きます。

 

居合とは心をしつめ指刀抜れはやかて勝を取なり

 

最後にもう一つ。
詰合の打込で木刀と木刀が真正面で打ち合いました。
お互いに中心を斬り合うだけなので、正しく振れば剣と剣が当たるはず。
とは言え。なかなかそう上手くは行きません。
最初のセットで、デンさんが遣い方のときでした。
やや早く振り下ろされた私の剣の先端にデンさんの剣がゴツンと。
交代して、デンさんが相手のときには残念ながら成らず。
私が今遣っている木刀の先端は狭い面になっていて、多少の幅があります。

(先端が切り落とされている木剣ほどではありません。)
理論上は毎回できてもいいはず。今後も楽しみです。
当てようと思うと当たらないので、無欲の勝負です。
もし真剣でできたら、神業ですよねえ。

 

若い頃、組太刀を稽古していたときはよく相手の方のメガネを落としました。
打ち込んだ木刀の先端で引っ掛けて、ということです。相手にケガなどはなし。
まあ何百回もやっていれば、ときにはそういうこともありますよね。
もちろん遠い間合いで稽古していれば、何万回やってもありえませんが。
逆に近すぎれば、当ててしまってケガをさせてしまうかもしれません。
今はケガが困るので、そういう稽古をしようとは思いませんが。
大人になったなあ。

 

あ、そうそう。
太刀打の附入のとき。打太刀で下に抜き付けてから、さっと下がりました。
デンさん、こちらの拳を取れず。その場に固まっていらっしゃいました。
抜き付けで極めを作って固まると、そうなりますよね。ちっとも附入にならない。
打太刀が拳を取られるのを待っているから取れる。それでは意味がない。
徐々に意地悪を増やすかもしれません。っていうか、すでにいろいろやってるか。
きちんと払われなければ、そのまま突き込んだり。でもそれが普通ですよね。てへ
稽古はきっと、そーゆーのがおもしろいのだと思います。
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棒廻し
ちょっと気分転換。またか。

 

棒振り/棒廻しは、もちろん棒術の基本です。
柔術で棒術を併伝していることも多いですから、柔術でも稽古するかと思います。
居合でももちろん、棒や和を稽古する意味は十分あるかと思います。
っていうか、しないとまずいんじゃないかなーなんて思ったりしています。
なので自分は毎日家で六尺棒を廻しています。夜の稽古のメニューの一つです。
それ以外にも、棒と目が合ったり呼ばれたりしたら左右にくるくると廻します。
床に無造作に置いてあるので、ちょくちょく呼ばれたりするのです。常之棒

 

剣は右手右足前、槍は左手左足前とか言います。

→もちろんそれだけではないですが
棒は、左右を同じように遣うことができます。

→実際にはどちらかをメインにしますが
棒振り/棒廻しは、体を左右に転換します。

→もちろん手を遣いますが、遣って使わず。
重心を落として、そけい部を弛めて、肚で動く。基本の稽古に向いています。

対敵動作ではないので、変な力みが入りにくいのも稽古にちょうどよいかも。
もちろん、ただ小器用に手先で棒をくるくると廻していても意味はありません。

 

デンさんと一緒にクルクルと廻します。とりあえず半棒をお渡しして、私は六尺棒。
現代武道の道場で、道具をくるくる廻したりしたら怒られちゃいそうですね。
ときおり半棒と六尺棒を取り替えっこしたりして。

でも、なんだか苦労されています。
下から跳ね上げる動きが、いつの間にか上から押さえる動きになってたり。

体も一重身から一重身の転換が上手く行かず。

そんでもってそのうち、目が回ってしまったそうな。あらまあ、想定外。
手元を見ていたからでしょうか。そう言われると私もなんだかちょっと。。。

 

本当は半棒の一本目だけでもと思っていたのですが、今回はここまで。
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斬撃
デンさん、マイ刀です。とてもよくお似合いです。
抜いて中段に下ろすと、いい感じです。歩法も悪くありません。
振りかぶり振り下ろしで少し勢いを使いましたが、指摘するとすぐに直りました。

 

三歩歩いて、四歩目で振りかぶり五歩目で振り下ろす。
三歩目までと、四歩目五歩目でテンポが変わってしまいます。
同じように歩いてくださいと言いますが、なかなかできず。意識の問題ですね。
振りかぶろう、振り下ろそう、という意識があるとできないものです。
そのうちなんとかできたようなできないような。
ご本人の覚悟が問われます。
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大森流

 

初発刀
最初に一回抜いて見せて、抜いてもらいます。気になるところがあれば手直し。
抜き付けでダンと足を踏み込み、右手をぐっと握り込んでいます。いわゆる極め。
極めは不要です。勢いで動き、力で固めて止まるのではない。
力を抜くことで動き、さらに力を抜くことで留まります。
一般的には、見ていてもやっていても物足りない動きでしょう。
メリハリをつけて、キビキビと動いて、力強くびゃっと動いて、びたっと止まる。
そういうのが一般にはウケがいいのでしょう。
でも私はそういうのはお腹いっぱいです。するするさらさらぬめぬめと動きたい。
何度か繰り返すと、それっぽくなりました。でもまだ本心からではない。
外から言われて強制された感があり。内面から自然とにじみ出る動きではない。
生まれ変わるのを待ちます。

 

血振るいをして、まっすぐ立ち上がることができません。
前に傾き右に傾き、どっこいしょと。足を寄せるときも、重心が浮いてしまいます。
大森流は、居合。座り業です。なかなか立ち上がることは許されません。
初発刀では、抜き付け斬撃が終わって、血振るいでやっと許されます。
心と体の力みが出やすい対敵動作を終えてから、ということです。
ただ立つことすらできないのでは、だんだんと立つことが早くなる以降の業では。
対敵動作ではないからどうでもいいのではなく。
対敵動作ではないからこそ今のうちにきっちりと身に付けておく必要があります。
抜き付けや斬撃ばかりに気を奪われているようでは居合の稽古にはなりません。
より一層の精進を望みます。

 

左刀、右刀、當刀
抜いて見せはせず、業名を言って自分で抜いてもらいました。
初発刀以上に抜けるものでなし。極めないこと、まっすぐ立ち上がること。

 

陰陽進退
陽進刀で横に開いてからの納刀。英信流の納刀です。
請われましたのでしばらくお教えしました。すでにお伝えしてありますが何度でも。
理屈はご理解いただけたようです。あとは自宅で毎日稽古をしていただければ。
さて、次回の稽古ではどこまでできるようになっているか。

 

順刀
両手を刀に掛けて右足を半歩踏み出し、左足を引きながら鞘を払って立ち上がり、浅く一刀、継ぎ足で深く斬撃。右足を引いて上段になり、膝を着いてとどめ、納刀。
デンさん間違えてます。それは順刀ではなくて、逆刀です。
ヲイヲイ、行宗先生かよ!という誰もわからないツッコミはひとり心の中で。
とりあえず生温かく見守って。
終わってから、違いますよ~と言って順刀を抜いてもらいました。

 

勢中刀
右刀でもなく、稲妻でもなく。勢中刀です。
抜き付けまではいい感じ。でも膝を着いて斬撃あれ、稲妻と間違えてる。
続いて大森流の血振るいをして立ち上がったと思ったら、納刀しながら膝を着き。
あらまあ。新しい業のできあがりです。あんまり意味はないですが。
にやにやして見ていたら、どうしたんですかと。気付いていない様子。

今、こうしてましたよ~と言うと、はっと気付いたようです。
最初に抜いて見せず、業名だけ言っていきなり自分で抜いてもらってますからね。
そりゃまあそういうこともありますわな。
勢中刀は立ったまま大森流の血振るいをして、納刀但膝不付
と口頭で説明だけをして、もう一回抜いてもらいました。

 

虎乱刀
歩み行く内に右足で抜き付け、左足で斬撃。あらまあ逆足。度々あります。
自然な動きだから別にいいのですけれどもね。でもまあ一応、型なので。
右足で抜き付け、左足で振りかぶって右足で斬撃。
実際はそんなデジタルではありませんが、文章ではそういう表記になるかもです。

 

抜打
抜き出す刀が、前に出てしまいました。
上体をやや前掛かり、柄を右腰に抱え、刀を平にして右脇に抜き出す。

 

大森流はすべて初発刀の変化応用だと言われたりして。
でも抜打なんてどこが初発刀なんだよー、とむかーしの私は思ったりもしました。
今はもう初発刀以外の何物にも思えず。人間の感覚なんて不思議なものです。
流刀も全然違うと思ってたりもしたのですが。順刀とか。逆刀とか。
外形しか見ていなかったということなのでしょうか。
あるいは理系の人なら最初からどれも同じに見えるのかもしれません。

とぽろじー

 

今回、初発刀以外は最初に抜いて見せずにいきなり抜いてもらいました。
無茶苦茶になるかと思いきや、とても上手に抜いていらっしゃいました。
業間違いは別にして。
毎回お手本を見せるのも稽古、たまにしか見せないのも稽古。
お教えするのも稽古、お教えしないのも稽古。
どうやっても上達する人はするし、しない人はしない。
要は本人の気持ち次第かと思います。
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9時ギリギリになって稽古終了。
急いで着替えて体育館をあとにしました。

 

来週は横浜支部の稽古はお休みです。世に言うGWというやつですね。

黄金週間。蝕こわい。違うか

H26.4.29

 

大石神影流宗家継承式で、各支部長とお話をしました。
で、横浜支部は稽古日記が長い、と言われました。(家でも言われました。)
やっぱり長いですかねえ。

そんなわけで海よりも深く反省して、もっと長くしようと思いました。あれ?
これからもがんがります。れりごーと口ずさみながら。

 

一緒に歌おう♪『アナと雪の女王』「Let It Go<歌詞付Ver.>」 松たか子 http://www.youtube.com/watch?v=cvj3-MZO9Tw

一緒に歌おう♪『アナと雪の女王』「Let It Go<歌詞付Ver.>」イディナ・メンゼル

http://www.youtube.com/watch?v=bvvxdie1F5k
『アナと雪の女王』特別映像:「Let It Go」-イディナ・メンゼル
http://www.youtube.com/watch?v=V9JJyztJLLA