貫汪館 横浜支部稽古

今週は暖かい日と雨が続き、積もっていた雪はすっかり融けました。
週末はまた雪との予報もありましたが降らず。
膝上まであった雪の山は、暖かい日差しにも融けきりはしませんでしたが、しと降る雨にはかなわなかったようです。
北風と太陽の逆バージョンのようで少し不思議です。
雨よりも風の方がどこにでも行き渡るはずですが、浸透力は水の方が大きいということでしょうか。

 

九段下の櫻屋へ行きました。日本武道館の近くにある武道具屋です。

久しぶり。
個人的にはもう四半世紀のおつきあいで、店長さんも代替わりされて。
頻繁に購入するわけではありませんからお得意様というわけではありませんが、道衣や袴、木刀、杖、居合刀、刀袋などを購入したりします。
今回は、鞘木刀用の革鍔と下げ緒の購入が目的です。
事前に電話して、大刀用の革鍔は1枚だけ在庫があると確認しました。
往復の交通費も含めるとネット通販の方が少しお安いのですが、不安症の私は、実際に物を見て直接購入したかったのです。
取り置きは依頼しませんでしたが、無事に購入することができました。
合わせてゴムの鍔留と、下げ緒も一本。

 

帰宅して、定寸の鞘木刀に革鍔と下げ緒を付けます。
鍔は、残念ながら昔から遣っている木刀には合いませんでした。
ですが、最近購入した木刀にはぴったり。大石神影流の木刀にもぴったり。
よく見ると、棟の形が違います。
新しい木刀と大石神影流の木刀は三つ棟ですが、昔からの木刀は庵棟です。
昔から遣っていたので気づきませんでしたが、三つ棟が一般的なのでしょうか。
木刀用の鍔はいずれも三つ棟の形をしています。
鞘の下げ緒も交換。最初から付いていた下げ緒はビニールのリボンなので、そのままだと少しはずかしいのです。

 

大石神影流の木刀には、別で購入した革鍔を付ける予定です。
こちらはネットで見つけて、近日中に自宅へ配達予定。少しお高いやつです。
自作の鞘には、栗形も作成しました。こういった工作には不慣れですが、
とりあえずなんとかなりました。こちらにも下げ緒を付けます。
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3月1日ですので、デンさん入門3か月です。
デンさんから連絡あり。少し早く到着できるとのこと。
少し早めに準備をします。久しぶりに着付けがすぱっと決まりました。
講習会で着付けを手伝うことがあって、あれこれと見直しをしていました。
自分ができるのと、人に教えられるのではまた少し違います。
冬の寒さ対策に厚着をしていることもあって、最近はなかなかすぱっと決まらず。
出遅れてしまってデンさんをお待たせしてしまうことが何度かありました。
よしと小さくガッツポーズをして、家を出ます。

 

外は雨降り。傘をさします。
刀の形をした傘を持っていますが、まだ使ったことはありません。
柄の先がJの字にカーブしていないので、使いにくそうではあります。
袴の裾が少し濡れてしまいます。歩き方が悪いのでしょうか。
裾を持ち上げればいいのはわかっているのですが、両手はふさがっています。
居合刀二振り、大石神影流の木刀二振り、定寸の鞘木刀、傘。
ああ、ライトセイバーとフォースフィールドがほしい。。。

 

体育館に到着すると、デンさんの姿がありません。あれま
電車かバスが遅延しているのでしょうか。事故などでなければいいのですが。
モップ掛けが終わったころ、デンさん到着。
電車で寝過ごして、急行で次の駅まで行ってしまったとのこと。
それにしては早い到着です。降りた駅で階段を走ったそうな。
いつもの稽古よりなによりハードなことですね。事故などでなくてよかった。
入門3か月だからということでもないでしょうが、髪を切っておられました。
すっかりイメージチェンジで、若々しくなりました。
いつも落ち着いていて、とても貫禄があります。
アクシデントがあったにもかかわらず、結果的にはお早い到着。
でもすっかりあれこれと話し込んでしまって、けっきょく開始はいつもどおり。
6時30分に稽古開始
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大石神影流剣術

 

試合口
請け、張り、突く。いい感じです。でも全体的に少し弱いような。
前回、請けが強いと指摘したからでしょうか。
請けは剣で剣を叩き払うのではなく、間を切りながら軽くいなすように。
がつんと当たって不快な感じはごめんです。あくまでも柔らかく。でも強く。
張りはいい感じです。威があります。体の力を上手く遣えています。
突きは相変わらず弱い。顔面を突くことに恐怖心があるのかと思います。
相手は素人ではありません。もう少しぎりぎりまで突いても大丈夫です。
実際には届いてもいないのに、相手が思わず、うおっとのけぞるくらい。
四本目は、一本目二本目と違って、張る距離が短く、威を出すのが難しい。
それが、四本目に位置している理由の一つかもしれません。
五本目の受け流しからの真向もいい感じでした。

 

陽之表
最初に簡単に動作を口頭で説明してから始めると、一通りできました。
一本ずつ、さらっと通して終わりに。いい感じです。

 

陽之裏
前回、五本目まで稽古しました。陽之表と同じように、さらっと復習。
できてしまうからたいしたものです。
そのまま後半へ突入。六本目、七本目、八本目、九本目、十本目。
問題ありません。十本すべて稽古ができました。
次からはさらっと通せるといいですね。

 

最初に手数の名前を言って、構えを指示して、簡単に動作を説明して始めます。
それで思い出せればそれでよし。ダメならダメで。
手数の名前と順番は、繰り返していればいずれ覚えることでしょう。

 

大石神影流の稽古を先にするのは、それなりの理由があります。
立ち方、歩法の稽古を兼ねています。
自由に立つために座るのですが、それが難しい。
足を遣わないための座姿勢ですが、それで体が固まってしまう。
そけい部の弛みを求めるのですが、実感が難しい。
ただ立って歩くのも、稽古が難しい。
幸いなことに、大石神影流には、おかしな思い込み、先入観がありません。
素直に、言われたままに稽古することができます。
館長から、そけい部の弛みが最大の課題です。と言われていました。
ずっと思い悩み、あれこれと稽古をしました。
先日、とても良くなったとお言葉をいただきました。
それには、大石神影流の独り稽古がとても役に立った気がします。
デンさんにも同じ効果があることと思います。

 

貫汪館には、居合、柔術、剣術が伝わっています。幸いなことです。
それぞれが相互補完的に、上達の手助けとなることでしょう。
英信流の先達も、いろいろな武術武道を稽古されていたことと思います。

 

大石神影流の手数では、仕太刀は構えのまま最初に三歩、間を詰めます。
歩くたびに、重心が上下左右前後に揺れるようでは困ります。
上段になって半身なのに、一歩進むたびにお尻を左右に振るのでは滑稽です。
足を遣って、足は使わず。重心の移動でするすると。まっすぐスムーズに。
腰から上は微動だにしないよう。
なかなかおできにならないので、横から腰をがっと掴んで、一緒に歩きます。
太腿を手で支えて動かし、自分で自分の足を使わない感覚を感じてもらいます。
夜の体育館で男が二人。あまり人には見られたくない光景ではあります。
女性の入門者があったらどうしようかと、今から心配だったりします。

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無双神伝英信流抜刀兵法

 

太刀打
さてさて、課題の請流。
いつも、どうしたらできるようになってくれるだろうかと思い悩んでいました。
不本意ながら、形を分解して説明したり。やむを得ず、少し違う形で説明したり。
わかりやすいよう、理合を口頭で説明したり。
いずれも不本意です。
わかりやすくするということは、少し本質からずれるということでもあります。
稽古は、見て真似をして、感じて、自分で考えてほしい。
ただそうは言ってもそれだけでは難しいので、あくまで少しだけ手助け。

 

太刀打や詰合では、一歩動くたびに一挙動、という動作が多いかと思います。
ただそれでは、相手も一歩動いて受け払い。いつまでも勝負はつきません。
かと言って、打太刀がただ突っ立って、仕太刀にやられるのを待つというのでは。
仕太刀の方から、間や拍子を崩す必要があるかと思います。

請流の勝つ動作は、最後の一歩で三挙動を行います。
顔面に突き込み、払われ、そのまま打ち込む。
これを二歩や三歩にわけてしまっては、相手も二歩三歩と動けてしまいます。
だからと言って、相手に止まっていてもらったり、こちらだけ倍のスピードで動くというのでは稽古の意味がありません。
スムーズに一連の流れで動ければ、同じスピードで三倍の仕事ができるはず。
もしもそれができれば、相手が対応できようはずもありません。
相手につかず、一人で動いて見せて、同じように一人で動いてもらいました。
とりあえず、いち、にい、さんと。
動作を理解してもらったら、それを止まらずに一歩で。
何度か繰り返しました。
それから相手について動いてもらうと、できました。
それです、それ! やっとできた。思わず小躍りしそうになりました。
とてもなめらかで、力みもない。貫汪館の動きです。
うれしくなって、次へ。

 

続く請入は、請流とセットになっている業です。変化と言ってもよいかと。
出合と附入の関係にも似ています。
でも請流ができたのだから請入もできるかと言うと、そんなこともなく。
請入には、請入の難しさがあります。
最後の斬り上げる動作は、腕で刀を使おうと思っている間はできません。
体で刀を遣う必要があります。もっともそれは、請入に限ったことではないのですが。

請入の遣い方は、発想の転換が必要ではないかと思います。

気付くことさえできれば、意外に簡単かもしれません。コロンブスの卵

これは、また次回以降としました。

 

今回、動きを理解してもらいたくて、ゆっくり軽めに打太刀をつとめました。
しかし、いつもと同じように強く速く、動いていらっしゃいました。残念
自分の手順を追うだけでなく、相手もしっかり見なければいけません。
こちらからゆっくり軽く刀を払うと、払われた刀がそのまま残っていました。
力で耐えてしまったのでしょう。
稽古は、力比べではないはずです。力を使っている間は、稽古にはなりません。
軽くふわりと動きたい。これも今後の課題かと思います。

 

一通り通してから、交代して打太刀をしてもらい、さらっと通します。とくに説明はせず。
最初にお手本を見せて、それを真似してもらう。一般の稽古です。
最後にやって見せて、自分では稽古させない。これもありかなと。
強烈な印象を焼き付けて、未練を残させる。その気がある人には効果絶大です。

その気がない人には、まったく何の効果もないかもしれませんが。
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詰合
やはりゆっくり軽く行います。
下で抜き合わせるとき、肘が伸びきるようではいけない。腕力ではありません。
詰合の最初の抜き合わせ、燕返の初動、太刀打の心妙剣。
いずれも、素抜き抜刀術の抜きつけと同じです。あくまでも体を開く動き。
いくら見た目が速く強く感じられても、受ければわかります。
ただガツンと強く当たるだけで威がなく、剣は払われません。
受けていて、不快感があります。
上手は、柔らかく、それでいて抵抗しようがない。なんの抵抗もなく払われます。
しかも、思わずこちらの体勢も崩されてしまいます。

 

燕返はやはり運足が無茶苦茶でした。
でも指摘して、ゆっくり何度か繰り返すと、できるようになりました。

やたっ

 

英信流の座法がまだできません。
まず座ってみて、それからごそごそと。あちらを直し、こちらを直し。
これかなと思うところに落ち着いたら、そのまま立ち上がります。
その歩幅が、最初に半歩踏み出した形。
そこからそのまままた座ります。まっすぐそのまま、すっと静かに。
この繰り返しです。自分で正しい位置を探すしかありません。
トレーニングではありませんから、100回もやる必要はありません。
自分で毎日、ほんの数回ずつ稽古するだけでも効果があるはずです。
蹲踞の立ち座りも同じです。

 

今回、新しい鞘木刀を遣いました。
少し軽めで、なんだかちょっとやりにくかったです。
そんなんじゃあダメだなあ、と反省しました。
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歩法
先週はデンさん病み上がりで、根を詰める歩法の稽古はやりませんでした。(時間もありませんでしたし)
今回は復調されましたので、歩法の稽古を。
歩けもしないのに、剣ばかり振り回していても仕方がない。
大事な基本です。

 

帯刀
悪くありません。大石神影流の稽古が役に立っているのでしょう。
腰に帯びた刀をガイドに。刀がふらふらぐらぐらしないように。
刀に導かれるように。

 

抜刀
抜いて歩きます。切っ先に意識を集中します。いい感じです。
切っ先が引っ張られる感じがあると。
後ろから押される感じがあると。
下がるとき、背中を引っ張られる感じがあると。
そうそう、それそれ。
体内感覚は、はいっと見せることもできません。手で渡すこともできません。
言葉で説明することはできますが、体感は人それぞれです。
こればっかりは、自覚していただくしかありません。以心伝心

 

斬撃
いい感じです。刀に気を奪われていません。あくまで歩法の延長になっています。
左足で振りかぶり、右足で下ろします。腕の力は使わない。
ただやはり、ときおり色が出ます。
振りかぶりで意気込んだり、振り下ろしで力んだり。邪念我欲
ただ歩き、手と足を連動させるだけです。無念無想
またハマることを危惧していましたが、杞憂と終わりました。うれしい誤算です。
それでも気づくと、歩法(と斬撃)だけで、あっという間に30分。
いやー、いくらやってもきりがないし、楽しいし、飽きませんね。
と二人で笑いました。
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大森流 初発刀
いつもどおり、最初に一人で抜いてもらいます。
またお上手になっていらっしゃいました。感動ものです。ぶらぼー。はらしょー
立ち上がりもぶれずにできるようになっていました。素晴らしい。
納刀も二尺八寸でまったく問題なしです。
こじりを振り回すこともないですし、鯉口をこじることもありません。
貫汪館の動きができています。


ただ、納刀を終えて、立ち上がるのがつらそうです。体が重そう。
すっと立ち上がると、体の重さは消えてしまうのですが。
XYZの三軸がぐらつかないように。するりと立ち上がる。足で蹴らない。
実際にやって、横から見てもらいました。垂直軸の移動。前方上方へのスライド。
少し感じるところがあったようです。踏み締めずに立ち上がっていました。
まだ太腿が緊張するとのことで、今後の課題かと思います。

 

大森流は、今週も初発刀のみの稽古となってしまいました。
大石神影流に30分、太刀打と詰合に45分、歩法に30分、初発刀に30分。
合計2時間15分。休憩なし。
今後は稽古が進めば、時間配分も変わるかと思います。

 

大石神影流は陽之裏まで進み、太刀打と詰合も進歩あり。
歩法と斬撃もできるようになり、初発刀は目を見張る上達あり。
たいしたものです。
やる気がある人は、三日で上達します。三か月もあれば、なにをかいわんや。

 

8時45分に稽古終了。
雨の中、傘をさして帰宅をしました。

 

来週は県立武道館での稽古です。
いつもと同じ量の荷物を持って行くのはちょっとしんどい。
居合刀のみを持って行って、大森流をびっちりと稽古する予定です。
再来週も県立武道館です。この二回で一通り稽古できるといいなと思っています。

来週の稽古も楽しみです。やることは、まだまだたくさんあります。

H26.3.5