明治神宮奉納 日本古武道演武大会

明治神宮では、毎年11月3日の文化の日に、

日本古武道振興会が主催の「日本古武道演武大会」が開催されます。

 

古武道の大きな大会は他にも、

同じく日本古武道振興会が主催の「浅草古武道演武大会」(毎年4月に台東区リバーサイドスポーツセンター)、

日本古武道協会が主催の「日本古武道演武大会」(毎年2月に日本武道館または地方の武道館)、「鹿島神宮奉納 日本古武道交流演武大会」(毎年10月に鹿島神宮)などがあります。
各地方でもいろいろな大会が開催されていることと思います。

 

貫汪館は「明治神宮 奉納日本古武道演武大会」に毎年参加していて、
 無雙神傳英信流抜刀兵法を館長が、
 澁川一流柔術を館長と柔術師範夫妻が、
演武されています。

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渋谷まで急行で21分、山手線に乗り換えてあっという間に原宿。

・・・でもいいのですが、渋谷から半蔵門線直通、次の表参道で東京メトロ千代田線に乗り換えると、次の駅が明治神宮前です。渋谷での乗り換えは人が多くて大変ですが、この乗り換えなら少し楽かもしれません。
明治神宮前駅のホームから、地上を目指して歩きます。
地下を延々と10分ほど歩いて、やっとこ明治神宮入口近くの地上に出ます。
 明治神宮-明治神宮と周辺へのアクセス

正面の鳥居はくぐらず、脇道に入ります。
脇道はアスファルトで舗装されていますが、人通りは少なく、車もほとんど通りません。
・・・と書いてから気付きましたが、本来は車道なのでしょうか。
やはりきちんと参道を通って、参拝してから演武会場に向かうべきなのかもしれません。
正面の参道は砂利道で歩きにくく、靴が砂まみれになるので苦手なのですが、参道に玉砂利が敷かれているのにはきちんと意味があるようです。
 明治神宮-Q&A-

実際、玉砂利の道を延々黙々と歩いていると、それだけで俗世間からだんだんと切り離されていくような気分になります。
玉砂利がみそぎとなって穢れを落とし、あの独特な音が心を沈めてくれるのかもしれません。
ただ脇道の方も、左右にはうっそうと高い木々が茂り、独特の雰囲気があって、お気に入りなのです。

 

しばらく道なりに歩いて、左に曲がると西参道の芝地となります。
右手が古武道の演武会場で、左手では毎年、流鏑馬が奉納されています。
左手の流鏑馬の方にはいっぱんぴーぽーが、右手の会場の方にはまにあな、いやあのごにょごにょ。

普通の人たちは古武道にはそれほど興味を示さないのが一般的かと思いますが、明治神宮では、通りすがりに立ち止まってしばらく見ていく人も多いように思います。
そもそも明治神宮に来るような方々ですから和風なものに興味があるのかもしれませんし、演武されている流派は様々で、とくにいろいろな武器が興味を引くのかもしれません。

もちろんこの演武会を目当てに(毎年)遠くから朝早くから来て場所取りをして見ているような人たちは目が肥えていますから、派手さに目を奪われるようなことはないかと思います。

 

いつもの場所に名古屋西支部長が高い三脚を構えて撮影しているのを確認して、奥へ向かいます。邪魔にならないよう、声は掛けず。

館長と柔術師範夫妻に、ご挨拶。

いつもお世話になっている研ぎ師の先生の姿を見つけて、ご挨拶。
間もなく名古屋西支部長がいらっしゃいました。撮影がひと段落したのでしょう。ご挨拶。
本部講習会と、先日の横浜講習会にも参加された栃木の方がご夫婦でいらっしゃいました。ご挨拶。

皆さん、よく遠方からいらっしゃるものだと思います。
私は地元というほどではありませんが、かといってそれほど遠くでもありません。
演武をされる方々はたった10分の演武のためだけに、遠方から前泊でいらっしゃいます。刀くらいならまだしも、六尺棒や槍は持ち運ぶだけでも大変なことです。

 

朝はどんよりとした空模様でしたが、次第に日が出て、暑いくらいになりました。
会場は第一会場と第二会場の併設で、左右で同時に二流派が演武をします。
柔術系と剣術系などでわかれているというわけでもなく、遠方の流派が早い遅いということもなく、複数流派に参加する場合は時間が近いというわけもなく。あまり法則性はないようです。

ただ、複数登録されている同一流派や兄弟流派が連続することは見たことがありません。

 

無双神伝英信流抜刀兵法の演武となりました。
館長がお一人で居合を抜かれます。
今年は、横雲、浮雲、岩浪、瀧落、柄留、両詰、抜打でした。

毎年七本。時間の都合かと思います。
奉納演武ですので、神座へ礼をして、神座を斬らないように演武をされます。
同じ理由で業の向きを変えられる場合もありますので、ビデオを参考にする場合は注意が必要です。

 貫汪館 道標「明治神宮奉納演武」

 

澁川一流柔術の演武となりました。
柔術の師範夫妻の演武に続き、館長が演武されます。
写真撮影を任されました。責任重大です。
止まっているところ、極めているところを撮影するのは簡単です。

でもそれではおもしろくない。
極まる前の、動きのある写真を撮りたいのです。
連続撮影できるのなら簡単ですが、そうではなく。
下手な瞬間にシャッターを押してしまうと、次の撮影ができるまでに少し間が空いてしまいます。

ただ、デジカメなのでフィルムの心配をする必要がないのは助かります。
館長が昔、撮影した古文書のフィルムを現像する費用が大変だ、とおっしゃっておられました。

いまはデジカメなので、その点はずいぶんと楽になったはずです。これも隔世の感です。
ということで、いずれ貫汪館ホームページにアップされた柔術の写真がダメダメだったら、ワタクシのせいです。どうもすみません。

(ちなみに今までも何度かワタクシが撮影をしています。)
今回、居合は柔術師範が撮影していらっしゃいました。

 

澁川一流柔術の演武が終わって、劇団の方々がいらっしゃいました。
横浜講習会にも参加くださった方々です。ご挨拶します。
いろいろな方にお会いできるのも、演武会の楽しみの一つかも知れませんね。

劇団の方々は、
 館長の雰囲気が、講習会のときとあまりに違うのでびっくりしました。

とおっしゃっていました。
そういえばたしかにそうですね。講習会ではとても和やかで優しい雰囲気ですが、演武のときの迫力は半端ではありません。
居合の演武は静かな迫力ですが、柔術の気合は裂帛です。
受けの柔術師範は立派な体格ですが、その体が宙を舞うこともしばしば。
でも実際に組んで稽古したときの迫力は、その比ではないのですけれどもね。ええ。

 

横浜講習会に参加された方が、ある流派で剣術の演武をされていました。
所属されている会のブログや、さっそくYoutubeにアップされていた動画でも確認ができました。

講習会の申込の際には、古武道の経歴は書いていらっしゃいませんでしたが、かなりのキャリアのようです。遠慮されたのでしょうか。

気付くのが遅れてしまい、ご挨拶はできませんでした。

 

毎年、演武を拝見していて思うことは、古武道というのは本当にいろいろなんだなあ、ということです。

素手、剣、棒、槍、長刀、鎖、鎌などなど。同じ素手、剣でも内容は様々です。見ているだけでも勉強になります。
それに、レベルの高い方々の演武は、心の栄養にさえなる気がします。

最初にお祓いをしていただき、小笠原流から始まって、最後は砲術、というのもひとつの様式でしょうか。

 

館長に直会にもお誘いいただいたのですが、あまり家を空けてばかりもいられませんので、せっかくですが遠慮いたしました。
ところで「直会」が読めるかどうかが、一つの境目のような気もします。なおらい
なんの境目かと聞かれても少し困ってしまいますが。
通常のワープロや、とても優秀ないまどきの携帯でも変換できません。

 

研ぎ師の先生と脇道を通って、明治神宮をあとにしました。
研ぎ師の先生は、鳥居をくぐる度に後ろへ振り返って礼をされます。
私もご一緒のときには同じように礼をします。でも脇道には鳥居はありません。
こんな道もあったのですね、知りませんでした。と。
いやあのごにょごにょ。どうもすみません。

 

来年は不肖ワタクシめも演武に参加させていただくこととなりました。
腕の立つ兄弟子はたくさんいらっしゃいますが、皆さん遠方からの参加が難しい。
無雙神傳英信流抜刀兵法の詰合で、館長の相手という大役です。

館長と柔術師範夫妻とご一緒というのは、今から身が引き締まる思いです。
来年はきちんと鳥居をくぐろう、と思いました。

H25.11.7